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前回のあらすじ。
初対面の幼女と同じ部屋で寝る。
「…ん…ふわぁ…もう朝か…」
スマホから流れる、簡素なアラームで目が覚めた。
カーテンを開け外を見る。まだ朝日が登っておらず少し暗い。カラスの鳴き声が響いている。
スマホを確認すると、時刻は5時半。高校生にしては早い時間だろう。
けれど、この時間に起きないといけない理由がある。それは…
「…今日からお弁当がいるんだよね…これから週5でこの時間かぁ…」
そうお弁当作りだ。
一応親から、生活費とは別で食費はもらっているが、僕はできるだけ残しておきたかった。
だって…残った分は別でお小遣いになるからだ!それなら誰だって少しでも節約しようとする。ワイトもそう思うだろ?
学校に学食はあるけど、1食で大体300円。満足感を求めるなら500円ぐらいかかる。
それなら自分で作ったほうが安く済むし、夕飯もまとめて作れば時間短縮にもなる。
まあ料理は嫌いではないし、趣味と考えればそこまで苦にならないだろう。
軽く体を動かし、支度を始めようとした時、
「…うが……じゃがバター……ぐぅ…」
「……昨日のは夢じゃなかったか。」
洗面台へ向かう途中、僕の視界に入ってきたのは、僕のベッドでいびきをかきながら変な寝言を言っている幼女。…にしても寝相悪いな。
掛け布団が足元で固まっているし、ベッドからずり落ちそうな位置で寝てる。
あーあ、シーツもぐしゃぐしゃだよ。…昨日洗濯したばっかなのに…
というか、よくこの子を泊めたな僕。通報しようよ。…あっでも僕が捕まりそうだ。危なかった…
…まあ、こいつのことは後で考えよう。今は食事の準備だ。
軽く身支度を整え、食事の準備を始めた。
実家にいた頃はよく家事をしていたし、手際はいい方だと思う。
テキパキとこなし、洗い物は極力増やさない。最初の頃は洗剤とかめっちゃ使ってたな〜。
…よし、弁当の分は完成。メニューは初回だから、簡単なものにした。
卵焼きにウインナー。そして、昨日作っておいた小松菜のおひたしと、ご飯にふりかけだ。
「時間もそこまでかからなかったし、明日からも続けられそうかな。」
後は朝食を適当に作って…ん?
「…んが…?何やら…いい匂いが…」
どうやら幼女が起きたようだ。
…綺麗な金髪が寝相の悪さのせいでボサボサになっている。
というか、なぜ服を着ていない。やめろ!ここはL○じゃないぞ!
くっ!まずい!このままだと、18禁指定を食らってしまう!どうする!何か手は…ん?
窓から差し込む謎の光のおかげで、大事な部分が見えない。やるやんけ!助かるぅ!
「ああ、起きた?一応君の分も作ってあげるから、顔洗って待ってて。」
「うむ、気がきくではないか。ではおとなしく待っておるかの。」
「その前に服を着て…ってあれ?いつの間に着替えたの?」
視線をフライパンに落としていた数十秒の間に、いつの間にか昨日着ていた白いワンピースを着ていた。
早着替えすぎだろ……まあ、いいか。
疑問を頭から振り落とし、せっせと朝食を完成させる。
そわそわしている幼女を横目に、料理を机の上に並べていく。
ベーコンエッグと野菜、ご飯にインスタントのお味噌汁だ。
うん、自分でもいい出来だと思う。白米から湯気がたっているのを見ると、食欲が湧いてくる。
「おー、お主なかなかの腕じゃな。うまいぞ。」
「っていつの間に…ちゃんといただきますはした?」
「いただきました!」
「事後報告!はぁ…それで、君は一体なんなの?昨日は眠かったのもあってちゃんと聞いてなかったからさ。」
僕は静かに手を合わせ、食事をしながら彼女に問いかける。
…うん、焼きすぎずいい出来だ。おっと、ソースがない。今日の帰りに買って帰るか。
「わしは星の「それは聞いた。怒らないから、どこの家の子か教えてほしい。」
「…星からき「ほら、お菓子あげるからさ。あっ親御さんに、迷子になった時に見せなさいって言われているものとかない?」
「……ほ「そうだ、冷蔵庫にアイスあるからさ。しかもハーゲン。正直に話してくれたらあげるから、ね?」
…あれ何も言わなくなってしまった。…きっと初対面の僕に色々聞かれて怖かったんだろう。
もう少し、優しく聞くべきだった。反省しないと。ん?
