22
前回のあらすじ
主人公妙な作戦を思いつく
「で?その…ラブラブ?…ぶふっ!…さ、作戦ってぷぷ…な、なにかしら…」
「…そんなに悪いかなこの名前。」
「い、いえっぷくっ…!か、感性は人それぞれ…あっははは!」
「バカ受けじゃん。」
朝。なぜか家の前で待っていた獅子堂さんと登校。もう何も言うまい。
そして、昨日僕が思いついた作戦を話そうとしたらこれだ。作戦名だけで爆笑された。…結構傷つくなぁ…
「ご、ごめんなさいっ。で、そのラブっくく…な、内容は?」
「…はぁ。ほら、来週に校外学習があるでしょ?」
「え?あーそうだったかしら。」
「?昨日も先生が言っていたけど、聞いてなかったの?」
「朝は弱くて、半分寝てることが多いのよ。やることが多くて。」
「へぇ。たしかに、目元に隈ができてる…体調は大丈夫なの?」
「いつもの事だからもう慣れたわ。それと…か、顔が近い…」
「えあっごめん。」
無意識に顔を近づけていた。
ちょっと無神経だったかも。獅子堂さんもそっぽを向いてしまったし、気をつけよう。
「そ、それで?その校外学習でどうするつもりなの?」
「ほらあれって学年同時進行でしょ?だからさ、そこでなんとかして2人きりにするから告白したらどうかなって。」
「…頼んだ私が言うのもあれだけど、随分急な話ね。さっさと告白してほしいってことかしら。」
「え!?そ、ソンナコトナイヨー。」
「あなた嘘が下手ね。」
「うっ…」
「…まあ、あなたからしたら、こんなことは面倒ごとでしかないものね。私とも、早く関係を切りたいってところかしら?当然よね、自分勝手にあなたを巻き込んでいるのだから。分かってるわ。…できるだけ迷惑はかけないように気をつけるから。だから…」
「そんなこと思ってない!」
「…え?」
思わず大声が出てしまった。登校中の生徒がこっちを見てる。
すれ違う人も物珍しそうにこっちを見てなにかつぶやいている。正直恥ずかしい。
でも、それでも彼女の言葉は否定したい。
「確かに告白を急かす理由はあるよ。でもそれは迷惑だからとか、君が嫌いだからとかじゃない。それだけは誤解しないでほしい。」
「…そう。私の考えを押し付けていたみたいね、謝るわ。ごめんなさい。」
「いやいいよ。それよりも作戦、校外学習で告白。どう?できそう?」
「正直厳しいと思うわ。」
「そっか。普段と違う場所だから、結構上手く行くと思うだけど。」
「そういう事じゃないの。確かに学校とは違った環境なら、その場の空気で上手く行くかもしれない。でも…」
「でも?」
「…私、まだ彼とまともにしゃべったことないの…それでも上手く行くと思う?」
「あっ無理だわ。」
「ちょっと!少しは悩みなさいよ!」
えぇ…それはちょっと想定外なんですけど。
2限目の体育。先生が病欠したため、男女混合で自由時間となった。
他の人たちがドッジボールをする中、獅子堂さんを連れ木陰へ。
…さて、
「獅子堂さん。一度も話したことがないってどういう事かな?僕はてっきり何かしらのアピールをしていると思っていたんだけど。」
「それは…その…恥ずかしくて…」
「はあ…」
「し、仕方ないでしょ!?私だって何度か声かけようとしたわよ!?でも、いざ目の前に立つと…こう……わかるでしょ!?」
「…まあ、分からなくもないけどさぁ。それでも何もしてないってのはちょっと…」
「なによ!私が悪いっていうの?あーそうですー悪いのは私ですー!ヘタレな私がわるうございましたー!」
「えぇ…」
なんか逆ギレされた。言った本人はほっぺを膨らませて拗ねているし。
いやまあ好きな人の前だと緊張するのは分かる。それも全く接点のない人なのだから、声をかけるのが難しいことも理解できる。けどさぁ…
「つまり、リクオの事ってほとんど僕に丸投げだったってこと?」
「うっ…」
「それなのに、僕にあれこれ言って。いろいろこき使って。」
「うぅ…!」
「自分は何もせずに、告白だけしようとしようとしてたってこと?」
「うぅぅぅぅぅ……本当にすみませんでした。」
「ちょ!?土下座やめて!ほかの人に見られたら何言われるか…」
幸いクラスメイト達から離れている。それに木陰だ。暗くて見えずらいはず。
誰かに見られる前に早く立たせて
「星乃君。」
「ひぇ…!」
土下座をする彼女を立ち上がらせようとした時、背後から絶対零度に匹敵するほどの冷たい声が聞こえた。
全身の血の気が引いていく。露出している腕には鳥肌が立っている。
おかしい…彼女はここにいないはず。だって…ドッジボールで一番最初に当てられて、外野に送られたのは確認済み。途中で抜けるのは彼女の性格上考えにくい。
「試合が終わったので抜けてきたんですよ。」
「っ!」
こ、心を読まれた!?読唇術!?サイコマンティス!?
