~海竜の神殿③~
ー海人族のアジト コトミ達ー
レイナを包んだ光はレイナの手足に集中する。
光が消えるとレイナの姿が変わっていた。
いつものマントは消え頭には黄金のサークレット、手には海竜の色をした弓、足は消え人魚のような姿だった。
レイナ「レイナフルアーマーリュウグウ!」
コトミ「私のポケレーターの取っておきの機能!」
レイナ「ジョブマッチとはまた違うようね!いくわよ!コトミ!」
レイナの泳ぐスピードは海竜よりもはやく、海人族のそれを遥かに超えていた。
スメル「スピードがはやくなったからってなんジュ?自分達でナカマの数減らしてなんのつもりジュ!」
スメルはレイナを追いかけ、モリで一突きにしようとするが全く追いつけない。
レイナ「そんなんじゃいつまで経っても追いつかないわよ!」
スメル「仕方ないジュ!こっちも取っておきを使うジュ!タコハポーン・イカジュポーン!」
スメルが呪文を唱えるとスメルの上半身からイカの足を模した触手が左右それぞれに4本ずつ生えてくる。
スメル「もう逃がさないジュ!」
触手を伸ばしレイナを捕まえようとするも上手く躱されてしまう。
レイナ「遅すぎるわよ!」
レイナは弓を構える。
レイナ「シードラゴン・アロー!」
リュウグウのチカラを矢の様に圧縮して放つ。
スメルは避ける間もなく直撃する。
その強大なチカラにスメルは跡形もなく消え去った。
コトミ「やったぁ!」
レイナ「このチカラ凄すぎる…待っててヤマト今助けに…」
フルアーマーが解けレイナとリュウグウに分かれてしまった。
レイナ「あれ…?」
コトミ「ごめんなさい…久しぶりだからちょっと疲れちゃって」
どうやらジョブマッチとは違いモンスターではなくニンゲンに負担が掛かる様だ。
リュウグウ「コトミ大丈夫?」
コトミ「少し休めば大丈夫…レイナ…ヤマトの助太刀に行けなくてごめんなさい…」
レイナ「大丈夫、リュウグウ!コトミのそばに居て、アタシはヤマト達の所へ!」
レイナはコトミをリュウグウに任せヤマト達の元へ急ぐ。
ー海人族のアジト ヤマト達ー
ベアード「危ないとこじゃったな…」
ベアードは身を挺してガブを守った、左手では三又の槍を掴んでいる。
ダゴン「クマの丸焼きだパチ!」
ダゴンのタコス・ミーボールのよるものか三又の槍による電撃なのかベアードの体は黒く焦げている。
ヤマト「ベアード!」
ガブ「ベアード…」
ベアードはそのまま倒れてゆく。
ダゴン「パチパチパチ、あと2人」
妙な笑い声と共にダゴンはガブに狙いを定める。
ガブ「よくも…よくもベアードを…」
ガブの全身の毛が逆立つ。
ダゴン「弱いクセにイキがるなパチ」
ガブはダゴンを睨みつけると威圧感でダゴンは一瞬怯む。
ヤマト「ガブ…進化もジョブマッチも出来そうにない…一旦引こう」
ジョブマッチはお互いに意識がない限り出来ない。
ダゴン「逃がすわけないパチ」
一瞬怯んだダゴンだったがスグにガブへと三又の槍で攻撃を仕掛ける。
ガブ「おせぇよ。」
(ザザッ)
ノイズが入る。
ダゴンが振りかざした槍よりも早くガブがダゴンの背後に移動し蹴り飛ばす。
ダゴン「いつの間に…パチ」
ガブ「…。」
(ザザッ ザザザ)
いつもよりノイズが強い。
ダゴンがガブの方を見ると既にそこにガブはいない。
(ザザッ ザー)
ガブの左手半身がノイズに飲まれる。
ガブ「こっちだ」
ダゴンの後ろから声が聞こえ、振り向いた時にはもういない。
ダゴン「ぐわっ!」
ダゴンの首元に衝撃が走る。
ガブがダゴンの首を食いちぎろうと噛み付いている。
ダゴンは槍を使って振り払うが槍は空を空振りする。
既にガブはいない。
(ペッ)
ガブはダゴンの首の肉片を口から吐き出した。
ヤマト「ガブ!どうしたんだよ…」
ガブ「…。」
ダゴン「よくも…これでも喰らえパチ」
ダゴンはタコス・ミーボールの構えをするが、タコス・ミーボールではなく、タコ墨を吐きガブの目眩しをし、逃げようと試みる。
ガブ「どこにいくんだ?」
いつの間にかダゴンの目の前にいるガブ。
ダゴンは恐怖で腰が抜け命乞いを始める。
ダゴン「すまない、もうあんた達には手は出さないパチ…そうだスメルにも手を引かせるだから…」
ノイズに飲まれているガブの左目が紅く光る。
ダゴン「ヒィッッー」
ガブは命乞いをするダゴンを容赦なく爪で切り裂きダゴンは消滅する。
ヤマト「ガブ…?」
ガブの様子は変わらない。
そこにレイナが駆け付ける。
レイナ「ヤマト、ガブ大丈夫?」
レイナはガブに目をやる。
レイナ「ガブなにその姿…?」
ノイズに飲まれているガブを見て驚くレイナ。
ヤマト「ベアードがやられて…それでガブがおかしくなって…オレどうしたらいいか…」
ガブ「…。」
レイナ「コトミを呼んでくる!」
レイナは元来た道を引き返しコトミとリュウグウの所へ急ぐ。
ベアード「ヤマト…ポケレーターを…」
ヤマト「ベアード生きてたんだ!」
ヤマトは焦りながらポケレーターをガブにかざすとノイズが消えていく。
ガブ「あれ…?オイラ…あっ!ベアード無事だったのか!」
ベアード「なんとかのぉ…」
レイナ達が戻ってくる。
コトミ「ガブの様子がおかしいって聞いてハァハァ…」
コトミは息を切らしている。
レイナ「あれ?元に戻ってる?」
ヤマト「ポケレーターでなんとか元には戻れたらしい…」
リュウグウ「進化もせずにダゴンを倒しちゃったんですか?」
ヤマト「なんだか暴走しているみたいだった…」
ベアード「ワシがやられたせいで感情が高ぶりノイズに飲まれたんだろう…」
ガブ「ベアード!よかった、死んじゃったかと…」
ベアード「ギリギリじゃな…スマンがちとポケレーターの中で休ませてくれ…」
ヤマト「ガブのことありがとうベアード…」
ヤマトはベアードをポケレーターの中に入れて休養させる。
ノイズの暴走、また新たな問題を残し2人の刺客を倒したヤマト達、少しの休憩を挟み捕まっている海竜王を探しに行く。




