~魔界④~
ー魔界 城の見える丘ー
森を抜けたヤマト達。
ダークバロンのいる城が見えている。
ウルフィ「あそこがダークバロンが住処としている城だ。」
ヤマト「あれが...」
リュウグウ「随分大層な城に住んでるじゃないか。」
ウルフィ「元々はこの地を治める領主の城だったんだが、その領主もヤツに...」
ウルフィは悔しそうな表情をしている。
ガブ「それも今日までだ!オイラ達がケリをつけてやる!」
???「随分威勢がいいじゃないか。」
誰の姿も見えないが、聞き覚えのある声が聞こえてくる。
レイナ「この声は...ゲンエイ!」
ゲンエイ「久しぶりだな、擬人族のオンナよ!」
レイナが武器を取り、攻撃を受け止める様な体勢をとる。
どうやら、ゲンエイの斬撃を受け止めた様である。
ヤマト「レイナ!」
レイナ「大丈夫!アナタ達、先に行って!」
ガブ「何言ってるんだ!みんなで倒せばいいじゃないか!」
レイナ「いいから!アンタ達はコイツの姿も見えてないんでしょ?標的にされたら厄介だからさっさと行きなさいよ!」
コトミ「でも...。」
レイナ「アタシらの目的はダークバロンでしょ!ココはアタシひとりで充分だから先に行きなさいよ。」
ヤマト「...。」
レイナ「はやく...。」
ヤマト「レイナ...必ず追いついてこいよ。」
レイナ「あったりまえよ!」
ヤマトは黙って頷くと、レイナ以外のナカマを連れて城の方へと走っていく。
レイナはその後ろ姿を見て、安堵する。
ゲンエイ「逃がすと思うか?」
レイナ「追わせると思うの?」
ゲンエイの斬撃を耐え続けているレイナ。
ゲンエイ「お前一人になにができる。」
レイナ「確かに...アタシひとりでできることなんてたかが知れてる。だが...お前を足止めすることくらいできる!」
ゲンエイ「面白い、ならば追うのは辞め、オマエが何分持つか試してみよう。」
ーヤマト側ー
城へと向かって一直線に走るヤマト達。
コトミ「ねぇ...ねえってば!」
ヤマトは聞こえているが言葉を発しない。
コトミ「本当にレイナひとりに任せて平気なの?今からだって戻れば...」
リュウグウ「よせ、コトミ...レイナも、ヤマトも覚悟を決めたんだ。」
コトミ「覚悟って...まさか...消滅...そんなの...そんなのって...」
ガオン「誰も消滅とは言ってないだろ、あくまで最悪はそうなる事もあるかも知れないが、レイナはひとりで格上である、ヤツを倒す覚悟ヤマトはその覚悟を信じる覚悟だ。」
コトミ「でも、それってひとりでやらなくても...」
ガオン「確かにな、ゲンエイにひとりで挑む必要はない、だがダークバロンにはどうだ?あと1人いればって思いながら負けてくのか?」
コトミ「...。」
ガオン「ダークバロンに全力で挑む為の策だ、これ以上2人の覚悟を侮辱するな。」
コトミは黙って頷いた。
コトミ(レイナ...無事に戻ってきて...待ってるから...)
ーレイナ対ゲンエイー
地面へと叩きつけられるレイナ。
ゲンエイ「口程にもないな。」
レイナ(ここまでの差が...?いや...前より格段に強くなっている...なんで...)
ゲンエイ「不思議そうな顔をしているな、特別に教えてやろう。前回の戦いの後俺はDr.エイプの治療を受けた、その時に使い物にならなかった部位をDr.の技術で合成獣のモノを移植してもらった。腕力も、脚力も以前とは比べ物にならんぞ。」
レイナ(だから...)
倒れているレイナに蹴りを入れるゲンエイ、レイナは腹に蹴りをくらい悶える。
ゲンエイ「オマエひとりで足止めできるだと、笑わせるな。」
再度ゲンエイはレイナに蹴りを入れるとレイナは口から血を吐いた。
ゲンエイは振り向き、ヤマト達を追おうとするが、レイナはその足を掴む。
ゲンエイ「よっぽど消滅にたいらしいな。いいだろう。」
ゲンエイはレイナの背中に片足を乗せ、剣を構える。




