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216:国王陛下からのお言葉と、護衛騎士任命の儀

 白金色の髪に灰色の瞳の西洋風美人。私の二倍ほどの身長、そして全身を包み込む鎧。

 これほど目立つ彼女の姿を忘れるはずがありませんでした。


「ニニ、ですか?」


「その通りでございます。ずいぶんとご立派になられて、誠に勝手ながら喜ばしい限りでございます」


 『光の騎士』ニニ。

 私の魔法の師にしてこの世界で一番強い女騎士である彼女が、私の目の前に立っています。


 しかしその事実が私にはどうにも信じられません。

 護衛騎士をあてがうという話の直後ですから、当然ニニがこの場へ姿を現した理由は一つしかないでしょうが――。


「ニニは王国の守りに忙しいんじゃなかったでしたっけ?」


 確か彼女自身がそのようなことを言っていた気がします。

 前線で活躍している実力者をたかが私の護衛に引き入れるなんてあり得ません。普通に考えて、あまりに不相応過ぎました。


 なのに国王様は当然のような顔で、「ただ今より護衛騎士任命の儀を始める」などと言い出すから困ってしまいます。

 ニニが膝を折り――それでも私より背が高いので驚いてしまいます――、国王様に頭を垂れます。そして私あは彼女に手で示され、国王様の前に立たされました。


「聖女ヒジリ。そなたは近く来たる『厄災』を収めるべく聖女として正式に指名する。証として聖女の杖は授けた。時が満ちた時、その力を振るい、世界を死守することを誓いたまえ」


「……えっと」


 色々聞きたいことがあるのですが、それを全て後回しにして、なんだか仰々しい儀式に参加しろということでしょうか。

 急に始められたのでついていけません。しかしきっと嫌でも参加しなければならないという気がしたので、仕方なくそれっぽい言葉を口にしてみました。


「女神様の名にかけて誓わせていただきます」


「ではそなたの護衛騎士を任命する。『光の騎士』、ニニ・リヒト、ここに」


「はっ」


「聖女ヒジリの護衛騎士とし、その身を挺して聖女を守り、力になるように。聖女の行いを正すのもまた護衛騎士としての役目であることを忘れるな」


「承知いたしました、国王陛下。聖女様を全力でお支えしてまいります」


 鎧の金属音を鳴らしながら、ニニが私の方に体を向け、手にしていた騎士剣を私に手渡してきます。

 すらりとしたロングソード。それは彼女から魔法の稽古を受けている最中、何度も目にしてきたものでした。


「いついかなる時も聖女様の剣となるよう励みますので、どうかよろしくお願いいたします」


「……わ、わかりました。こちらこそよろしくお願いします」


「聖女様にお仕えすることができるなんて、ありがたき幸せでございます」


 ああもう、一体何がどうなっているやらわかりません。

 あとできちんと詳しく説明してもらわなければ。

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