表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流れ星が願い事をしてきた。  作者: スルメ串 クロベ〜
28/29

26

前回のあらすじ

星の欠片はやばいものだった

「よーし。それじゃあ今のうちに、今日の確認をするぞーちゃんと聞け―。」


担任の先生が、バスに備え付けられたマイクを手に取りそう言う。

ついに校外学習だ。周りの人達も楽しそうにはしゃいでいる。

かくいう僕も結構楽しみにしていた。こういう施設に一人で来るのは、結構勇気がいるから行事で来れたのはうれしい。


「ふふ…星乃君、嬉しそうですね。」

「え?あっ顔に出てた?あはは…」


隣に座る望月さんに指摘され少し恥ずかしい。でも、楽しみなのは変わらない。やっふー!

…でも、もうひとつの目的も忘れてない。

獅子堂さんの告白。それが今日一番の目的だ。

当の本人、通路を挟んで座っている獅子堂さんといえば。


「……」


俯いて、険しい表情で床を見つめている。

この後の事を考えて不安なのだろう。僕も、協力した身として同じく不安だ。

上手く行ってほしい。そう思っているけれど…いや、考えても仕方ない。

僕がする事は、告白の場を整えて少しでも成功率を上げる事だけだ。その為の準備だってしてきた。


「…星乃君?どうかしましたか?」

「あっえと…」

「?…!彩夏さん、大丈夫ですか?」


僕の視線の先に気づいたのか、望月さんが声をかけた。

…けど反応はない。よく見ると、指先が震えている。きっと、今日の事を考えて不安なのだろう。

それに昨日はあまり寝ていないのかもしれない。目元に隈ができている。


その後、望月さんが体をゆすったところでこちらに気づいた。

本人は大丈夫だと言ってはいるが、はたから見たらそうは思えない。

…本当に、このまま告白させていいのだろうか。

やっぱりもっと時間をおいて…でもそうすると、星の欠片の影響が出て…


「星乃。私は大丈夫だから。」

「え?」

「あなたの事だから、私の心配をしているのでしょう?大丈夫よ、上手くやるわ。…そう、大丈夫よ…」

「…うん。」


それが強がりだと分かっている。

でも止めたとして、今後どうなるか分からない。

だから、今はその言葉を信じよう。そして、僕にできる事をしよう。




午前中は職員さんに案内されながら、施設を回る。

色々な事を話してくれているのだけれど、頭に入ってこない。

それは2人も同じで、メモを取るペンが全く動いてない。

課題もあるので、何書かないといけないと分かっているのだけれど、この後の事が気になってそれどころではないのだろう。僕もそればかりが気になって仕方ない。


時間は流れ、お昼時に。獅子堂さんはまだ意気消沈している。

この調子だと告白することすらできないかもしれない。

けど僕だって何も考えていないわけじゃない。ちゃんと準備はしてきている。

告白のタイミングは事前に獅子堂さんと話しあった。

チャンスは3回。どれも生徒が自由に行動できる時間。

昼食時、自由行動、そして解散後だ。


そして1回目のチャンス、昼食。

リクオには前もって一緒に食べる約束を取り付けておいた。

場所に関しても下調べをしておいたから、少し外れた人通りの少ない場所を確保できた。おかげで周りに邪魔されず食事ができ、告白もできるいい場所を取れた。

後はタイミングを見計らって、二人っきりにすればオッケーだ。


とにかく今は彼女に自信を持たせてあげないと。

こういう時は、気の利いた言葉を言って励ますものだ。

…うん僕の苦手な分野だねどうしよう。


「大丈夫ですよ彩夏さん。自信を持ってください。今日までいろいろと頑張ってきたじゃないですか。絶対に上手く行きますから。」

「は、春奈…そ、そうよね。上手く行くわよね。ありがとう春奈。」

「いいんですよ。私達と、友達じゃないですか。」

「そ、そうね。ふふ…」

「……」


あれ?僕いらなくない?完全に望月さんに持っていかれたんだけど。

というか、この二人本当に仲良くなったなぁ…最初は、お互い視線すら合わなかったのに。

でも、望月さんのおかげで獅子堂さんも元気になったみたいだ。これなら可能性があるかも。

ほほえましく話す二人を眺めながら、シートを広げ準備する。

その後、少し経ってからリクオが来た。


「悪い、待たせたな。」

「いや大丈夫。シート引いたから座って。」

「ああ。2人も待たせて悪かったな。少し、女子に捕まっていて。」

「…そ、そう…なのね…」

「断っているのも関わらず何度も頼んできてな…まったく、苦労したぞ。」


おっと?獅子堂さんの表情が曇ってきたぞ?