なんだか、プルプル震えているような一体…そうか!
「……もしかして、バニラ嫌いだった?」
「違ぁぁぁう!わしは本当に星から来たんじゃあ!嘘は言っておらん!」
渾身の叫び声。危なかった…後少し耳を塞ぐのが遅かったら、鼓膜をやられていた。
「うん、大丈夫だよ?僕はわかってるから。」
「その生暖かい目を止めんか!ええい!お主の手首を見てみ!」
「手首?ああ、そうだ!これ!これなんなのさ!」
言われて思い出した。
僕の右手首についている物。一見ガラスに見えるけれど、なんか高価そうな腕輪。
…あれ。これよく見ると浮いてない?え…ファンタジーじゃん。素敵やん。
「それは星の腕輪「そのまんまだね。」うるさい!それがあれば、星の欠片を持っているやつがわかるのじゃ!」
「あーそれも言ってたね。で、星の欠片ってなんなのさ。石みたいなの?」
「お主の腕輪を小さく砕いたような物じゃ。それをお主に集めてもらいたい。」
「…ごめん、僕にはちょっと荷が重そうだし辞退してもいいかな。」
「却下!」
「即答された!えぇ…なんで僕なのかな…君とは昨日会ったばかりだよね?」
「そうじゃ。だが現状、お主にしか頼めんのじゃ。…頼む!」
そう言って頭を下げてくる。ん~正直言って面倒そうだ。
最初は子供の遊びなのかと思っていたけれど、そういう感じではない。
今の僕は、いわゆる【巻き込まれ系主人公】の立場なのだろう。…実際なってみると、断るのは勇気がいるな。
でも今日から本格的に学校がはじまるし、この子に付き合ってる時間はなさそう。仕方ないか。
「…やっぱり僕には……?…っ!」
断りの言葉を言いかけた時、僕は彼女の様子に気づいた。
…泣いていた。下げられた頭から涙がこぼれ落ち、床を濡らしている。
気づかれないようにしているのか、声を押し殺して涙を流し続けている。
どうしてそこまで…そうでかかった。けど、今言うべきことは、
「……分かったよ。」
この言葉だろう。
「え…」
「手伝ってあげるよ。だからほら、泣かないで。…そうだ、アイス食べる?」
「…ありがとうなのじゃ…」
どうして僕なのだろう。そもそも君は何者?色々な疑問がまだ残っている。
でも今はどうでも良くなった。
子供がこんなに必死になっているんだ。助けるのが人情ってもんだろう。
子供が泣きながら頼ってきていて、断る奴とかいる?いたらやべーやつだ。
それにここまでするってことは、きっと大切な物なのだろう。
僕でも力になれるのなら、手伝ってあげたい。…決してロリコンではない。
「それで?その星の欠片ていうのはどこにあるの?」
「さぁ?」
おっと、雲行きが怪しくなってきたぞ。
「…えっごめん、聞こえなかった?どこにあるのかな?」
「分からんのじゃ。」
「はあぁぁぁぁぁぁぁ?!え、大まかな場所とかは?!」
「分からんの。」
「ふっざけんなぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ああー!わしのハーゲン!」
僕は叫びながら彼女のアイスを取り上げた。
んーこれは選択肢ミスったかもしれない。
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