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前回のあらすじ
主人公女子を土下座させた(相手が勝手にやった)せいでブチぎれられる
お昼のチャイムが鳴り、望月さんと獅子堂さんを連れていつもの場所へ。
…向かおうとしてるんだけど…
「えっと、何をしてらっしゃるんでしょうか。」
「いないわ。ここには誰もいない。」
なぜか獅子堂さんが机の下に引きこもって出てこない。周りの人も何事かと、彼女を見ている。
望月さんに引っ張ってもらったけれど、とんでもない力で机の脚を掴んで離さない。ゴリラかな?
いやどちらかというと、小さい体も相まって猫のようだ。これ僕が触ったら絶対ひっかくよね?もしくはかじられそう。
「いやあの、見えてるんだけど。それにさっきまで目の前で授業受けてたじゃん。ほら、リクオとお昼食べに行くよ。」
「いーやーよ!まったくしゃべったことないのに、いきなりお昼を一緒になんて。超えるべき段階をどれだけすっ飛ばしてるのよ!」
「でもそうしないと踏み出すことすらしないでしょ?」
「うぐ…で、でもどんな顔して食事すれば…」
「笑えばいいと思うよ。」
「シ〇ジ君?!」
その後も嫌がる彼女を何とか引っ張り出そうとするが出てこない。
どうしたものかと望月さんと顔を見合わせていたら。
すると。周りの視線に気づいたのか、顔を赤くした状態で出てきた。うん、知ってた。
そりゃあれだけの醜態をこんな場所ですれば、恥ずかしくて出るしかないよね。
恥ずかしそうにする彼女の手を取り、いつもの場所へ。リクオはすでに来ていた。
「おまたせ。」
「おう。ん、そいつは?」
「紹介するね。僕と望月さんの友達で、獅子堂さんって言うんだ。ほら。」
望月さんの後ろで小さくなっている彼女を前に出す。
さて、お手並み拝見。本人は無理とか言っていたが、自己紹介ぐらいはできるだろう。うん、できてくれないと困る。
「わ、わわわわわたしは…スゥー…………ガガ…」
「望月さんかな?」
「星乃君?!た、確かに私よくこうなりますけど!」
「……帰りたいよぉ…」
そうつぶやき、光のない泣きそうな目で空を仰ぎ見ている。
あっダメそう。完全に心折れてるよ。現実逃避してるよあれ。
ふぅ…仕方ない。ここは僕が手を貸してあげようじゃないか。
「あ~ごめんね、ちょっと緊張してるみたいでさ。彼女リクオの事がす」
「っふ!」
「げふっ!?」
突然腹部に激痛。スナイパーか?
見てみると、獅子堂さんの肘が突き刺さっていた。な、なじぇ…
お腹を押さえていると、獅子堂さんが僕を引っ張って離れたところへ。
「今…何を言いかけたのかしら?」
「し、獅子堂さんがリクオの事好きだって…」
「馬鹿なの?ねえ馬鹿なの!?」
「でも好きでしょ?」
「そ、そうだけど!いきなりすぎるでしょ!?それをあの場で言われたら、私はどうすればいのよ!」
「自分に好感を持ってくれてると思って、仲良くなれるんじゃ…」
「そんなわけあるかっ!」
えー。自分の事好きって言ってくれる人なら、そうなんだ嬉しい。これから仲良くしてね。ってなるんじゃないの?僕はそう思うんだけどな…
「とにかく!あなたは余計なこと言わない事!」
「…そもそも獅子堂さんがちゃんと喋れば問題ない」
「なにか言ったかしら!?」
「いえなにも。」
緊張した面持ちで、2人のところへ戻る。獅子堂さん手と足が同時に出てるんだけど。
「どうかしたのか?」
「いやちょっと相談をね。…ほら獅子堂さん自己紹介。」
「わ、分かってるわよ。…わ、わたしは…し、獅子堂…です。その…」
「獅子堂か。俺は大我陸、よろしく。」
「う、うん!よろしく!」
たどたどしいがちゃんと自己紹介ができているようで一安心。
後はゆっくりお昼食べながら、仲を深めてい行けばいいかな。
「大我君はどんな子が好みなの!?」
「「獅子堂さん!?」」
突然すぎるカミングアウト!さっき僕に言った言葉は何だったんだ?!
あまりの衝撃に望月さんも驚いている。
「好み?…考えたことないな。」
「あっ普通に返すんだ。」
「それじゃあ好きな人とか!」
「獅子堂さんストップです!ステイです!」
よかった、リクオが天然で。
その後も何度かハジケた質問をしかけていたが、そのたびに望月さんがフォローしていた。
それなりに楽しい昼食だったし、初回は成功だろう。
そう思い、教室への帰り際にねぎらいの言葉をかけようとしたら、
「死にたい…もう早退する…おうちでゲームする…ゲームは私を裏切らない…心のオアシス…」
そう言って保健室へと歩いて行った。
その戦場帰りのような背中を見て、僕は敬礼せずにいられなかった。よく頑張ったよ…うん。
…あ、転んだ。
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