ま、まままままままずい。なんでかわからなけど、ここ最近彼女の機嫌がすこぶる悪かった。
もしここで誤った対応をしようものなら……考えるのも恐ろしい。
大丈夫だ。COOLになれ…僕なら大丈夫なはずだ!
「それで…どうして、獅子堂さんが星乃君に土下座しているんですか?」
「そ、それはですね…」
「はい。なんですか?」
「星乃君が私の事ヘタレだって責めるのー!うわぁーん!」
「貴様ぁ!裏切ったなぁあ!」
地面で頭を下げていたはずの獅子堂さんが、いつの間にか望月さんの後ろに隠れて泣きまねを始めたよ。
こいつぅ!なんで火にニトログリセリンを注ぐような真似をするんだ!?
あなた仮にも、僕に助力を求めている立場でしたよね?!
いかん!背後にいる魔王の怒気が膨れ上がっている!
「星乃君。」
「!ひゃ、ひゃい…」
「そのまま正座してください。」
「あ、あのーせめて小石をどかしてからでも…」
「座れ。」
「あっ…はい…」
あっこれブチぎれてますわ。
「理由。話してもらえますよね?」
「もちろんでございます。」
数分後。
「「ごめんなさい。」」
「うん、まあいいんだけどね…いたた。」
足についている砂と小石を払う。正座している間、小石が刺さって痛かった。
望月さんに事の経緯を説明すると、納得したのか謝ってくれた。
獅子堂さんも、途中で正気に戻ったからか申し訳なさそうにしている。
「本当にごめんなさい。私はてっきり…」
「てっきり?」
「なにか弱みを握って獅子堂さんを脅していたのかと…」
「いやいやしないしない。そんなことしたら獅子堂さんに殺されるし。」
「あ"?」
「なんでもないです!」
獅子堂さんがこっちを睨んでる。いやまあ、今のは僕の失言だった。
この状況で殺気を飛ばしてくる人の弱みなんて…いやまあ握ってるのか?
けどそれで脅そうなんて絶対にない。うん、ない。だってまだ死にたくないし。
「でも本当にごめんなさい。獅子堂さんが好意を抱いている方を知ってしまいました…」
「いいわよ。元々、彼を借りていたのにちゃんと理由を言わなかった私が悪いのよ。だから望月さんが気にすることはないわ。」
「いいんでしょうか…」
「私が良いって言ってるからいいのよ。」
「分かりました。えっと…その…大我さんと、上手く行くことを祈っています。」
「うん、ありがとう。…ねえ、望月さん。あなたさえよければこれからも仲良くしてくれると嬉しいわ。」
「!い、いいんですか?私なんかで…」
「あなただからいいの!よろしくね!」
「は、はい!よろしくおねがいひまひゅ!…うぅ…」
おお…なんか友情が芽生えてる。よきかなよきかな。
僕としても、二人が仲良くなってくれるのはうれしい。
それに、望月さんが事情を知ってくれたのはうれしい誤算だ。
「ねえ獅子堂さん。」
「なにかしら。」
「告白を成功させるためには、もっとリクオと関わる必要があると思うんだ。ほら、本番で失敗しないためにも。」
「悔しいけど、あなたの言うとおりね。でもどうしたら…」
「そこでなんだけど…獅子堂さんって、お昼はいつも予定空いてる?」
「?ええ。ご飯を食べるだけだけど。」
「じゃあ今日から僕らと一緒に食べよう。」
「…え?」
「今日から校外学習までに、リクオに獅子堂さんの事を知ってもらうために、これから毎日お昼はいっしょに食べようね!」
「……ええーーーーーーーー!!?」
多少荒療治かもしれないけど、もう時間もないしこれくらいしないと上手く行かなさそうだ。
後1週間で、必ずリクオに獅子堂さんの事を意識させるんだ!
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