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157:準備は整った

「さようなら。ありがとうございました」

「ごきげんよう。また機会があればご一緒いたしましょう、聖女様」


 私はナタリアさんから渡された羊毛紙を大事に握りしめながらジュラー侯爵令嬢と別れ、早速ミランダさんの元へ向かいました。

 そういえばミランダさんも名前で呼んではいけないのですよね。ああ、面倒臭い。


「ああ、一応確認ですけどアルデートさんは名前で呼んでもいいですよね?」


「先ほどのジュラー侯爵令嬢の話を聞いていただろう」


「でも私たち、利害関係のない協力者ですし友人みたいなものだと私は思ってます。それにアルデートさんは嫌がってなかったでしょう?」


「その通りだが」


「ならこれからもそう呼ばせてもらいますね」


 そんなことを言っているうちに、いつもの空き教室に到着しました。

 そこにはセデルー公爵令嬢がじっと座って待っていました。


「サオトメ様、ナタリア嬢とのお話はどうでしたか? ナタリア嬢のことですからきっと悪いことはおっしゃらなかったと思いますが」


「有力な情報を入手してきましたよ。……もしかしてですけどセデルー公爵令嬢はジュラー侯爵令嬢とお友達なんですか?」


「ええ。一年ほど前から仲良くさせていただいておりますよ」


「そうなんですか」


 それならもっと早く協力してくれても良かったのに……と思いましたが、確かにいくら友人とは言えど面倒ごとに足を突っ込んでいるところに手を貸しにいくのはなかなかに難しいのでしょう。それでも私たちに協力してくれたということは、それなりに彼女にとっても利があったからなのかも知れません。


「サオトメ様、ナタリア嬢から渡された有力な情報とは?」


「学園に通う生徒たちの大まかな相関図、そしていじめを行った人物とその場所について、ですかね。これらを元に調べれば証拠はすぐに上がるだろうとジュラー侯爵令嬢が」


「わかりました。さすがナタリア嬢、私の方で調査がついていたものの二倍以上はありますね。これでサオトメ様を虐げた者たちに言い逃れをさせずに報復を行うことができるでしょう。では私は証拠集めをしてきます」


「お願いします」


「これで相手の足取りはほぼ掴めた。後は俺たちの告発で貴族社会がどう傾くか……だな」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 翌日の昼休み、セデルー公爵令嬢が「準備が整った」と言って私の前に現れました。

 数々の証言、証拠。覆しようのないそれらを前に、私は大きく頷いて言います。


「では、学園長室に行きましょうか」

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