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流れ星が願い事をしてきた。  作者: スルメ串 クロベ〜
19/29

17

前回のあらすじ

おや?隣の席の子の様子がおかしいぞ?

その日は朝から大変だった。

休憩時間の度、望月さんを落ち着かせるのに費やした。

昼休み前にようやく落ち着いてくれた。…カバンをあさるのを見るたび、刃物が出てきそうで怖かった…

落ち着いて話を聞いてみると、どうやら初めての友達でテンションが上がりすぎて、ちょっとおかしくなっていたそうだ。…ちょっと?いやなんでもないです、だからペンを振り上げるのはやめてください死んでしまいます。


…そして、それとは別に気になってい事がある。それは…


「じーーーー。」

「……」

「じーーーーーーーーーー。」


前の席の子。獅子堂さんがずっとこっちを見ている。

いや見てるなんてものじゃない、凝視してるよ。視線で穴が開きそうなほど見てくるよ。

それが気になって仕方ない。こっちが見ると目を背けるし…なんなんだろう。

いやまあ普通に聞けばいいんだけど、残念なことに僕にそんな勇気はない。パラメーター全然上がらんな。バグかな?


そんなこんなで昼休み。いつもの様にリクオと昼食を取りに行く。

いつもの様に、人気のない階段での昼食。

ただいつもと違うことが一つある。それは、


「は、ははは…はじ…はじめ…」

「大丈夫だよ望月さん。リクオは見た目がちょっと怖いけど、いいやつだから。」

「そ、そうなんですか?」

「うん。かじられたりしないから安心して。」

「…おい。」

「ぴぃっ!」

「ちょっとリクオ!怖がらせないでよ!」

「っ悪い。…いや、理不尽じゃないか?」


そこに望月さんがいる事だ。

僕が教室から出ようとした時、彼女に誘われた。

しかし、リクオと約束があるし断るしかなかった。リクオの奴、断ると目に見えて落ち込むから罪悪感がやばいんだよね…


けど、せっかく誘ってくれた彼女の好意を無下にするのもしのびない。

そこでふと思いついた。望月さんをこっちに連れて行けばよくない?

そのことを彼女に聞くと、不安そうにしながらも承諾。その結果、怯えた小動物のようになってリクオとご対面となった。…可愛いな。


まあこの機会に、リクオとも友達になれれば彼女にとってもいいだろう。

リクオも友達はあまりいないし、お互いwinwinになると思う。


「改めて。この人が望月さん、この前に友達になったんだ。望月さん、こっちはリクオ。僕の昔からの友達なんだ。」

「よ、よろしく…おねがいします…」

「…ああ、よろしく。」

「……」


…もしかしてこの二人悪い?お互いあんまりしゃべらないし、沈黙がやばい。

い、いや、ここは僕が場を取り持って、盛り上げる場面だ。二人には仲良くしてもらいたいし、頑張らないと!


「さて、それじゃあ食べようか。」

「ああ。」

「はい。」


……

………

…………

……………誰かしゃべれよーーーーーーーーー!!!


なにこの気まずい空間は!?3人いて、5分も沈黙が続くってどうなってんの?!いや僕もsyばってないけどさぁ!

くっ…な、なにか話題を…!


「ね、ねえ!」

「なんだ?」「なんでしょう?」

「……今日はいい天気だね。」

「そうだな。」「そうですね。」


……………………。

……カイトーーーーーーーー!!お願いだから、この場に来てーーーーーーー!!

この二人に会話をさせる。僕には無理げーだったよ…やっぱつれぇわ…


「あ、あの星乃君。お弁当おいしそうですね。」

「え?ああうん、ありがとう。まあ、冷凍食品ばかりなんだけどね。」

「それって…もしかして、自分で作っているんですか?!」

「そうだぞ。ノゾラは料理上手だからな。」

「いやなんでリクオが答えてるのさ。」

「そうなんですか…私、料理はあまり上手じゃないのですごいです。」

「そうだな。ノゾラは昔から家庭的なところがあるからな。すごいやつだ。」


なんか急に褒められて恥ずかしい。

望月さんもお弁当だけど、お母さんが作っているのみたいだ。

リクオはいつもコンビニか、スーパーで買ってくるし。そう考えると、自分で作るのって珍しいのかも。…てかさ、


「リクオ…その見た目がやばそうなパン何?」

「…新作らしくてな。おかずもらったから代わりにやる。」

「え?あっ!ハンバーグがない!ちょっとリクオ!」

「本当ですね。すごくおいしいです。」

「望月さんも!?」


いつ抜き取ったんだ…全く気付かなかった。

知らない間に半分以上おかずが消えていた。今日は結構自信作だったのに…ぐすん。

そして押し付けられるゲテモノパン。今日は何だ?


