~魔界②~
ー魔界 黒い森ー
一通り話を聞いたヤマト達。
コトミ「ココが魔界って聞いた時、凄く怖い所だと思ったけど...話を聞いてみると、確かに怖い生き物とかはいるみたいだけど、住んでるヒト達はわたし達と同じ様に色んな事に苦しみ、何気ない事に幸せを感じるそんな心を持ったヒト達も多いのね。」
レイナ「住んでいる場所だけで人柄を判断しちゃダメだって事ね。」
ヤマト「悪いのはダークバロンだ!」
マクア「おら達もいつダークバロンに、消滅させられるか怯えながら生活してるんだ。」
デビ「もしかしたら、今日、明日にでも見つかるかもしれない...だからいつも毎日を全力で生きてるんだ。」
ガブ「オイラ達が必ずダークバロンを、やっつけて、この魔界にも平和を取り戻してやるさ!」
リュウグウ「魔界の民達、話せてよかったよ。」
レイナ「さぁて!そうと決まれば出発ね!デビ特製ドリンクで体力もケガも回復したし、思う存分暴れてやるんだ!」
ヤマト達は、マクア、デビ達に礼をいい、森の奥へと進んでいく。
静かな森であるが奥に進むにつれ、魔獣達の唸り声が聞こえる様になる。
ガオン「さっきのヤツらみたいに、心優しい悪魔もいれば、知性の欠けらも無い様な魔獣もいるはずだ、気を抜かずに行くぞ。」
奥へ奥へと進んでいくと、いつの間にか辺りを魔獣の群れに囲まれてしまっていた。
ムラサキ色したツノの生えたオオカミの様な魔獣だ。
ガブ「オオカミにが囲まれると、ベアードと再会した時を思い出すな。」
ヤマト「確かに!あの時オレ達は昼寝してる最中だったんだよな。」
レイナ「アンタ達どんな状況で寝てたのよ!」
ガオン「また、懐かしい話だな。」
コトミ「そんな話してる場合!?わたし達囲まれてるのよ!」
リュウグウ「魔獣というのが、どれくらい強いのか見ものだな!」
オオカミ達に囲まれているヤマト達、その中でも一際大きなオオカミがヤマト達に、話しかけてきた。
ウルフィ「ダークバロンを倒しに来たのはオマエらだな?」
どうやらこの、一際大きなオオカミが群れのボスのようだ。
ガブ「そうだぜ!文句があるならダークバロンに言ってくれ!」
ウルフィ「さっき、デビから聞いて急いで追いかけて来たんだ。」
ヤマト「どういう事だ?」
ウルフィ「デビ達はあまり森の奥まで来ないから知らないかもしれないが、この先にはとんでもないバケモノがいる、俺達が誘導するから着いてきてくれ!」
オオカミ達は敵では無いようで、彼らもダークバロンの手を逃れて、群れで隠れ住んでいるらしい。
ガオン「いいのか?オレ達にそんな肩入れして、もしオレ達が負けたらとか考え無いのか?」
ガブがガオンの発言に対し文句を言うが、スルーされている。
ウルフィ「デビの奴、オマエらには適うわけ無いとか言ってたが、俺らには救世主が来たって騒いでたぞ、ヤツのヒトを見る目を俺は信じている。だからきっとオマエらなら何とかしてくれるんじゃないかと期待しているんだがな。」
ガオン「アイツめ...出来るだけの事はしてみるつもりだ、もしものことがあったらデビ達を連れて逃げてくれよ!」
ウルフィ「その時は潔く逃げさせて貰うよ!俺達はそうやって生き延びて来たんでな。そろそろ静かにしてくれよ、もうすぐバケモノの住処を通る。」
ウルフィに言われた通り、静かに進んでいくと、森の中に巨大な壁が現れた。
ウルフィ「ヤツだ、この壁の様なモノがモンスターだ、頼むから音は立てずに進んでくれよ。」
ウルフィは小声で、みんなに伝わる様に言うと先へと進んでいく。
みな慎重に、声を出さずに、足音も出ないように緊張しながら進んでいく。
ヤマト(こんなバケモノみたいなヤツがいるなんて...)
ガオン(ガブ、レイナ頼むから今だけは余計なことはするなよ...)
コトミ(いくらなんでも大きすぎるでしょ...)
レイナ(さすがにこんなのに構ってられないわ...さっさと進んじゃいましょ!)
ガブ「うわ〜でっかいなぁ!!!」
一同「ガブッ!!!」
ガブは思った事をそのまま口に出してしまった。
他のみんなはガブの声に勝るとも劣らない声量でガブを注意したが、時既に遅し。
壁の様な大きなモンスターがヤマト達に気づいてしまった。




