表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/71

忍び寄る魔の手の巻

 魔法の鍵を手に入れるため、旅立った三人だったが……

「おやっさん、来たぜ」


「おぉ、来たか? 早速例のダンジョンに行くぞっと言いたい所だが、今度ばかりはそうはいかねぇ。覚悟はできてるか?」


 今の俺に迷いはない。何か目的がなければ存在の意味を否定するように思えた。


「勿論、覚悟は出来てる」


「私も行くからね。お兄ちゃんが守ってくれるしね?」


 リンが俺の腕を掴み、巨乳を押し付けてくる。

 あの一件以来リンは俺を〈お兄ちゃん〉と呼ぶようになり、言葉使いもマシになってきた。


〈お兄ちゃん〉


 この響き、まんざらでもなかった。


「よ~し、出発だ」


 地図を広げ、再度確認する。

 ベルナの街より北西の山岳地帯を越えた先が、目的のダンジョンだ。

 人々はそのダンジョンをこう呼ぶ〈屍の住処〉

 その名の通り、多くの亡骸が散乱しているとのことだ。

 そこにおやっさんの言ってた魔法の鍵が眠っている。

 俺は不安より、好奇心が先立っていた。

自分でも信じられないほど落ち着いている。


 出発して、およそ三十分。

 この辺りの魔物は俺達に恐れをなしたのか、襲っては来なかった。


 山岳地帯に入ると、強い風が行く手を阻む。

 足場の悪いこの崖から、落ちたら一貫の終わりだ。

 足元に細心の注意をはらう。


「お頭~! あれじゃないですか?」


 リンが指差す方向には、ダンジョンの入り口らしきものが見える。

 巨大な口を開け、まるで獲物を狙う魔物のような佇まい。

 カラスの大群が俺達を出迎え、周囲には無数の屍が散乱していた。


「おやっさん、早く行こうぜっ!」



 一方その頃……


 ここはゲームの(コア)マザーブース。

「あの小僧、なかなかやりますな、ポラポラ様」


「ここまでは私の筋書き通りですよ。しかし、思ったより力を付け過ぎたようですね」


「ポラポラ様、どうでしょう? 私に遊ばせてはもらえないでしょうか?」


「いいでしょう。但し殺してはいけませんよ。ファイアークさん。四天王の力を見せつけるのです」


「御意」




 ダンジョンの中を探索する俺達は、巧妙に仕組まれたトラップに悪戦苦闘していた。

 以前攻略したダンジョンとは訳が違う。

 足元には、志半ばでこと尽きた亡骸の山。


 その腐敗臭が辺りに立ち込め鼻をつく。

〈生きて帰れるのだろうか?〉と不安を煽る。

 そんなことお構い無しにリンは元気だった。


「早く~。こっち、こっち。あれ?宝箱だ~、お宝。お宝~」


「リン逃げろ! そいつはミミックだ!」


 おやっさんが叫ぶも、既にミミックはリンの喉元目掛けて飛び掛かってきていた。


「キャ~! 助けて」


 急所は外れたもの、ミミックは更に牙をリンに向ける。


 俺とおやっさんはリンの元に駆け付けた。


「おやっさん、リンを頼む」


 俺はリンをおやっさんに任せ、詠唱に入る。


「全てを燃やし尽くせ。宿れファイア剣」


 炎の宿った剣が、ミミックの本体を切り裂きながら、燃え上がる。


 しかし、ミミックも負けてはいない。

 痛手を負いながらも、鋭い牙をむく。

「これで、とどめだ!」


 ファイア剣は十字を切り、ミミックを二つに切り落とした。


「ふぅ……やった。リン、リンは大丈夫か?」


「お、お兄ちゃん。ありがとう。大丈夫だよ、油断しちゃった」


 おやっさんの特製の薬草で、傷は治まり大事には至らなかった。



「心配させるなよ」


「はい、はい」


「はいは一回だろ?」


 俺とリンは見つめ合い笑った。

 怪しい影が忍び寄る。

 果たしてどうなるのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