~魔界③~
ー魔界 黒い森ー
壁のような大きなモンスターはヤマト達を見る。
目だけでもヤマトの背丈もありそうな位大きい。
ウルフィ「マズイぞ、この場を去るぞ!」
既にウルフィの群れの大半は退却している。
ガブ「なんで逃げなきゃいけないんだ?」
リュウグウ「確かに、コイツがダークバロンより強いっていうなら話は分かるが、この魔界で1番強いのはダークバロンなんだろ?」
レイナ「言われて見ればその通りね、アタシ達はダークバロンを倒しに来たんだから!」
ガオン「まったく、なるべく大きな戦いは避けていった方がいいというのに...」
ガブ達はやる気満々である。
ウルフィ「おい!オマエらベヒーモスに挑んで無傷で済んだヤツはいないんだぞ!」
ウルフィも退却しかけていたがヤマト達の元へ戻ってくる。
ヤマト「アイツらやる気みたいだ、もう止められないぞ!」
ウルフィ「どうなっても知らないぞ!」
そう言いつつも、ウルフィはヤマトのそばにいる。
ベヒーモスがゆっくりと起き上がる。
その姿は地を這うドラゴンと言っても過言ではない。
ゴツゴツとした岩のような肌、そこら辺の島であれば丸呑み出来そうな口、1歩進む事に地響きが鳴り響く足。全てが規格外である。
ガブ「みんな、手を出すな!オイラがひとりでやる!」
レイナ「ひとり!?アンタなに言ってるのよ!アタシらにもやらせなさいよ!」
ガブ「ごめんレイナ、今回だけはひとりでやらせてほしいんだ。」
レイナ「...。しかたないわね、ダークバロン戦はそうはいかないわよ!」
レイナもリュウグウもガオンもガブひとりに任せることに渋々ではあるが納得した様子である。
ガブ「ありがとうみんな...いくよ、ヤマト!」
ヤマト「おう!」
ベヒーモスが雄叫びをあげる。
雄叫びですら、大気が震えるほどの声量である。
ガブ「ノイズ化 恐竜形態!」
言い終わると同時に、ガブはベヒーモスのカラダの下に潜り込み、腹から背中にかけて突き抜けた。
ベヒーモスは大きな叫び声をあげ、そのまま消滅した。
ウルフィは空いた口が塞がらない。
レイナ「ひとりでって言ったけどまさか一撃で...」
ガブ「さすがにノイズ化しないと無理だけどな!」
ガブは元の姿へと戻る。
ガオン「なかなかやるじゃないか」
リュウグウ「オレもとっておきがあったんだけどな!」
ウルフィ「ちょ...ちょっと待て、ベヒーモスを一撃って...どういう事だ...」
ウルフィは目の前で起きた事実を受け入れられずにいる。
ヤマト「まさか、あんなデカブツ突き抜けるとは思わなかったけどね」
コトミ「ダークバロンもこの調子で倒しちゃえればいいのに...」
ガオン「さすがにそう簡単にはいかないだろう...」
ウルフィ「そう簡単にはいかないかも知れないがいい線いくんじゃないか?ベヒーモスを退けるモノはいても倒したヤツなんて初めて見たぞ。」
ガブ「今日はたまたま調子が悪かったんじゃないか?」
ウルフィ「そういうもんでもないだろ...オマエらはホンモノの救世主なのかもしれないな」
ウルフィが遠吠えをし、群れのナカマ達に、ベヒーモスの撃破を知らせ、そのまま遠くへ逃げるように伝えた。
ウルフィ「俺にとっちゃ大事なナカマだからな...こっから先の戦いには連れて行けない。ただし、俺は最後まで見届けさせて貰うぞ。」
ヤマト「そういうことならさ...」
ヤマトはウルフィに仮契約の話をする。
ウルフィ「オマエらとか...それはもっと面白いものが見れそうだ、喜んで契約させてもらおう。」
ウルフィとの仮契約を結んだ。
ヤマト「よろしくウルフィ!」
ウルフィ「こちらこそ、ベヒーモスも倒したし、こっから先はダークバロンの居城まで危険なこともないとは思うが、案内させてもらおう。」
ウルフィの後をついていくヤマト達、いよいよダークバロンの居城へと進んでいく。




