名もなき村の巻
険しい山岳地帯を越えると名もなき小さな村があった。
険しい山岳地帯を抜けると、村らしきものが見えてきた。
「あそこが私達の村、ランタークです」
レイの指差す方向を俺達は見た。
近くには見えるが、大きな川があり、迂回するしかないようだ。
「以前は船が通っていたのですが、魔物が増えたせいで、今は迂回するしか方法がありません」
申し訳なさそうにレイが眉をしかめる。
「仕方ない。迂回しよう」
「川のそばに名もなき小さな村があります。そこで、今夜は宿を取りましょう」
険しい山道の連続で、三人とも精魂尽きていた。
激しい気温差が徐々に体力を奪う。
「もう駄目……歩けない」
珍しくリンが弱音を吐く。
「お、おんぶしようか?」
「え~嬉しいけど、やめとく。背中におっぱい当たるもん」
俺の邪な気持ちは簡単に見破られた。
それを見ていたレイは目を反らし、顔を赤くする。
意外にシャイだと予想がつく。
どのくらい歩いただろうか?
足がパンパンになり、もう限界だと思った頃、ようやく名もなき小さな村が姿を現した。
川の近くだけあり、空気はキレイで疲れが吹き飛ぶようだ。
日が落ちる頃、ようやく今夜の宿を確保し、体を休めることができた。
「もう、お腹ペコペコ~」
〈ぐぅ~〉
「恥ずかしながら、私も」
テーブルにこの地に生息する魚や、郷土料理が並べられた。
村の人は皆親切で、俺達みたいな旅人にも優しくしてくれた。
「そう言えば、レイ。何で俺を知っていたか、そろそろ話してくれないか?」
「いいですけど、怒らないですか?」
「怒る? この俺が? 俺の心は海よりも広い」
「……」
〈何だ、この空気〉
「実は、私の叔父がベルナの教会の神父なんです。それで、バカで臭くて頭悪いけど、強い奴がいるからそいつに頼めって」
「なるほどって、あのクソ神父~。今度会ったら、ただじゃおかね~」
「ま、当たってるだけにね~」
さりげなくリンが毒を吐く。
更にレイも頷く。
「みんな敵だ~」
「お兄ちゃん冗談だってば!おっぱい触らしてあげるから許して……」
リンが潤んだ瞳で俺を挑発する。
「マジで?」
「ウソだよん」
「お二人は仲がよろしいんですね。羨ましいです」
「そんなことないですよ」
リンが真っ向から否定する。
それはそれで、悲しかった。
夜も更け皆が眠りにつくも、俺は寝付けず夜風に当たっていた。
「俺は何者なんだろう?自分を取り戻せるんだろうか?」
知らないうちに独り言を言っていた。
「良かったら、話してくれません?」
いつの間にかレイが傍にいた。
俺はこれまでの経緯を話すことにした。
「苦労なされたんですね。でも、話からすると、四天王を倒せばバグを解消出来るのかも知れませんね。ランタークの村人を石に変えたのも、四天王の一人かと思います」
「なら、一石二鳥だな。村人も救えて、俺のバグも解消出来るって……ね」
〈今夜は月が綺麗だ〉 月明かりに照らされたレイも普段より可愛く見えた。 〈しっかし、何で女って気付かなかったんだろう〉
そんなこと思いながら、レイのピンクの乳首を思い出していた。
〈神様。もう一度、もう一度だけでいいんで、あの乳首をまた拝ませて下さい〉
こうして夜は更けていった。
ランタークの村は目前。
ポンコツ達は村人を救うことが出来るのか?




