18
前回のあらすじ
3人で昼食
「再来週にある校外学習についてだが…」
教卓で先生が色々話している。校外学習か…
色々と内容を話しているけれど、僕は上の空になっていて全然頭に入ってこない。
だって…
「……(ギロッ!)」
「……」
獅子堂さんが、こっちを睨んでくるからだ。
怖ええええぇ!!絶対殺気が込められてるよ!人に向けていい目じゃないよ!
心なしかオーラみたいなのが見える気がする。
…この後、僕は一体ど、どんな目に合わせられるんだ…?
「詳しくは明日、それまでにグループを考えておくように。それじゃあ日直、挨拶を。」
先生の話が終わり、クラスメイトが続々と出ていく。
…さて、
「星乃君。」
「ん?望月さん、どうしたの?」
「いえ、その…よ、よかったら一緒に帰りませんか?」
「うん帰ろ」
「あ˝?」
「ひぃっ!」
殺気のこもった声が聞こえてきた。僕らの会話を聞いていたのか…やっぱり魔王からは逃げられそうにない。
「…ごめん望月さん、これから少し用事があるんだ。」
「……そうなんですね、ごめんなさい。……もしご迷惑でなければ、ま、待っていても…」
「それは悪いから。…生きていたら、明日合おうね。」
「どんな用事なんですか!?え?!それ大丈夫なんですか!?」
「大丈夫だよ。…僕は大丈夫なんだ…」
「その言い方は絶対大丈夫じゃないですよ?!」
大丈夫。ちょっと世紀末覇王みたいなオーラを放つ人と話すだけだから。
…うぅ~ぽんぽん痛くなってきたよぉ。
「…今からでも入れる保険…知らないよね?」
「知りませんよ!?」
「星乃君。」
「ひぇ…!」
覇王の声がして、そちらを見る。…小さすぎて、一瞬見えなかった。
「…今何か…考えなかった?」
「か、考えてません。」
「そう。ごめんなさい望月さん、私達先生に呼ばれているの。悪いけれど、彼を借りていくわね。」
「あっはい…」
「それじゃあ行きましょ星乃君。」
「あっ…はい…」
しょんぼりする望月さんを残して、教室を出ていく。
…行きたくないなぁ…
彼女の後をついて行く。連れていかれた先は、屋上へとつながる扉の前。
「ここなら誰も来ないわ。」
「そ、そうですね…」
目撃者がいると困る?…やっぱり今日が僕の命日か…
「そ、その獅子堂さん。」
「なにかしら。」
「その、せめて痛みを感じないようにしていただけると…」
「…なんの話?」
「え、僕を抹殺するために呼ばれたんじゃないんですか?」
「違うわよ!」
「でも僕に、殺気のこもった視線を1日中向けていたじゃないですか。」
「殺気なんか込めてない!目つきは寝不足なのと生まれつきよ!」
僕を殺すためじゃない。それじゃあ…はっ!そうか!
僕はカバンの中からあるものを取り出す。
「…なんのつもり?」
「お納めください。」
「いらないわよ!」
「え、でもカツアゲのために呼んだんじゃ…」
「そんなことしたことないわよ!?」
「…あっこっちですか?」
そう言って板チョコを取り出す。
「だから違(ぐぅうううううう~~)…もらうわ。」
僕から受け取り、もしゃもしゃと食べ始める。
体の小ささも相まって、小動物の様で可愛らしい。
けどこれで、ミッションコンプリートだ!もう帰っていいよね。
「それじゃあ僕はこれで。」
「あうん、チョコありがと…って違う!待て!」
「ぐえ!」
帰ろうとした僕の服を彼女がつかむ。く、首が!
「あなたに聞きたいことがあるのよ!」
「な、なにかぐえっ!」
「…か、彼の…と…」
「え?なにかぐえぇええ!!」
「か、彼の事を教えてほしいのよ!」
だから彼ってだれやねん。そう言いたかったけれど、首が締まって声が出ない。
それになんだかフワフワしてきた。……
「…ちょっと聞いてる?って顔色やば!?えなんで…あ私のせいか。」
「……」
「ちょ、ちょっとしっかりして!息して!」
「……は!ここは…」
突然呼吸できるようになり、意識が引き戻された。
なんかきれいな花畑が見えた気がしたけど、なんだったんだろう。
「はぁ~よかった。もう少しであなたの言った通り抹殺するところだったわ。」
「え、こわ。」
「あなたが私の話を聞かないのも悪いんだから。…でも謝るわ。ごめんなさい。」
「僕の方こそごめん。その、ちょっと怖くて…」
「女の子に怖いって…傷つくんだけど。」
「あっごめん。」
言われてみればそうだ。しまったな、もう少し言葉を選ぶべきだった。
けれど彼女は気にしていないのか、少し困ったように笑っている。
「ふふ…いいわ、昔はよく言われたし。それよりも、彼の事を教えてほしいの。」
「僕が話せる事なら教えてあげたいけど、その…君が言ってる彼って、誰の事?」
「…お、大我 陸君。」
意外過ぎる人物の名前が出てきて驚いた。
「どうしてリクオの事を?」
「そ、その…」
「…違うとは思うけど、何かされたとか?」
「そういうわけじゃ…むしろ助けてもらったわ。」
「それじゃあなんで?」
「す」
「す?」
「…好き…だから…」
「……」
ええええええええええええええええええ!?って別に驚くことじゃないか。
あいつがモテるのは昔からだし、好意を持っている女子がいたのも初めてじゃない。
まあ、僕にあいつのことを聞いてきたのは初めての事だけど。
「そっか、へー。」
「…これ言うの結構恥ずかしいんだけど。そんなあっさり流されると泣きそう…」
「え?あーー!そっか!わーすごいびっくりだー!驚きすぎてブレイクダンスしそうだよ!」
「してみなさいよ。」
「え?!…すみません。できません。」
「はぁ…相談する人間違えたかしら…」
「うんそうだと思うよ。」
「歯を食いしばれ。」
「なんでぇ!?」
にじり寄ってくる彼女から逃れるように、壁際へと逃げる。
そのままへたり込んでいると、僕の顔のすぐ横を手のひらが通り抜け壁に叩きつけられる。
これは…壁ドン!まさか女子の方からやられるとは思ってなかった。ドキドキ…
「とにかく!あなたには彼と上手くいくように協力してほしいの!分かった!?」
「教えるだけじゃなく協力になってる!…ちなみに拒否権は…」
「え?なんだって?」
「難聴系主人公!?」
それ聞こえないふりをするときのセリフなのに、彼女が言うと脅しにしか聞こえない。
近づいてくる顔から眼をそらし、そして僕にできたのは…
「…やらせていただきます。」
そう言うだけだった。威圧感がパナイ。
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