表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/38

第一話 すれ違う香り

微調整しながら投稿しております。静かな日常の物語です。大きな出来事は起こりませんが、読んでいただけたら嬉しいです。

 雨の日。

 学校に行きたくないなと憂いながら、高校二年生の愛沢ノアは鏡に眠たげな目を向ける。

 濃紺のブレザーとストライプ柄ネクタイを指先で整える。

 それからプリーツスカートを軽くひらひら動かした。

 暗めの茶髪を鎖骨のあたりまで伸ばし、毛先はくびれをつくる。

 短めルーズソックスに、厚底スニーカーを履く。

 軽く踵の紐を引っ張った。

 ノアは折り畳み傘を広げて歩き出す。

 鞄を肩にかけ、スマホを手にぼちぼちと通学路を歩く。

 交差点の信号にて、同じ学校に向かう生徒が少しずつ増えてきた。

 傘を軽く叩く雨音が、耳を癒す。

 スマホから目を離し、青信号になったのを確認してから進んだ。

 ふとノアの視界に入り込んだ、黒いセーラー服の少女。

 三つ編みおさげに白リボン、丸メガネの奥に見える凍てついた瞳と、我関せずの表情に目がいく。

 姿勢良く傘を差し、早足で歩いている。

 すれ違い様バニラの甘い香りが漂い、つい横顔まで覗いてしまう。

 綺麗な子、いかにも勉強熱心そうな子、ノアはそんな感想を抱きながら横断歩道を渡り終えた――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