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97:楽しい?夏休みの終わり

 今回は短いです。

「では、行ってきます」


「嬢ちゃん、楽しんでこいよ。お貴族様の社会は厳しだろうけども」


「はい」


 私は御者さんの見送りを受け、静かに馬車を降りました。


 視線を上げればそこにあるのは湖に浮かぶ王立学園の建物。ギィ、と音を立てて湖にかかる跳ね橋がゆっくりと下がって来て、それがきちんと岸に着いたのを確認してから、私はその上を歩いて行きます。



 歩きながら考えるのは、これまで過ごした夏休みのこと。

 お城を出てから一体何日が経ったのでしょう。あまりにも毎日が慌ただし過ぎて数えるのをやめてしまいましたが、多分一ヶ月に満たない期間だったように思います。その間にたくさんの……本当にたくさんの出来事があり過ぎましたよね。


 一番印象に残っているのは夏祭りの花火と美しい流れ星……ではなく、エムリオ様との特別な出会いや恐怖体験、アルデートさんの意地悪な笑顔でした。

 楽しく賑やかな思い出もありますが、それに比べて短期間で物騒な事件の方が多発し過ぎたようです。特に、私を連れ去ろうとした強盗やあのカルト集団のことを思い出すと嫌な気分になりました。つくづく異世界は治安が良くないですからね……。グロい光景ばかりでしたし。


 それでももちろん楽しいことはあったわけで、たった数日間のことでもなんだか懐かしく思えてくるから不思議です。


「元の世界では間違いなく体験できなかった、いい意味でも悪い意味でも特別な夏休みでした」


 ……本音を言えば向こう(日本)の夏休みも堪能したかったですけどね。


 ですがそれはまたいつか、帰れた際に取り返せばいいだけの話。

 そのためにも今日からは気持ちを切り替えて、この王立学園で必要なことを学ぶ日々を始めないといけないのですから。

 面白い! 続きを読みたい! など思っていただけましたら、ブックマークや評価をしてくださると作者がとっても喜びます。

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