~魔界⑥~
ーヤマト達ー
大広間へと出たヤマト達。
広間にはダークバロンが待ち受けていた。
ダークバロン「まさか、ここまで辿り着くとは夢にも思いませんでしたよ。」
ダークバロンの口調は丁寧だが、どこか不気味さを感じる。
ヤマト「ようやく会えたな。お前の野望もここまでだ!」
ガブがノイズ化しダークバロンに攻撃を仕掛ける。
ダークバロンは一瞬でムラサキの煙と共に消え、ガブの後ろへ回り込む。
ガオンはそれを予測していたかのように、ベアクローを放つが、ダークバロンの漆黒のマントによって防がれる。
コトミ「完璧だったのに...」
ダークバロン「素晴らしい読みだ、ふむ、仕方ない...」
ムラサキのリングがダークバロンを囲む。
同じ様にヤマト達それぞれをリングが囲う。
ダークバロン「案外この城は気に入っていてね、ここで暴れられると城が壊れる。場所を移しましょう。」
ヤマト達、そしてダークバロンは城から荒野へと転送される。
ー荒野ー
ダークバロン「ここなら、いくら暴れてもらっても大丈夫ですよ。」
ヤマト「ココは...、レイナ、リュウグウは...?」
コトミ「レイナー!リュウグウー!」
コトミは大きな声でナカマの名前を叫ぶが返事はない。
ダークバロン「どこまでもナカマ想いの強い人達ですね。安心してください。先程までの城のあった魔界と同じ島ですよ。ただ、おナカマが無事かは分かりませんがねフフッ...。」
ダークバロンは含みのある笑い方をする。
コトミは不安そうな表情を浮かべている。
ヤマト「大丈夫だ!レイナもリュウグウも無事だ!オレはアイツらを信頼している。」
コトミの顔からは不安な表情は消えた。
コトミ「うん!」
ダークバロン「果たしてそうでしょうかね?」
ヤマト「ガブ!ガオン!思う存分暴れていいぞ!」
ガブ「任せとけ!」
ガオン「この時を待ってたんだ!」
ガブはノイズ化轟雷へと形態変化し、ダークバロンへ挑む。
ガオンはガブと上手く連携しながら動き、攻撃を放つ。
ダークバロン「いい連携ですね。ワタシの部下に欲しいくらいだ。」
ガブ「誰が!お前なんかにつくもんか!」
ガオン「激しく同意だな!」
ガブの攻撃、黒い雷の追い討ち、ガオンの猛攻、どれもダークバロンへ当たらない。
ダークバロン「実に惜しい。スピードもパワーもある、だが絶対的チカラの前には無力も同じ。」
ダークバロンはまるで遊んでいるかの様である。
ガブもガオンも息が切れてくる。
コトミ「なんで...なんで当たらないの...。」
ヤマト「ガブ、進化だ!」
ポケレーターから光が放たれガブは進化する。
ガブ「黒い轟雷」(バチッバチバチッ)
ダークバロン「ほぉ、ノイズ化しながらの進化ですか。面白い。」
余裕ぶっているダークバロンにガブの拳が入る。
ダークバロン「うぐっ...な...なかなかやりますね。」
更に黒い雷による、追撃でようやくダークバロンにダメージが通る。
ヤマト「見たか!これがガブのチカラだ!」
ダークバロン「ノイズ化…やはり厄介ですね…。」
ガブ「ガブフレイム」
炎と黒い雷の融合体がダークバロンへと放たれる。
ダークバロンはすかさず紫の結晶を召喚し、防御するも、ガブのエネルギーは凄まじく、結晶を粉々に砕き、ダークバロンへダメージを与えた。
ガオン「隙みっけ!ベアクロー!」
ガオンは隙を見逃さない、そのままダークバロンを攻め立てる。
ダークバロン「どうしてこうも邪魔ばかりする…」
ダークバロンは怒りでチカラを解放する。
姿形が変わり、先程までの貴族の様な姿からおぞましいバケモノへとなる。
ヤマト「まさか…進化なのか…。」
漆黒の衣に身を包み、背中にボロボロのハネ、手には真っ赤な爪、目は紅く6つある、鋭い牙からは毒のような液体がこぼれ落ち地面を溶かしている。
ダークバロン「この姿を見たからには死んでもらう…」
右手でガブを振り払うと、ガブは後ろの岩壁へと叩きつけられた。
ガブ「うっ…。」
その衝撃の強さに進化も解けてしまう。
ダークバロンは手を延ばしガブの首元を掴み何度も何度も地面へと叩きつける。
ヤマト「やめろー!」
ガブは血を吐きながらも、意識だけは保っている。
ガオンがダークバロンに仕掛けるが、体表も硬くなっており、まったく効果がない。
コトミ「…いったいどうしたら…。」
ガオン「ガブを離せ!」
ツメもキバもダークバロンには通用しない。
突然ヤマトのポケレーターが光り輝き、光がガブへと収束していく。




