束の間の休息の巻
名もなき小さな村に立ち寄ったポンコツ達。
そこで、得たものは?
感想待ってます。
名もなき小さな村の朝は早い。
村人は作物を育て、あるいは漁に出て、自給自足の生活をしていた。
文明とはおよそかけ離れた集落は、独自の文化を築いていた。
人々が忘れかけた何かを彷彿させる、人間本来の生き方に俺は自分を見つめ直す、いいきっかけになるのではないかと考えていた。
「お兄ちゃん!これ見て」
リンに呼ばれ、眠い目を擦りながら近付く。
「テレポット〈瞬間移動呪文〉」
リンは不思議な魔法を唱えると姿を消した。
「リン、何処に行ったんだ?」
「お兄ちゃん~!こっち、こっち!」
リンは少し離れた川沿いに移動していた。
「へへ~ん。ビックリした? 瞬間移動だよ。村の人に教えてもらったんだ。これで、一度行ったことのある場所なら、ひとっ飛びだよ」
「いいもん、教えてもらったな」
この村人の半数が瞬間移動を出来るらしい。
立地の悪いこの土地ならではの、生活の知恵とも言えよう。
「なぁ、リン。ベルナにも移動出来るんだろ?」
「勿論!」
「ちょっと、おやっさんを、からかいに行かないか?」
「いいね~面白ろそ~。それじゃ、私に捕まって」
〈ムギュ〉
俺は無意識に、たわわに実った二つの果実をワシ掴みし、独り占めしていた。
「何処、触ってんのよぉ、もう。お兄ちゃんの頭の中はそれしかないの?」
「す、すまん」
〈それしかない〉と言いかけたが、素直に謝った。
〈しかし、日増しにでかくなってるな。リンのおっぱいは何処まで成長するんだ〉
俺は余計な心配をしていた。
「行くよ!テレポット〈瞬間移動呪文〉」
一瞬体が浮いたと思いきや、おやっさんの武器屋に移動していた。
毎度のことながら、おやっさんはコレクションを物色している。
「こっちの網タイツの方がいいかな? これの方がいいかな?」
「おやっさん!」
「うわ~!誰だテメェって、ポンコツとリンじゃねぇか? どっから来やがった?」
「リンの瞬間移動の魔法でだよ。おやっさん、いい加減にその変態癖やめたら?」
「うるせぇな。それはそうと、お前ら元気そうじゃねぇか? 村は救えたのか?」
趣味に触れられたくないおやっさんは話を反らす。
「これからだよ」
「なら早く救ってやれよ。そうだ、これを持っていけ。俺にはもう必要ない」
俺は魔法の鍵を受け取った。
「いいのかい? おやっさん」
「あぁ、お前ら死ぬんじゃねぇぞ」
「当たり前だ。なぁ、リン」
「お頭。お達者で」
「そろそろ帰るぞ、リン頼む」
再びリンは瞬間移動の魔法を詠唱し、俺達は名もなき村へと戻った。
~一方その頃~
ここはマザーブース。
「思いの外、ポンコツ達はやりますね。ファイアークを仕留めるとは」
「ポラポラ様、手筈通りランタークの村人を石にしてきましたでござる」
「ほう。さすが、仕事が早いですね。ロックスさんは」
「拙者にかかれば簡単なことでござる。ポラポラ様、次は拙者に遊ばせてもらえないでしょうか?」
「次はあたいの番よ。ねぇ、ポラポラ様~」
「乳デカ年増女は黙っているでござる」
「ムキーッ。セクハラよ、セクハラ」
「ブリザレディさん。落ち着いて。まずはロックスさんに行ってもらうことにします。頼みましたよ、ロックスさん」
「御意」
「ふぅ、おやっさんビックリしてたな」
「だね」
「お帰りなさい。リンさん、テレポットを習得したのですね」
「うん。めっちゃ便利だよ。今、お頭をからかって来たんだ」
「そうですの。それはそうと、そろそろ出発しますよ。ランタークまではあと少しです」
名もなき小さな村での収穫は大きかった。
それぞれの思いを胸にランタークの村まで歩き出した。
見え隠れする魔の手。
ポンコツ達はランタークを目指す。




