~轟雷の降る島①~
ー雷の降る島ー
(ピカッ!ドーン)
コトミ「ヒャッ」
コトミは耳を塞ぎしゃがみこむ。
レイナ「コトミ雷が怖いの?」
コトミ「ちょっとビックリしただけよ」
上陸できる場所を探しているリュウグウ。
ヤマト「あの辺はどうだ?」
リュウグウ「あそこなら大丈夫そうだ。」
コトミ「ホントに上陸するの?」
ガブ「島!島!」
コトミ以外は上陸にノリノリである。
島は雷と暴雨が降り止まない。
コトミ「こんな島、寄る必要ホントにあるの?」
ガブ「当たり前だろ!島が見えたら上陸するんだ!」
リュウグウは岸へとつけた。
リュウグウ「波が高いから停止してられない、早く降りてくれ!」
全員が島へと降りた。
土砂降りで前がほとんど見えない。唯一見える瞬間は雷がなった時のみである。
ヤマト「こんなとこに住んでるヒトなんているのかな?」
次の雷の瞬間、ヤマトは高くそびえ立つ建物を見つけた。
ヤマト「アレは...建物だ!」
レイナ「もーびしょびしょ、なんでもいいから雨が防げるならソコにらいきましょ!」
コトミ「さんせー!」
コトミは珍しく先頭を歩く。
リュウグウ「オレには心地いいけどなぁ」
ガブ「ちょっと待ってくれよー」
雨のせいで毛皮が重くなり、ガブはいつもより動きづらそうである。
建物まで急ぐ5人、建物の入口は鍵がかかっておらず、簡単に中に入る事ができた。
ヤマト「なんの建物なんだろう...」
薄暗い室内を見て歩くと部屋の中央に大きな歯車が置いてある。
コトミ「なんだろうコレ...」
歯車は止まっているようだ。
レイナ「ただのオブジェじゃないの?」
部屋の中を探索するが他には特に何も無かった。
ヤマト「雨宿りはできるけど、ココにいてもなにもおこらなさそうだぞ?」
ガブ「また外を探そうぜ!」
コトミ「もう外に行くの?もう少し、せめて雷が止むまで休んでいきましょうよ!」
ヤマトとガブはつまらなそうだがしぶしぶコトミの意見をきく。
(ドーン)
光るのとほぼ同時に建物に雷が落ちた。
雷は建物に吸収され、部屋の壁、床を伝い先ほどの歯車へと流れた。
(ギギギギッ)
錆び付いた様な音をたてながら歯車が回り出す。
部屋の電気が急についた。
どこかでなにかが開く音が聞こえ、足音が近づいてくる。
???「おや、おやおやおや?珍しいこともあるもんだ」
ガブ「ん?」
???「こんな島に立ち寄るもの達がいるなんて...」
ガブ「その声は...」
???「あれ?あれあれあれ?ガブくんじゃないか!久しぶりだなぁ」
ガブ「やっぱり、エレキトカゲのエレカゲじゃないか!」
エレカゲ「そちらはガブくんのお友達かな?」
ヤマト達を見渡すエレカゲ。
エレカゲ「うーん...どこかで見たような...」
ガブ「ヤマトはタケルの子どもなんだ!タケルの面影があるだろ?」
エレカゲ「いや、いやいやいや、そっちじゃなくてこっちのコ、ソコの女の子だよ。」
エレカゲはコトミを指さす。
コトミは指を指されるが全く記憶にない。
エレカゲ「どこかで見たような...見てないような...」
エレカゲのクビの周りにあるエリマキ部がバサバサと上下する。
エレカゲ「思い出せないな...そんな事よりガブくんどうしてここへ?」
ガブ「たまたま着いた島がココだったんだ!エレカゲはどうしてこの島に?」
エレカゲ「ココは私の故郷である。この故郷の雷を生活に活かせないかと色々試しているんだよ。」
ヤマト「雷のチカラか、なんか面白そうだな!」
リュウグウ「雷と言えばこの間の研究所での戦い、ガブなんか雷だしてなかったか?」
ガブ「実は...アレもよくわか」
エレカゲ「な...な...なんですと!ガブくんが雷を出せるですと!?」
ガブの話を遮るようにエレカゲが話し出す。
エレカゲ「昔はそんなチカラつかってなかったじゃぁないですか?隠してたんですか?是非見せて頂きたい、いや、こんな場所ではアレですから...あぁそうだ私の部屋に案内しましょう!なに怪しい部屋ではありませんからささどうぞどうぞ!」
エレカゲはガブが雷を出した事に興奮し、早口でまくし立てる。
流される様に5人はエレカゲについて行く。
先ほど歯車が動いた事で、地下へと続く扉が開いていた。
ヤマト「さっき探した時は何も無かったのに...」
エレカゲ「雷程の強い電力を受けて初めて開く様になっているんです。そしてその雷を使って蓄電するシステムをこの私が作り上げたのです。」
レイナ「なんかすごそうね...」
とりあえずなんのことだかよくわからないが褒めておくレイナ。
エレカゲ「いやはや、今日はいい日だ、旧友にも会えたし、こんなキレイなヒトにも褒めていただき、天にも昇る思いとはまさにこの事!」
ヤマト「なぁガブ...その言いづらいんだけどあのヒトっていつもあんな感じなのか?」
ガブ「自分の作ったもモノの説明したり、褒められたりするとあんな感じになっちゃうんだよ」
ヤマトとガブは小声で話す。
エレカゲ「さぁさぁ着きましたよ、これが私の部屋です。」




