~恐怖の遊園地①~
ー現実世界 タケルの研究室ー
部屋の中は暗く、パソコンのキーボードを無言で叩くタケルがいた。
タケルの後ろには色々なケーブルが繋がっている様子。
タケルの表情はパソコンの光がメガネ反射して読めない。
少し強めにEnterキーを押すとパソコンの画面は0%の表示から100%へと変わる。
タケルは不敵な笑みを浮かべる。
ー海ー
リュウグウに捕まって浮上したヤマト達。
久しぶりに見る空はどんより曇っていた。
コトミ「嫌な空ね…」
ヤマトのズボンのポケットがゴソゴソと動く。
ヤマト「なななな…なんだ!?」
ポケットに手を突っ込み動く物体を掴みポケットの外へと出す。
ヤマト「なんだコレ!」
ヤマトの手にはブリキ製のおもちゃの魚が握られている。
ブリキの魚はまるで生きているかのようにピチピチと跳ねて海へと戻って行った。
ヤマト「なんだったんだ、アレ?」
リュウグウ「おそらく浮上した時にポケットに入ったんだろう。」
コトミ「でもブリキの魚なんて…」
リュウグウ「おそらくあの島が関係しているんじゃないか?」
黒い雲に覆われた、1つの島が見えた。
ガブ「ダークバロンの手掛かりもないしあの島に行ってみたら?」
いつの間にか目を覚ましたガブが言った。
ヤマト(ダークバロン…今のオレたちじゃ適うわけが…)
メガロドン戦は海竜王のお陰でなんとか勝つことが出来たが自分達だけでダークバロンに立ち向かうことが恐ろしくなってきたヤマト。
コトミ「いいじゃない!行ってみましょ!」
リュウグウは島に向かって行く。
ー廃れた遊園地ー
島に上陸したヤマト達、着いた島は遊園地の施設の様だが誰もいないからなのか外装はボロボロでとても安全に遊べるような状態ではなさそうである。
コトミ「なんだか空も暗いし、おどろおどろしいとこね…」
ヤマト「そういやさ!リュウグウはどうやってついてくるんだ?」
暗い雰囲気にならないようヤマトは話題を変えた。
リュウグウ「任せておけ。」
リュウグウは呪文を唱えると地面から少し宙に浮いた。
リュウグウ「コレなら大丈夫だろう、コレも海竜の加護だ。」
コトミ「へー!結構便利なのね!」
ヤマト「ベアード、レイナはやく元気になってくれよ!」
ベアードとレイナは先の戦いでの傷の治りが悪く、ポケレーターの中で休養を続けている。
ガブ「オイラ達だけで探索してみようぜ!」
暗く怪しい雰囲気の遊園地のゲートに立つと遊園地のメインキャラクターと思われる、2体のぬいぐるみが立っていた。
コトミ「なんだか薄気味悪いわね…」
ガブ「中を見てみようぜ!」
ゲートをくぐり中に入っていくヤマト達。
ヤマト達がゲートを抜けるとメインキャラクターの2体はヤマト達の背中をゲートから覗き込む様に姿勢が変わっていたがヤマト達は気づかずに進んでいく。
ヤマト「人のいる気配はあるのに何も出てこないね。」
コトミ「こわいこと言わないで!」
リュウグウ「コトミはこわいのが苦手なのか?」
コトミ「平気よ平気!」
誰が見ても強がっているのがわかる。
コトミはガブを抱き締めながら歩いているのだ。
(ポッポー)
(ビクッ!)
汽笛の音が鳴り響きSLの様な園内を見て歩ける乗り物が近づいて来る。
ガブ「コトミ痛いよっ!」
汽笛に驚いたコトミはガブを抱く腕にチカラが入ってしまった。
コトミ「ごめんねガブ。」
コトミはチカラを弱めてそのまま抱き続ける。
ヤマト「なんだろう?乗れってことなのかな?」
コトミ「えっ!?乗るの?やめときましょ!!!」
コトミは拒否するがヤマトは乗ってしまう。
ヤマト「あれ?車掌さんは?」
ヤマトは中を見渡すも誰もいない。
コトミ「仕方ないわね…」
コトミも渋々乗るがリュウグウはサイズ的に乗れそうにない為一時的にコトミのポケレーターの中へと入る。
(ポッポー)
SLが汽笛を鳴らすとそのまま進んでいく。
しばらく進むとジェットコースターやメリーゴーランドが誰も乗っていないのに動いている。
ヤマト「なんで動いてんだろ?誰も乗ってないのに…」
コトミ「ヤマト!あれ…」
コトミは震える声で指を指す。
指を指したその先にはズタボロの布で作られたネズミの様なぬいぐるみ、目の取れかかったネコのぬいぐるみ、ツギハギだらけのイヌのようなぬいぐるみ達がジェットコースターやメリーゴーランドに乗っていた。
ヤマト「…さっきまでなにもいなかったのに…」
ヤマトは驚きで空いた口がふさがらない。
ぬいぐるみ達は不気味な笑い声を上げながらアトラクションに乗りヤマト達を見ている。
いつの間にかSLの客車の上にもぬいぐるみ達はいるようで窓から覗き込むようにしながら笑っている。
コトミ「こんなとこはやく出ましょ!」
コトミは目を瞑りガブを抱いている。
やがてSLはお化け屋敷のアトラクションの前に停止した。
ヤマト達はSLを降りるとSLは空へ向かって走り去った。
コトミ「今すぐ戻りましょうよ!」
ヤマト「もう少しだけ、遊んでいこう」
ヤマトの様子がいつもと違う。
ヤマトの目は虚ろでなにか催眠のようなものに掛かっているように見える。
コトミ「何言ってるのヤマト!ねぇしっかりして!」
コトミはヤマトのカラダを揺するもヤマトの目は虚ろなままだ。
コトミ「ガブ!聞いて!ヤマトが!」
ガブ「ヤマト、オイラも遊ぶー」
ガブもヤマト同様にら虚ろな目になっている。




