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~恐怖の遊園地⑥~

ー廃れた遊園地 合成獣(キマイラ)研究所ー

ベアード「そんなこと言ってる場合か!」

ベアードは鵺の前足での攻撃を受け止めようとする。

(バチッ)

ガブは雷の様に素早くベアードと鵺の間に入り、鵺を殴り飛ばすと、追撃のように黒い雷が鵺を襲う。

ガブ「なんだこれ?すげーぞ?」

ガブ自身もよく分からないチカラのようだ。

ガブ「これならいけるだろ!」

ガブは雷のチカラを使って果敢に鵺を攻める。

鵺も自分自身の全力を出してガブとぶつかり合う。

鵺「ヒィーン、ヒィーン」

鵺のカラダは更に一回り大きくなる。

ガブ「チカラだけじゃオレに敵わないぜ!」

チカラの使い方が分かってきたガブは調子に乗り始める。

(ザザッ)

ガブの体内からノイズが溢れてくる。

ガブは、少し苦しそうな表情を浮かべるも、目の前の鵺に集中するために苦しさを堪えている。

ヤマト「ガブ!大丈夫か?」

少し離れたところにいるヤマトにもノイズが見えるほどガブの体内から出るノイズはガブのカラダを蝕んで行く。

ベアード「こりゃいかん!」

ベアードはすでにガブのスピードにも鵺のスピードにも着いていけずにいたが突然走り出した。

ガブの視界はぼやけてきている。

ガブ(コレは…まずいな…またノイズにカラダを乗っ取られるかも…)

鵺にはそんなことお構いなしで、ガブのスキを見つけ攻撃を繰り出してくる。

ガブはすでに目がほとんど見えていない、音と匂いだけで鵺の攻撃を避けようとするが素早い、鵺の攻撃はそれだけでは避けきれない。

鵺「ヒィーン、ヒィーン」

口から毒煙を吐き出す鵺。

ガブはその煙を回避しようとするも回避先に先回りされた鵺の爪をもろにくらってしまう。

コトミ「ガブ!ヤマト、ガブあのままじゃマズイよ…」

ヤマト「…。」

さっきまで優勢にたっていたがやはり、ノイズに邪魔されて思うように戦えない。

ヤマト「ガブ…」

鵺は渾身のを込めて鋭いツメを使った攻撃を繰り出した。

ガブのカラダは動かない。

ガブは覚悟を決めて目を閉じる。

ヤマト「ガブー!」

ガブ(ヤマト、元の世界に戻してやれなくてゴメンな。)

いくら待っても鵺の攻撃はガブに届かない。

ガブは目を開けると、鵺のツメに貫かれたベアードがいた。

ガブ「ベアード…」

ベアード「ガブ…スキを見せるな…」

ヤマト「ベアード!!!」

鵺はニヤリと笑う。

ベアード「仕方あるまい…このままこやつを道連れにする。」

ガブ「ベアード止めてくれ!」

みんなの声にレイナも目を開ける。

レイナ「ベアード…」

ベアード「ガブ…ヤマトを頼んだぞ…」

ベアードは自分を中心に爆発する。

爆煙が上がる。

ヤマト「ベアード!!!」

ベアードと鵺の姿はどこにもなかった。

ガブ「ベアード…」

ヤマト「ウソ…だろ…」

ヤマト「ベアードー!!!」

ヤマトは叫び声をあげる。

コトミは口を両手で覆う。

レイナは倒れたまま涙を流す。

ガブは呆然と立ち尽くしている。

今の今まで一緒に旅をしていたナカマを目の前で失ったのだ。


ー現実世界 タケルの研究室ー

相変わらず部屋の中は暗い。

タケル「クソっ…また失敗だ…。どうしてうまくいかないんだ…なぁ███。」

タケルの後ろには男か女か判断がつかないが1人の成人の人間がベッドに寝ている。

この人物の頭には謎の機械が付けられていて一切顔が見えない。

腕や足にもたくさんのケーブルが繋がれている。


ー廃れた遊園地 合成獣(キマイラ)研究所ー

呆然としているヤマト達。

コトミ「そうだ…ミィちゃんのおにいさんを探さなきゃ...。」

このまま立ち尽くしていても何も解決しない、そう思いコトミが思い出したかの様に言った。

ガブ「捕まっているヤツら、全員解放してやろう。」

みんなが歩き出すがヤマトはただ1人その場から動けない。

ガブ「ヤマト...?」

ヤマト「...どうして...どうしてベアードが死んだってのにみんなそんなすぐ切り替えられるんだよ...」

コトミ「ヤマト...」

ガブ「ベアードが生かしてくれた。オイラ達はベアードの想いを継いで進まなきゃいけないんだ。」

ヤマト「だけど...」

レイナ「ヤマト...ベアードは覚悟を決めて鵺を道連れにしたの...アタシらはベアードの想いを踏みにじる訳にはいかない...」

ヤマト「...わかったよ。」

ようやく歩き出したヤマト、ベアードの覚悟を無駄にしないよう今やらなければいけないことを再確認した。

捕まっているモンスター達を解放するべく、全ての研究室を捜索する。

檻に入れられたモンスター、すでに装置に入れられていたモンスター、全てを助けていく。

ミィのおにいさんはすでに装置にセットされていたがなんとか間に合った様子だ。


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