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201:ジュラー侯爵邸での日々

 本当に久々の更新です!!

 第3章スタート。他の執筆の都合上毎日更新は難しそうなので、月水金のペースで更新していけたらと思いますのでよろしくお願いします!

「ヒジリ様、お茶をいたしましょう」

「はーい、わかりました」

「ヒジリお嬢様ッ! 背筋を伸ばして歩いてくださいませと何度も申しておりますでしょう」


 ジュラー侯爵邸は、今日も平和です。

 美しくて穏やかなナタリアさん。厳しいメイドのメイジー。

 二人に囲まれながら、私はお茶を楽しみます。


 とても楽しくて、幸せで、のんびりと過ぎていく時間。

 それをたまらなく愛おしく感じるようになっていました。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ジュラー侯爵家の養女となってから二ヶ月以上。

 すっかり侯爵令嬢として扱われる生活に慣れた私は、ジュラー侯爵家での日々を満喫中です。


 もちろん、家に帰りたいという気持ちは今でもきちんと残っています。

 しかしここはあまりにも居心地が良くて、うっかりすると忘れてしまいそうになることも。


 気をしっかり持たなければと思いつつ、ナタリアさんの優しさについつい甘えてしまうのでした。


 もちろんナタリアさんとだけ過ごしているわけではありません。

 メイジーをはじめとしたジュラー侯爵領の人々との仲は良好ですし、仲直りして以来、時折セルが訪ねて来てくれるようになりました。


「来てやりましたわ、ヒジリ!」


「セル、今日もエムリオ様とのお話聞かせてくれます?」


「もちろんですわよ。むしろどんどん聞いてくださいまし」


 ジュラー侯爵領で採れた美味しい茶葉を使った紅茶を啜りながらセルと談笑します。


 彼女は非常に楽しそうで、話題はただの惚気なのに聞いているこちらまで楽しい気分になれました。恋バナというのは意外にいいものかも知れません。

 かつて恋人になりかけたエムリオ様ですが、彼が無事にセルと幸せになれることを願わずにはいられません。もしもまた浮気なんかをしようものなら私が尻を叩かなければなりませんね、なんて思ったりしていました。


 この世界に大きな厄災が降りかかるなんて本当なのでしょうか。

 そもそも厄災が何かはわかりませんが、地震や津波といった災害の類を聖女の力で防げるとは思えないので、魔王的な存在の可能性が高いでしょう。けれど全くそんな兆しは感じられず、周囲の人々も不安で縮こまっているようには見えません。


 聖女なのにただただこんなスローライフを送ってしまっていいのか、なんて思いつつ、いつまでもこの平和が続けばいいのにと願わずにはいられません。


 ――静かな日常が崩れるきっかけになるのがジュラー侯爵家へ届いた一枚の手紙だなんて、私は考えもしませんでした。

 面白い! 続きを読みたい! など思っていただけましたら、ブックマークや評価をしてくださると作者がとっても喜びます。

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[一言] 不穏な引き!w
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