「えーっと…青汁焼きそばパン…生クリームを添えて…」


緑色をした焼きそばと、苔みたいに所々緑色のパン。パッと見カビが生えてるのかと思った。

その上に鎮座する、存在感を放つ真っ白の物体。なんだ…これは…

震える手で封を開ける。瞬間放たれる青臭い臭いと、油とソースが混じった香り。そしてほのかに香る甘い匂い。


「……あかんやつやろこれ。」

「あ、あの…わたしが食べましょうか?」

「っ!…僕が食べるよ。」


こんなやばいものを望月さんに食べさせるわけにはいかない。

大丈夫。偉い人が言っていた。

食べ物なんて、腹に入れば一緒だって。…自炊してる身としては嫌だな、この言葉。


意を決して一口。

……うん、この会社に今度電話しておこう。

青臭い匂いに混じって、焼きそばの香ばしい味。そこにさらに、侵略者のように現れる生暖かいクリームの甘味。せめて抹茶ならまだ…いや、焼きそばを混ぜんなよ。


「うぅ…吐きそう…」

「だ、大丈夫ですか?お、お茶をどうぞ。」

「あ、ありがとう望月さん…」


ゲテモノをお茶で流し込み何とか完食する。…これ550円もすんの?え?正気?


「ふぅ…ねえ、リクオお願いだから適当に買うのやめてよね。」

「すまない。毎回ノゾラが食べてくれるのが嬉しくてつい…」

「いやもったいないし。結構高いんだから、無題遣いはダメだよ。」

「…ああ、気を付けるよ。」

「あっこれまたやるよ。はぁ…」

「…ふふ。」


僕らの会話を聞いてなのか、望月さんが笑った。


「あっすみません。その…お二人がとても仲良さげで…つい…」

「気にするな。」

「うん、そうだね。望月さんが楽しんでくれたみたいで、僕もうれしいよ。」

「そ、そうですか?」

「望月。…その…ノゾラ。」

「はいはい。ねえ、望月さん。もしよかったら、明日からもこうしてみんなで食べない?」

「…いいですか?」

「もちろん。リクオもその方が嬉しいと思うし、僕も望月さんと一緒だと楽しいからさ。」

「そ、そうですか…えっと…その…こちらこそ、よ、よろしく…お願いします。」


うつむきながらそう言う望月さん。

リクオも少し恥ずかしかったのか、頬を掻いてごまかしている。分かりやすいやつめ。

ということで、明日からは三人で食べることになった。


望月さんも、こうやって人と関わっていけば、他にも友達ができるかもしれないし、協力してあげたい。それに放っておくと、またヤンデレかしそうだし。

その後も、会話は少ないが三人でそれなりに楽しく食事ができたと思う。


「ちょっと飲み物買ってくるね。」


そう言って席を立つ。

階段を下りていくと、なぜか獅子堂さんがいた。どうしてここに?

気にはなったが、時間もないし横を通り抜けていくことにした。

しかし突然、


「待て。」

「ぐぇっ!」


そういって服をつかまれた。く、首が締まる…


「星乃…だったよね。あんたに聞きたいことがある。」

「な、なんでしょうか?」

「…昼休みももう終わるし、放課後で。予定を開けておいて。」

「今日は空手の稽古が…」

「今日は休め。」

「…はい。」


あっこれ断れない奴だな。進研ゼミで見た奴だ。

彼女は僕の服を離すと、階段を下りてい

ぐぅぅぅぅぅ~~~


「…………」

「…………」

「え、えっと…もしかしてお昼食べてないの?」

「あ、あんたが彼といるから気になったんだもん!あんたのせいだもん!」

「あたっ!?」


脛に蹴りを入れられた。僕が膝を抑えている隙に、彼女は走って行ってしまった。

…彼って誰やねん。

僕はため息をつきながら、ジュースを買い二人のところへ戻ることにした。


二人のところに戻る途中、スマホが震える。

ん?なんかメッセージが来てる。カイトから?


『なんか呼んだか?』


…ひぇ。

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