…あっもしかして、自分以外にもリクオを狙っている子がいる事が気がかりなのかな?

というかリクオ。待っててくれた女子に、他の子の話をするのはどうなの?


「で、でも断ってまで僕らの方に来てくれたんでしょ?ならよかったよ!」

「それは当然だ。先に約束したのはノゾラだし。まあなくても、お前と一緒に食べただろうがな。」

「うんそうだね。僕 ら と!一緒に食べるよね?」

「あ、ああ。そうだな。」


こいつぅ!もっと僕以外に興味を持て!

なんで一緒にいる二人には話を振らずに、僕だけに話しかけてくるんだよ!察しろ!

や、やばい。場の雰囲気が一気にお通夜みたいになってる。

作戦だと、和やかに食事する予定だったのに、どうしてこうなった…

考えろ…この空気を変える方法を…チェス盤をひっくり返す方法を!

…閃いた!


「ほらみんな!ご飯食べよう!たくさん作ってきたから、好きなの取って!」


これだ!

おいしいものを食べて、テンション爆上げ作戦!

今日はいつもより多めに弁当を作ってきている。なんせ、


『ノゾラの料理もっと食いたいな。そうだ、今度の校外学習の時は多めに作ってくれないか?食費は出すから。』

『え?うんいいけど。』


と、前もってリクオに頼まれていたからな!かなり気合を入れて作ってきたぜ。

よし。これで場の雰囲気も少しはなごんで…ん?


「獅子堂さん?どうかした?」

「あっえ…ううん、なんでもないわ…気にしないで。」


そう言いながらも、後ろ手に何かを隠している。

なんだろう。気になって料理を取る振りをして確認する。

小さな包みが見える。あれは何だろう?

ナプキンで包まれたもので、大きさは…そう、丁度お弁当箱くらい…の……


「あっ…」


そこで過去の記憶がよみがえる。

そう。あれは獅子堂さんが僕の家に来た晩。彼女との電話での会話だ。


『どうにかして意識をさせる方法か…うーん…』

『彼の好みとか分からないの?』

『リクオは体を動かすのが好きだけど、それで意識させる方法ってのはちょっと…』

『そうね…あっ!ねえ、料理は?彼、いつもあなたのお弁当をつまんでいるでしょう?』

『あー確かに。けど料理ってハードル高くない?いつ振舞うの?』

『うっ…学校で渡すのはかなり勇気がいるわね…そうね、丁度いい機会が』

『小僧!いつまで電話しとるんじゃ!はよ相手せい!』

『もうちょっと待ってって。』

『…という感じなのだけれど、どうかしら?』

『え?あっごめんもう一回』

『ごめんなさい!親が来たから切るわね!それじゃ。』

『あっ…まあ、明日学校で聞けばいっか。』


…その後、ステラとスマ〇ラしてたせいで、もう一回聞くってことを完全に忘れてた…

やべえよ…あれ絶対お弁当だよ。…今日のために手作りしてきてるやつだよ…

というか、望月さんも僕を睨んでいる気がする。そうだよね。あれだけ仲いんだもん、知ってるよね。

ど、どうしよう。もういっそ、出してもらうか?

…いやでも、この状況で?


「うん美味い。さすがはノゾラだな。」

「そ、そうかな…でも、僕よりももっと上手な人はいるよ?ほ、ほらやっぱり女の子の方が…」

「そんな奴いるわけないだろ。」

「はあ!?いるっつってんだろ!?もっと周り見ろよ!!?」

「お、おう…」


お前どんだけ僕のこと好きなんだよ!

無理だ!この空気で獅子堂さんに弁当を出させるのは!

ちらりと獅子堂さんを見る。…な、泣いているように見えるのですが…

それとなく望月さんを見る。…え、笑顔だけど、目が笑ってないような…

…ええい!こうなったら!


「も、望月さん!飲み物ないよね!?何か買いに行かない?!うん行こうか!」

「えあっちょっと星乃君!?」


僕は望月さんの手を取り、強引にその場を離れた。

ふ、二人っきりにするとこまでは何とか用意したからぁ!獅子堂さん、後は頑張って…!

…まあ当然、そんな状態で告白なんてできるわけもなく、戻った時には二人で静かに僕の弁当をつまんでいた。


本当に申し訳ありません、獅子堂さんには後で土下座で謝ろう。

え?望月さんにはしないのかって?そんなの…


既にしたに決まってるじゃん。連れ出して目が周りの目が無くなった瞬間地面にこすりつけたよ。


だ、大丈夫。ま、まだチャンスは残ってる。

今度こそ失敗しないように、獅子堂さんをサポートしないと。

モチベーションになりますので、感想コメント、いいね、評価お待ちしております。

下の星もお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