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前回のあらすじ
主人公リクオに告白!?
「……あなた馬鹿なの?」
「返す言葉もございません…」
放課後の校舎。屋上へと続く場所で、僕は…正座していた。
理由は簡単。今日の、僕の行動を反省するためだ。
僕の変なメッセージのせいで、今や僕はリクオと付き合っているという噂で持ち切りだ。
そして、その経緯を彼女に話したらこの言葉だ。誰だってそう言うと思う。ワイトもそう思います。
いや、違うんよ。僕だって、そうしようと思ってしたわけじゃないんよ。誤解なんよ。偶々、偶然変なメッセージを送っただけで他意はないんよ。不幸な事故なんよ。
まあ、その言い訳が通じるかどうかは…お察しだ。通じてたら噂になってない。
今や僕らは、一躍有名人だ。まったくうれしくない。
「私のために動いてくれたのはうれしいけれど、本当に…どうやったらこんな噂を立てられるわけ?」
「はは…本当だよね。いやーまいったよ。」
「なにわろてんねん…引きちぎるぞ。」
「すみませんでしたーーーーーーーーーーー!!!」
表情が抜け落ちた言葉におもわず、地面に頭をこすりつけて許しを請う。こわいよぉ…
でも彼女の態度は仕方ない。だって彼女はリクオの事が好きだ。
つまり今の状況は、好きだと相談を受けた相手の人を奪ったことになる。いやそんな気は全くないんだけど。
「まったく。それで?これからどうするつもりなの?」
「どう…とは?」
「あのね…今のあなたは、彼の恋人だと思われているのよ?」
「そうですね。」
「その状況で、もし私が告白したらどうなると思う?」
「…NTR?」
「ぶっ〇すわよ?」
「いたたたたた!め、目がぁ目がーー!」
獅子堂さんの小さな手からくり出されるアイアンクロー!指が眼球に刺さっていくぅ!
「こうなった以上、まずはこの噂を何とかしないと。分かってると思うけど、あなたのせいなんだから協力してもらうわよ。」
「イエス!マム!…でもまあ、放っておけばすぐになくなると思うよ?」
「どうして?」
「僕影が薄いから、きっと存在自体忘れられると思う。」
「言ってて悲しくないの?」
「ぐ…それにこの噂、今回が初めてじゃないし。」
「そうなの?」
「うん。僕、女の子と間違えられることが多くて、中学の時も何度か…ね。」
「あー確かに。私も、最初見た時は女の子かと思ったわね。学校で再開した時は驚いたわ。」
「だから放っておけば、そのうち何事もなかったようになるよ。下手に否定したりすると、経験上余計に噂されるからね。」
「そういうものなのね…」
本当に中学の時は苦労した。
後輩がリクオに惚れた子が、常に一緒にいる僕を女の子と勘違いして噂を流すなんてこともあった。
ひどいときは、カイトも巻き込んで二股してるなんて言われたこともあったなぁ。
ともかく、人のうわさは四十九日…あれ、七十五日だっけ?そう言うし、相手にしないのが一番の解決策だ。
「でもあなた、大勢の前で勘違いさせる会話していたのでしょう?それは大丈夫なの?」
「……」
「……」
「大丈夫だよ多分、きっと…おそらく。」
「はぁ…頭痛がする。」
これに関しては完全に僕のせいだ。彼女には申し訳ないと思う。
「獅子堂さんがやれっていうのなら、みんなの前で否定してもいいけど…」
「…いえ、いい。この程度で諦めるくらいなら、最初から告白しようなんて思ってないわ。どんなうわさが流れていたとしても、わたしには関係ない。」
「そっか。それなら、上手く行くように協力するよ。」
「……………………お願い。」
「んー信用が地に落ちてるなー。」
正直、最初はカケラを集めるため仕方ないと思っていた。
でも今は、純粋に彼女には頑張ってほしいと思っている。
好きな人に告白するのがどれだけ大変なのか。僕はそれを知っている。抱え続ける苦しさも。
そして、それが失敗した時の悲しみも…僕は嫌というほど知っている。
彼女にはそんな思いをしてほしくない。彼女の恋が上手く行くように、少しでも力になろうと思う。
家に帰った後、何度かリクオとやり取りをして彼の好みを聞き出そうとした。あっ告白の件は、ちゃんと誤解を解いておいた。少ししょんぼりしていたが、納得してくれたからよかった。その場にいた望月さんもなんかほっとしていた。
ちなみに、この事をステラに話したら爆笑された。なんかむかついたので、デザートは無しにしておいた。
話は戻りリクオの好みの件だけど、結果は芳しくない。
まず、好きな奴はいない。これはまあいい。獅子堂さんにもチャンスがあるから。
次に好み。考えたこともないそうだ。ま、まあ恋愛に興味がないって知ってたし、こう返してくるとは思ってた。
最後に女子から告白されたらと聞いてみた。結果は、
『今は、付き合う気はない。』
とのことだ。…うん、なにも分からないという事が分かりました。
どうしよう。正直分かったのは、獅子堂さんが告白しても失敗するという事だけだ。
リクオに、試しに獅子堂さんと付き合ってみたらと言ってみるか?…いや、それは違う気がする。
カケラを手に入れるために無理やりくっつけても、すぐに分かれるのが目に見えている。
それにそんな方法でカケラを手に入れるのは嫌だ。だってそれは、僕の目的を押し付けているだけで、彼女たちの気持ちを無視している。そんなのは彼らに失礼だ。
「かといって、上手く行くとは思えないしな…どうしよう。」
「なんじゃ、まだカケラを回収しておらんのか。今回は願いも分かっておるし、簡単じゃろ?」
「そういうわけにもいかないんだよ。いくら獅子堂さんが頑張っても、リクオに恋愛感情がないんじゃどうしようも…」
「そんなの、交尾でもさせればいいじゃろ。」
「うわ…」
「なんじゃその目は!男なんぞ、適当にやらせてやればコロッと」
「あっもう結構です黙っててください。」
「なぜじゃ!?」
なにアホなことを言ってるんだこのドエロ幼女は…
そんな事で上手く行っても、破局する未来しか見えない。それにリクオは手を出しそうにないし、どのみち出来そうにない。
…やっぱり、どうにかしてリクオに恋愛感情を出させるしかない。
なにかきっかけでもあれば…
「ん?」
机に置いてあるスマホに通知が届く。
手に取って確認してみる。望月さんからだ。
『来週にある校外学習なのですが、良かったら一緒に行動しませんか?』
「…そういえば先生が言ってったけ。」
校外学習。行先は確か…科学館だっけ。
他に一緒に行く人もいないし、嬉しい提案だ。すぐに返事しよう。
…待てよ?
「これだ!」
「うおっ。いきなりなんじゃ…」
「リクオと獅子堂さんの中を取り持つ作戦を思いついたんだ。名付けて…二人っきりにすればラブラブ作戦!」
「…ダサいのじゃ。」
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