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流れ星が願い事をしてきた。  作者: スルメ串 クロベ〜
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20

前回のあらすじ

誰よあの女!わたしの事は遊びだったの?

教室に向かう間、望月さんを正気に戻そうと奮闘した。

怖かったよぉ。カバンに手を入れるたびに、中から何か出てきそうで…背中なんて冷や汗でべっとべとだ。後で着替えよ。

数分ほどの短い時間のはずなのに、数時間のような長さに感じられる体験だった。できれば二度と体験したくないです。下手なホラー映画よりも怖かった。


ひとまず、休日に遊びに誘うことで難を逃れた。まあ彼女と仲良くなるいい機会かもしれない。

望月さんも嬉しそうにしてくれて、僕もうれしい限りだ。

一応その場には、リクオも誘う予定だ。二人きりだと絶対に気まずい空気になりそうだし、リクオとも仲良くなってほしいからね。

それを伝えたら、大きなため息をつかれた。…なんか間違えた?

まあ最終的には納得してくれたからよしとしておこう。そのうちカイトも紹介したい。


さてと。僕はスマホを取り出し、リクオにメッセージを送る。

獅子堂さんの告白が成功するように、少しでもあいつの好みを引き出さないといけない。

どう送ったものかな…


「……」


あ、あらためてそれを本人に聞くの恥ずかしいな…

そうだ。ちょっと砕けた感じで聞いてみればいいかもしれない。そうすればリクオも、軽い感じで返してくれるはず。


『ねえリクオ。今ってさ、恋…してる?』


全然軽くないし、なんだこのキモイ文面は。

こんなのを同性に送るのはどうなんだ?

文章を削除して、もう一度打ち込む。


『やっほー!ねえリクオって今好きな人とかいる系?』


…なんか思春期の男子丸出しで、これはこれで恥ずかしいな。エイプリルフールに、好きな人に送って反応を確かめるような文面だし。

また全文を削除して改めて打ち直す。


『なあリクオ。僕たちって結構付き合い長いよね?いつも一緒だけどさ…お互い知らないことがあると思うんだ。…好きな女子とか。』


なんだこの、浮気した人が送ってくるジュリメールみたいなのは…

んー難しく考えすぎかな。また消してっと。


「星乃ースマホは閉まっておけー。」

「っ!は、はい。すみません…」


先生に注意されてしまった。まああれだけ画面凝視してたら気づかれるよね。

…ん?メッセージまだ消してないはずなのに消えてる。なんでだ?

ちらりと画面を見る。


「っ!」


それを見て飛び上がりそうになった。

あれれぇ~おかしいぞ~?なんか文章が送信されてる~。

しかも~中途半端に消した文が送られてる~。


『なあリクオ。僕たちって結構付き合い長いよね?いつも一緒だけどさ…お互い知らないことがあると思うんだ。…好き』


「………スゥー…」


やっちまったーーーーーーーー!?

これだと僕が告白したみたいじゃないか?!なんで僕はあんなアホな文章を入力したんだ!

ま、まずい。早く訂正をしないと!


『さっきのは冗談だから!勘違いしないでよね!』


よし!これでいいはず!ちゃんと冗談だと分かるし、告白みたいなのも勘違いだと伝わるはずだ。

先生の視線がまたこっちに向いてきているし、スマホはしまっておこう。

あっ、結局リクオの好み聞けてないじゃん。まあ、あとでまた連絡すればいっか。


HR後。僕はスマホを取り出して画面をつける。

するとなぜか、リクオとカイトから何件もの通知が来ていた。

なんだろう。なにか緊急の用事かな。何気なくカイトのメッセを開く。


『結婚したのか?俺以外のやつと…』

「……」


なにいってんだこいつ。そう思いながらログをさかのぼっていく。

…このメッセージの理由が分かった。


『なあノゾラ。お前リクオに告白したんだって?あいつから珍しく連絡来てたけど、なにかの遊びか?俺も混ぜてよ!』

「はあ!?」


思わず声が出てしまい、周囲の視線が集まる。

いやいやいやいや!?してない!断じてしてない!

もしかしてさっき僕が送った奴か?でもちゃんと訂正を送ったはず。

このとおり!


『さっきのは冗談だから!勘違いしないでよね!』


……あ、あれ。これなんか、ツンデレの定型文みたいだぞ?

い、いや大丈夫なはず。リクオのメッセージもきっと、何かの冗談か?みたいなのに決まってる。

震える指先で、リクオのアイコンをタッチする。


『ノゾラ。いきなりの事で困惑してる。悪いが、少し考える時間をくれないか?』


いかーん!これ冗談だと思われてない!完全に僕が告ったみたいな流れになってる!

ど、どうする?またメッセージで訂正する?いや、なんかまた勘違いが起きそうだ。

仕方ない、直接会って誤解を解きに行こう。




授業が終わり、休憩時間になるとすぐに教室を飛び出した。

なんとかこの10分で誤解を解いておかないと。じゃないと、獅子堂さんに教える情報が聞き出せない。

リクオの教室に行き、席に近づく。


「リクオ!さっきの事なんだけど…」

「ノゾラ。悪いが返事はもう少し待ってくれないか?お前の気持ちはちゃんと伝わった。だから俺も、ちゃんと返事をしたい。」

「い、いやそれは誤解で…」


っく!なんでこんな時まで真面目なんだ!

というか、なんか周りの視線が集まってる気がする。それにさっきまで騒がしかったはずなのに、急に静かになって…いったいなぜ。

そう考えていると、一人の女の子が話しかけてくる。


「ね、ねえ大我君。」

「ん?なんだ。悪いが今はノゾラと話していてな、要件なら後で。」

「か、彼と大我君はどういう関係なの!?」

「関係?んーそうだな…」


女の子の目がキラキラしてる。なぜ…


【ノゾラ。悪いが返事はもう少し待ってくれないか?お前の気持ちはちゃんと伝わった。だから俺も、ちゃんと返事をしたい。】


おいこれ告白待ちみたいな言葉じゃねーか!

だからか!さっきから僕らに視線が集まってるのは!

となると…まずい!リクオの返答次第では、さらに勘違いが加速してしまう!

頼むリクオ!絶対変なことは言わないで!

大丈夫!リクオは僕を困らせるようなことはしない。だから…信じてるよ!


「…一番大切なやつ…だな。」

「「キャー―――!!」」


あっ…終わった。


…僕はその後の記憶がない。

リクオのクラスメイトに質問攻めにあった気もするし、すれ違う女子から熱っぽい視線を向けられた気がする。

気が付いたら放課後になっていて、昨日と同じ場所に行くと獅子堂さんが待っていた。

そして、


「…あなたが大我君に告白して、OKをもらったって噂があるんだけど…どういうことか説明してくれる?」

「……」

「返答次第では……分かるわよね?」

「ご、誤解だーーーーーー!誤解なんだーーーーーーーーーーーー!!」


放課後の校舎に、僕の叫び声が響き渡った。

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