第六十三話 リーダー
犬たちの引取先が数件、見つかったと言うので、ハンター協会に来たノルとイヌのリーダーは受け付けに声を掛けた。
「犬の件で来た、ノルです」
「本人確認をしますので、ハンターカードをお願いします」
ノルはハンターカードを見せ照合を待った。
「五番の窓口にて、依頼の結果を受け取れます」
「分かりました」
ノルとリーダーは五番窓口で犬の取引先の資料を三件受け取った。
一件目 ぶどう農園の番犬 必要な犬二匹
番犬が高齢で病気になったので、即戦力の番犬を探しています。
「二匹か…」
「ワンワン…」
リーダーに話し掛けられ、ノルはイヌ語に切り替えた。
「引き取られるなら、四匹一緒がいいよな」
「そうだな」
二件目 羊飼いの家
ウチの牧羊犬が一匹引退したので即戦力をお願いします。
「牧羊犬、一匹の募集か。リーダーオマエ向けだけど」
「オレはどこでもいいけど、子分たちは兄弟みたいに育ったから、三匹一緒がいいな」
「だよな」
ノルが三件目の資料に目を通す。
「……ウチだ」
三件目 巨大養豚場の番犬及び牧羊犬
数匹高齢のため引退したので、何匹でも募集中
即戦力でなくても、丁寧に指導します
「親分のウチ?」
「ウチのじいちゃんの家が、養豚場なんだよ。常にイヌを十匹以上飼ってる」
「へぇ〜だったら、オレそこがいい」
「……そっか。じいちゃんのウチか…」
三兄弟のうち、いちばん獄卒に向いてないと思われるのが嫌で、監獄の上層から下層へ移動になった報告をしに行った時以来、養豚場へは行っていないので、真っ先に相談するべきは自分の母か、祖父の家というのが、すっかり頭から抜けていた。
五年以上前になるので、その時、若かった犬たちも十歳を越えて高齢になっている。
「そうだな。とりあえず受け付けに行ってくるから待っててな」
「おう」
ノルは引取先が決定したことを伝えに、窓口に行った。
「ご依頼の件は、以上でよろしいですね」
「ええ。犬たちは、僕が取引先に直接連れて行くので大丈夫です」
「分かりました。そのように連絡しておきます」
「良かったな。リーダー」




