~夢の島②~
ー夢の島ー
ーヤマトの夢の中ー
父と母と過した記憶が夢となり再現される。
まだヤマトが幼い頃、母の誕生日に父がサプライズをした時の夢だった。
例によって母の顔は見えない。
タケル「ハッピーバースデー███!今日の為にコレを用意したんだ。」
父は母の頭になにかの装置を付ける。
███「これは…?」
タケル「ようやくカタチになったんだ!きっと███も喜んでくれるよ。」
母の頭につけた装置にはたくさんのケーブルが繋がっている。
タケル「これでよし!███楽しんできてくれよ!」
父が装置を起動するが、不具合が生じた様で母の意識は戻らなくなった。
ヤマトはあの日以来、何度同じ夢を見ただろう。
夢であったなら、何度も何度も同じ夢を見るも、夢ではなく、現実にヤマトの目の前で起こった事故だった。
あの日以来ずっと意識が戻らない母。
ヤマトは涙を流す。
ーコトミの夢の中ー
真っ暗で何も見えない。
そこに1人の少女の影がある。
コトミ「アナタは…わたし…?」
影は何も応えずにコトミと向き合っている。
コトミ「アナタは…誰なの…?」
ー夢の島 草原ー
草原では5人が眠っている。
1つの影が近づいてくる。
???「準備はいいようね。それじゃあ…」
影は5人の夢の中へと入って行った。
ー夢の中ー
コトミ「アナタは…」
目の前の影と向き合ったままのコトミ。
影は闇の中へ消えて真っ暗な空間に1人になった。
ガブ「コトミー!」
ガブがコトミの元へと走ってくる。
リュウグウ「コトミ!?」
リュウグウが合流する。
ヤマトとレイナは目元に涙の跡がある。
ヤマト「コトミ、ガブ、レイナ、リュウグウ!」
レイナ「みんな、平気?でも、不思議ね夢の中なのにみんなと合流出来るなんて…?」
コトミ「夢の…中…?」
レイナ「あら?コトミ気づいてなかったの?」
???「みんな仲良く葬ってあげるから安心してね」
突然女の人の声が聞こえてくる。
ガブ「誰だ!」
???「あらあら、可愛いワンちゃんですこと、この島はわたくしにうってつけの島なのよねぇ…」
リュウグウ「コイツ、話聞いてないのか…?」
???「夢の中に堕ちたモノは全てわたくしの思い通りになる、そう!すなわち、このわたくしリープスの世界と言っても過言ではない!」
青い肌に白い髪、ネグリジェを着たような姿のモンスター、リープスが現れた。
ヤマト「なんでわざわざ、オレ達を集めたんだ?」
リープス「そんなの決まってるじゃない。わざわざそんなめんどくさい事しなくてもまとめてやっちゃえば1回で終わるからよ!…お喋りはここまでよ!」
そう言うとリープスはムチの様なものを具現化し、ヤマト達を襲う。
レイナ「アタシもお喋りより戦いの方が好きよ!」
リープスのムチを武器を使って切り捨てるレイナ。
リープス「へぇ、なかなかやるじゃないのコレならどうよ」
リープスは口から炎を吐き出すがすぐさまリュウグウが吐き出した水流で相殺する。
リュウグウ「その程度でオレ達をやれるとでも?」
リープス「まさか…様子見に決まってるでしょ。」
リープスの腕に鉤爪の様な固定が具現化され、ガブを襲う。
ガブはノイズ化せずにツメで受け止める。
ガブ「なんだぁ、大して強くないじゃないか!」
リープス「ホントに恐ろしいのはこれからよ!」
リープスの姿が一瞬ガブの目の前から消えたかと思うと、背後から鉤爪で斬り付けられる。
ガブの頬からは血が流れる。
ヤマト「ガブ今の見えたか?」
ガブ「いや、今のは速すぎっ、いや多分油断しただけだ次は大丈夫!」
リープス「油断なんてバカねぇ」
リープスは斬り付けてくる、今度はしっかりと目で追い、カウンターを狙うガブだが一瞬にして目の前から姿を消してあらぬ方向から懺斬撃が来た。
ガブは受けきれず左腕を負傷した。
ヤマト「ガブ!」
ガブ「全然見えない…」
レイナ「こっちからも見てたけど一瞬過ぎて…」
リュウグウ「オレからも見えなかった…」
コトミ「一体なんだっていうの…?」
リープス「コレがよさそうね、ついでに!」
リープスは木のモンスタートレントを召喚し、レイナ、リュウグウに仕向ける。
ガブ「敵が増えたけど問題ない!レイナ、リュウグウそっちは任せた!」
レイナ「こっちは任せて!」
レイナとリュウグウにトレントが近づいてくる。
リープスは再びガブへと攻撃を仕掛ける。
ガブ「今度こそ!」
ガブは再びカウンターを狙うも、また姿を消して襲ってくる。
レイナもいつの間にかトレントから傷を追う。
ヤマト「なにかがおかしい…」
コトミ「見えない何かがいるのかしら…?」
ヤマト「そうじゃない、傷は明らかにリープス、トレントからのものだ!なにか特別なチカラで移動しているハズだ!」




