プロローグ
何となくラブコメが浮かんだので、書いておくことにしました。
「はぁ…」
ベランダで星を見ていると、不意にため息が漏れた。
その理由は、今日の学校での出来事が原因だ。
入学式が終わり、HR。そして…自己紹介だ。どうして本人に言わせるのだろうか。紙に書いて、見せ合えばいいのに。
はっきり言って、僕は人見知りで、あまり会話が得意ではない。…友達も少ない。
そのせいもあって、全く喋れなかった。周りの人は2分ぐらい喋っていたというのに、僕ときたら…
「何だよ、星野空です…以上ですって。他の人は趣味とか言ってたじゃん…はぁ…」
そのせいで一日憂鬱だった。周りが打ち解けていく中、僕は机に突っ伏して寝たふり。
もしかしたら、誰かが話しかけてくれかも。…そんな淡い期待は、放課後のチャイムを聞いて崩れ去った。
誰がどう見ても失敗だ。きっと明日も上手くいかない…そんな不安しかない高校生活の始まり。
そのせいかため息ばかりが出てしょうがない。気分転換にベランダに出てみたけれど、それは変わらなかった。
肌寒い風が吹き抜け、腕を摩る。もう4月なのにまだ肌寒い。
空を見上げる。暗い空の中に、数多の星が輝いている。この辺りはあまり街灯もないからだろう、満天とまではいかないが、それなりに星が見える。
時折、流れ星が線を描きながら瞬き、消えていく。こんなふうに星を見るなんていつぶりだろうか。
「…そういえば、流れ星に願い事をすれば叶うだっけ?」
消えるまでに3回。…無理じゃない?
運、運、運とかなら出来るかもしれないが、それを聞かされた星はどうしろと言うんだろう。
いっそ、ドラ○ンボールのように、7個流れ星を見たら叶うとかでいいんじゃないだろうか。
それに、願うにしても何を願えば…コミュ力?
「…虚しい。どれだけ他力本願何だよ、僕は。」
星に願ったところで、叶うとは思えない。結局、自分で行動しないと何も変えられない。
そんなことを何かの本で読んだ気がする。本当にその通りだ。
まあ、それができていれば今こんな気分になっていない。でも、少しずつでも変わっていければきっと。
(…明日は少し、頑張ってみようかな。)
そんな僅かばかりの勇気を胸に、室内へと戻る。
窓を閉め、カーテンを閉じようとした時、大きく輝く流れ星が目に入る。
今も誰かが、あの星に願い事をしているのかもしれない。
どこの誰かもわからない人達が、突然願い事を言ってくる。そう思ったら、あの星が少しかわいそうに思えてきた。
「1人ぐらい、流れ星の願いを聞いてあげてもいいと思うんだけど。まあ、星が願いなんて…」
「聞いてくれるのか?」
「へ?」
背後から聞こえた声に、思わず間抜けな声が出た。
ハッとして、すぐに振り返る。
そこにいたのは、
「お前さんは、わしの願いを叶えてくれるのかの?」
謎の幼女だった。
これが、僕にとって人生を大きく変える出会いになるなんて、この時は想像もつかなかった。
不定期投稿になります。気長に待っていてください。
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