新たな旅立ちの巻
突如現れた中性的な人物レイ。
敵か味方?
魔法の鍵を手に入れた俺達は、ベルナの街へ急いでいた。
ようやくベルナの街の灯りが見えてくる。
離れたのは僅かな時間なのに、何故か懐かしく思える。
街の入り口に辿り着くと、誰かが俺達を引き留める。
「お待ちしてました。ポンコツさんですよね? 申し遅れました。私は、ランタークの村からやって参りましたレイと申します。実は頼みがあってやって参りました」
中性的なその人物は俺達に頼みがあるという。
「ポンコツ!俺は先に帰ってるからな」
話の途中、おやっさんはウキウキしながら、帰って行った。
「頼みって何だい?」
今後特にやることのない俺は耳を貸すことにした。
「実は私の村に魔物が押し寄せてきて、村人が石にされてしまったのです」
「ちょっと待ってくれ。じゃあ、何であんたは無事なんだ?」
俺は間髪入れず聞き返した。
リンも興味深そうに横で話を聞いている。
「ちょうど私は用事があって、村を出ていたので、助かりました。呪いをとくには魔物を倒さなくてはいけないのです。お願いです、力を貸してもらえないでしょうか? 修行の身ですが、私も武術でお助けしますので」
「どうする?リン」
「お兄ちゃん、私に聞かなくても答えは出てるんでしょ? 私はそれについて行くだけだよ」
「話は決まったようですね。よろしくお願いします、では明朝迎えに行きますので」
少しずつ俺の周りで、歯車が動き始まっているのがわかった。
「リン、帰ろう。また泊めてね」
自然といやらしい顔になる。
「お兄ちゃんのエッチ~」
翌朝、俺は朝イチでおやっさんの店に赴いた。
「おやっさん、いる?」
返事はないが、裏でガサゴソ物音がする。
武器庫の方だ。
俺は音のなる方へ向かった。
「おやっさん!」
「驚かすんじゃねぇ!何だ、こんな朝早くに」
何故かおやっさんは左手に鞭を持っている。
〈いつものことだ〉
俺は言及せず続けた。
「……ということなんだ。」
「なるほど。話はわかった。お前が決めたなら、俺は引き留めねぇ。そうだ、これを持っていけ!鋼の剣だ」
「いいのかい?おやっさん、何から何まですまない」
「いいってことよ。いつでも、この街に戻ってこいよ。それとリンを頼む」
俺は深々と頭を下げ、武器屋を後にした。
「お兄ちゃん、用は済んだの?」
「あぁ。行くぞ、リン。レイが待っているはずだ」
ベルナの街の入り口近くへ行くと、レイが待っていた。
「お早いですね。今ちょうど迎えに行こうと思っていた所です。では、改めてよろしくお願いいたします。武闘家レイ邁進します」
こうして、俺達はランタークの村を救うために旅立つことになった。
「ランタークの村はここより、一つ山を隔てた場所にあります」
どうやら今回は長旅になりそうだ。
期待と不安を胸に俺達は新たな旅立ちを迎えた。
新たなる旅立ち。
ポンコツの旅は始まったばかり。




