レイの正体の巻
レイの正体とは?
ベルナの街を旅立ち、街から遠ざかり山が見えてきた頃、俺はレイに尋ねた。
「レイさん。君は何故俺を知っていて、俺を訪ねて来たんだ?」
「レイでいいです。詳しい事は今は言えません。ただあなたを必要としているのは事実です」
レイは多くを語らなかったが、俺を必要としていることはわかった。
「ちょっと休まない?」
リンが休もうと切り出す。
「それも、そうだな。よし、少し休憩だ」
険しい山を越える途中で俺達は、暫し休憩を取ることにした。
「私、ちょっと……」
レイはそそくさと草むらに向かった。
「お、小便か?俺も行く……痛てて」
レイの後をついて小便に行こうと思った俺の耳をリンが引っ張る。
「何すんだよ」
「お兄ちゃんは、あっちでしてきなよ」
「わかったよ」
俺はリンに言われるがまま、別な場所で用を足した。
「さて、そろそろいくか?」
再び歩みを進める。重厚な鎧の中は、蒸し風呂状態で大量の汗が吹き出る。
「まだかよ……レイ」
「もう少しです。その前に敵のようです。ゾンビが二体」
「そのようだな」
俺は鋼の剣を構える。
「この剣で初めての実戦か。行くぞ! リン、レイ!」
行くてを阻むは、二体のゾンビ。
「一体は二人に任せる。こっちは俺に任せろ」
魔法剣なしでも、鋭い切れ味。
銅の剣とは比べ物にならない。
俺はなんなく一体のゾンビを仕留めた。
「そっちは?」
俺はリン達の方に、駆け寄った。
「大丈夫か?」
「あ、お兄ちゃん。見て、レイ強いよ」
レイの鉄の爪がゾンビを切り裂く。
「ぐぉぉぉ」
ゾンビは断末魔を上げ息絶えた。
「凄いなレイ。強いんだな」
「いえ、そんなことありません。修行の身ですから」
「レイ!服が破けてるよ」
リンの言葉に反応して、俺もレイに目をやる。
〈本当だ、胸元が破けてる。その隙間から小ぶりだが、形の良い乳房とピンクの乳首……〉
「って、レイって女だったのか?」
俺は思わず叫んだ。
「ええ。別に言う必要もなかったので、言いませんでしたけど……」
と、言い放ち淡々と服を補修するも、頬はほんのり赤く染まっていた、。
「お兄ちゃんて鈍感ね。私は知ってたよ」
先ほどリンに止められた訳が、今ようやくわかった。
「ところでレイは何歳なんだ?」
レイに興味がわき、失礼とわかってはいたが、聞いてみた。
「今年で十八になります」
「ふ~ん」
素っ気ない態度を俺は示したが、心の中では〈やべ~ハーレムになりつつあんじゃん。巨乳と小ぶりだが形のいい乳。どちらも捨てがたい〉
俺の心の葛藤は続いた。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんてば!鼻の下伸ばしちゃって……いやらしいことでも、考えてたんでしょ?」
「い、いや。じゃ、先に進むか」
平然を装ったが、体は裏腹で、不自然な前傾姿勢で俺は歩きだした。
「ポンコツさん、大丈夫ですか?」
「平気、平気。いつも、こんなんだから」
レイの問いにリンが代わりに答える。
険しい山道はまだまだ続く。
しかし、それを打ち消す幸運に興奮していた。




