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~空の島③~

ー林ー

日が暮れてくる。

レイナ「一体いつまでこんな事してるのよ!」

ガブ「そうだよ!さっきだって勝手に決めちゃって!」

ガオン「もう少しだ。」

ガオンの考えはヤマト達には分からない。

ただ1人リュウグウだけはなにかを知っている様子であるが、ガオンからの説明がない限り、リュウグウも何も言うつもりがない。

辺りが暗くなると、誰かが林に入ってくる足音が聞こえてくる。

音に反応してガブの耳はピクピクと動いている。

ガブ「誰だ!」

ガブが相手に聞こえるような大きな声で言うが、ガオンに口を塞がれる。

足跡の主がヤマト達のいる木の下まで来てようやくその正体がわかった。

ヤマト「衛兵長!?」

衛兵長「今いく、静かに待っていろ!」

衛兵長は単独で来たようで木の上へと登ってくる。

ガオン「遅かったな。」

衛兵長「本業があるからな!」

リュウグウ「それで?本業のヤツらは巻いてきたのか?」

衛兵長「昼間お前達がノシたヤツらならまだ意識回復してない、それにココなら監視の目もないからな。」

ヤマト「???一体どういう事なんだ?」

衛兵長「昼間町の女と話してただろ?その後オレが話に割って入ったろ?あの時そこのヤツとやり取りしたはずだが...聞いてないのか?」

衛兵長はガオンのことを指して言う。

コトミ「あの時...?でもそんな事一言も...」

コトミはハッとした顔をする。

コトミ「まさか!あの時ガオンが爪で地面をカリカリしてたのって?」

衛兵長「それだ、その後オレも剣を使ってそれに応えたつもりだが?」

ガブ「そんなやり取りがあったのか?」

レイナ「音だけでやり取りなんてできるもんなの?」

ガオン「事実できてただろ?」

ヤマト「それで?衛兵長を、呼んだ理由って?」

ガオン「あぁ、昼間のやり取りの時になんか違和感を感じてな、もしかしたらもっと上のヤツの圧で本心を隠して衛兵長なんてやってるんじゃないか?って思ってな!」

衛兵長「まさかそこまで!?」

ガオン「分かりやすかったからな。」

ヤマト達は言葉に出来ない驚きでポカンとしている。

衛兵長「この島はダークバロンの支配下にある。ヤツの手下がこの島の中心部にいてな、町中全てを監視している。逃げようとする者、(よそ)から来た者にこの島の情報を流そうとする者に制裁を与えている。この島に住む者達は常にヤツらに怯えながら生活しているんだ。」

ガオン「やはりそうか。」

ヤマト「それならなんで衛兵長なんてやってるんだ?戦ってみればいいのに!」

衛兵長「オレでは適わないのは目に見えて分かってる、だからオレは町の人達だけでも危険な目に遭わないように、昼間のように口を滑らせそうになる前に未然に防いでいるんだ。」

ヤマト「そういう事なら、納得だ。」

コトミ「今まで、たった一人で...?」

衛兵長「どこに裏切り者がいるかも分からない状態でヘタなことは言えないからな...」

ガオン「逆にオレたちみたいなよそ者の方が信用出来るってことだろう...衛兵達を倒した実力も目の前で見てた訳だしな。」

衛兵長「それもあったからオレも信じる事にしたんだ。」

ガオン「ちなみにアイツなんだっけ...オソラスキー?アイツから情報は流れてこないのか?」

衛兵長「アレも町の中心近くに住む、貴族を名乗ってはいるがあくまで底辺貴族でな、そこまでの情報は得られそうにない。」

ガブ「そんなの無視してダークバロンの手下ってのをやっつけちゃえばいいんだろ?」

レイナ「それが分かりやすくていいわね!」

ガオン「敵の正体も居場所も分からないんだ!先ずは情報を集めなくては!」

衛兵長「明日、またココで再会できるか?明日の日中に貴族の集会がある。もしかするとなにかしらの情報が得られるかもしれん。」

ガオン「貴族の集会か、なるほどそれはいいかもしれんな。よしレイナ、そこに潜れ!」

レイナ「アタシが?無理でしょ!いきなり行っても入れても貰えないわよ!」

ガオン「ホントにお前達は...頭を使え頭を!」

レイナ「仕方ないじゃない!そういうの苦手なんだから!」

ガオン「レイナ!この間のゲンエイとの戦いを思い出せ!」

レイナ「あっ!でもアタシにはまだあそこまでの技術は無いわ!」

ガオン「景色には溶け込めなくても、動かない壁くらいには擬態できるだろ?」

レイナ「その程度なら!」

ガオン「なら決まりだ!レイナそこで得てきた情報は大きな武器になる。一語一句漏らさず聞いてこいよ!」

レイナ「命令しないでよ!それにそんなプレッシャーかけられてもアタシ頭悪いから覚えられないわ!」

ガオン「覚えてくる必要なんて無い!ヤマト!」

ガオンは自分の左足をポンポンと叩く仕草をする。

ヤマト「なるほど!コッチからの声は送信しない様にしてレイナを介してポケレーターで聞けばいいのか!」

ガオンは頷く。

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