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流れ星が願い事をしてきた。  作者: スルメ串 クロベ〜
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9

前回のあらすじ

幼女、R18展開を起こしかける。

あの後、恍惚とした表情を浮かべている女生徒を保健室まで送り届けた。

…その後は、ちょっとトイレにこもる事になったが仕方がない。だって、思春期だし…

教室についた時には1限目が始まっており、入るときの視線が痛かった。


後、あのクソガキは家に帰らせた。これ以上問題を起こしたら、今後ずっともやしにすると言ったら走り去っていった。…今日はもう何事もなく、平和に過ごしたい。

…そう思っていたのにさぁ…


「星乃。職員室へ来なさい。」


担任の先生からラブコールを受けてしまった。本当に勘弁してほしいです。

仕方なく先生について行くと、先生の席へと連れていかれる。ついてすぐ説教が始まった。

まあ、初日から友人を作らず生徒指導のお世話になっている。はたから見れば問題児にしか見えないのだろう。


でも、今日のは僕悪くなくない?…いや、あの幼女を止めなかった時点で共犯か。

そう自分に言い聞かせ、説教を聞き続けていると保健室の先生が来て事情を説明してくれた。

そのおかげで遅刻した理由が伝わり、無事釈放となった。自由だーーーー!!!

…まあ教室に戻った時に、また痛い視線を受けることになってしまったが、とにかく誤解が解けてよかった。


「はぁ…」


小さなため息が漏れる。朝から色々ありすぎて疲れた…もう帰ってよくない?プール後の授業並みの疲労感だよ…

そう思いながらも、授業は聞く。これでも僕はまじめな方だ。中学の時だって、成績は割と上位を維持していたし授業態度も悪くなかった。

だから高校でもそれは維持しておきたい。…下がるとお小遣いが減りかねないし、あの事があったからあまり親に心配をかけたくない。

手の甲をつねって、眠気を飛ばす。さて、今日もがんばるぞい。





「…で、そんな疲れた顔してるのか。もぐ…これうまいな。」


昼休み。僕はリクオと屋外階段でご飯を食べていた。

この場所、あまり人が来ず穴場だと教えてくれた。明日からは、教室で寂しく食べずに済みそうだ。

周りがワイワイしてる中、ボッチ飯は泣きそうになる。


「そうなんだよ。朝から大変でさ。あっ唐揚げとらないでよもー。」

「悪い、あまりにもうまくて…代わりにこれやるから。」

「…ピーチ焼きそばパンって、そこはかとなくゲテモノ感が…」

「朝適当に買ったときにまぎれたようでな、感想を教えてくれ。」

「残飯処理じゃん!それに適当に買う癖やめた方がいいって前にも言ったでしょ…まあ、いいけど。」


もらったパンを軽く握ると、麺の隙間からにじみ出てくるピンク色の液体。

…気のせいか、なんか酸っぱい匂いが…いや、消費期限は過ぎてない。きっと気のせいだろう。

悪魔合体したパンをほおばってみる。


「どうだ?」

「…ノーコメント。」


…まあうん。食べれなくはないけど、好き好んでもう一度食べたいとは思わない。

ピーチの甘さと、焼きそばソースの酸味が合わさり甘じょっぱい味がする。…まではいいのに、なぜ紅しょうがとからしを隠すように配置した!しかも多い!辛っ!完全に合体事故だよこれ!

…捨てるのはもったいないし、全部食べるかぁ…


「次からは気を付けてね…うぅ、お茶で呑み込めない…」

「ああ分かった。それでどうだ、学校は。」

「なにその親がするような質問。保護者なの?」

「…あんな事があったんだ、心配するのは当たり前だ。」


その一言で一瞬空気が凍った。

けれどすぐに取り繕って、何でもない風を装う。

これ以上、心配をかけたくない。


「あ、あ~そっか。ありがと、でも大丈夫だから。」


あんな事。リクオが言っているのは、【僕が登校拒否になりかけた件だ。】

中学3年の秋。今は疎遠になっている幼馴染に告白して…振られた。

それだけならまだ青春の1ページかもしれないが、それだけですまなかった。ちょっとした事件に発展してしまったのだ。

結果として彼女は引っ越し、リクオは停学。僕も2週間ぐらい引きこもってしまった。

…正直、まだ引きずっている。そのせいだろうか、人とあまりうまく話せなくなってしまったのは。


「あの時は本当に…」

「謝らないでって!リクオのせいじゃないし、むしろ僕が謝るべきでしょ…推薦取り消されちゃって…」

「それこそ気にするな。俺が自分で決めてやったことだ。」

「…ありがとう。」


リクオは自分の将来を捨ててまで、僕のために行動してくれたんだ。そんな彼を責める気なんてこれっぽちもない。むしろ感謝しているくらいだ。

その後たわいもない話をして、教室に戻った。

リクオに心配かけないように、早く友達を作らないと。

そう思いながら、次の授業の準備をしていると、


「お、おはよう…!」


びっくりした…突然隣から挨拶が飛んできた。

もうお昼なんだけどと思いながらも、声のした方を見る。


望月さんが恥ずかしそうにしながら、挨拶をしていた。昨日まではされたことなかったから知らなかったけど、されると嬉しいものだ。

…後顔が近い。そんなに身を乗り出さなくても聞こえるって。隣の席なんだし。と、吐息が…

朝のこともあって、今日は女性に近づかれるのは気恥ずかしい。…またトイレに籠る羽目になりそうだ。落ち着け…


「お、おはよう…ございます。」


そう挨拶を返すと、花が咲いたように笑う彼女。

その姿が愛らしくて、思わず微笑んでしまった。

…もしかしたら、意外と早く友達ができるかもしれない。

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