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前回のあらすじ
主人公、女の子から一緒に帰ろうと誘われる
「…。」
「…。」
…どうしよう。断れなくて一緒に帰ることになった。まあそこまではまだいいんだけど…
会話が全くなくて気まずい!
周りが会話を楽しみながら下校している中、無言でうつむき気味に歩いている僕ら。
テンションの落差で風邪ひくわ!なんか周りも、僕らを避けて歩いている気がするし。
…いや、しっかりしろ。こういう時は男の僕が話題を振って、場を盛り上げるべきだろ。
話題…話題……いい天気ですね?…いや、ダメだろ。
とにかくなんでもいい、とりあえず話しかけて場を温めないと!
「「あの…っ!」」
あー!なんでこういう時って、同じタイミングで話し出しちゃうかなぁ!
ますます気まずくなっただけじゃん!望月さんもさっきよりうつむいちゃってるじゃん!
どうする…どうする…!僕の持ってる話題カードは、天気ぐらいしかない意☆味☆不☆明なデッキだぞ!
…だけど、せっかく一緒に帰れたんだ。もしかしたら、友達になれるかもしれない。ここは勇気を振り絞てっ!
「…あの、星乃さん。」
「は、はい!なんでしょうか!?」
「あの、そこまでかしこまらなくても…」
「あ、あはは…そうですよね。ごめんなさい…」
…女の子に気を使わせてしまった。すみません、チキンで…
「…今日は、本当にありがとうございました。」
「え?あー…いや気にしないでください。」
「いえ、私が忘れ物をしたのが悪いんです。それなのに、教科書を貸していただくだけでなく、その身代わりまでさせてしまいました。本当にごめんなさい…」
そういって、深々と頭を下げてくる。
正直そこまで、謝ってもらう事でもないと思うのだけど、それを言っても彼女は納得しないだろう。
ここは彼女の意思を尊重してあげるべきだ。
「分かりました。でも、誰にでも失敗はあると思いますから、次気を付ければいいんですよ。」
「…すみません。」
ちょっと偉そうだったかな?けど、こうでも言わないとずっと謝ってきそうだしなぁ。
……あっ!ここで話題をつなげれば、沈黙にならないのか!賢さが 1 あがった。
よ~し、ここは小粋なギャグで場を和ませて…
「大丈夫!僕なんて、入学二日目で生徒指導室に行ったんだよ?それに比べれば忘れ物なんてかわいい失敗さ!はっはっはっ!は…はは…」
自分で言ってて悲しくなってきた。普通に考えて、そんなのなんの自慢にもならない。むしろ汚点だよ!
あー、やっぱりなれないことはするものじゃないよ…
「……。」
ほらぁ!ポカーンとしてんじゃん!
完全に話題ミスってるよ!Badコミュニケーションだよ!好感度下がってるよ!
「ふふ…」
「…へ?」
「あっすみません、笑ってしまって。…励まそうとしてくれたんですよね?ありがとうございます。」
「……。」
そう言って微笑む彼女は…すごく可愛かった。
いつもの様に、にらみつけているような感じはなく、目を細めて笑っている彼女は本当に可愛い。
「ふぇっ?!い、いきなりなんですか!?」
「え…あっ!もしかして声に出てた?!い、いや違うんだよ!いや可愛いのは本当なんだけど!学校で見た時とは違った可愛さと言うか…!笑顔が素敵で!その!…えっと…ごめんなさい。」
「……。」
はい。完全にやらかしました。僕が戦犯です。誤爆王ですよ。
完全にそっぽ向かれてるよ。見えない壁がそこにあるよ…
結局その後は会話もなく、望月さんを駅まで送って別れた。別れ際まで、僕のこと見てくれなかったよぉ…ぐすん…
ちなみに駅は、僕の家とは距離があったけど、そこまで遠くない。せいぜい20分も歩けば帰れるだろう。反省会をするのに丁度いい。
それにしても、誤ってる時の姿勢や言葉、きっちりとした身だしなみを見て思ったけど、望月さんはすごく真面目な子だ。…すごく美人だし。
きっと教科書を忘れたのも、昨日予習していたからかもしれない。…目つきはすごく怖いけど。
でもなんであんなに睨んでくるんだろう?喧嘩を売られてるわけじゃないってのは分かる。
眼鏡をしてるから、視力が悪いってこともないと思うんだけど…分からん。
あー最後は本当に失敗した!なんで言っちゃったかなぁ。あれじゃあ、口説いてるみたいで印象悪いだろうなぁ…はぁ…
…でも楽しかった。女の子と2人で帰るなんて、中学の時以来だ。
出来れば仲良くしたい。学校でも話してくれるといいんだけど…さっきの失敗が本当に悔やまれる。
そんな嬉しさと、少しの後悔が入り混じった僕は、ため息をつきながらとぼとぼと自宅へと帰った。
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