2
黙って頷くと、ノートを取り出して、また、くるりと丸をつけた。
「ライトノベルがお好きなんですか?」
「あー.......。書くのも読むのも」
顎に手を当てて、ふと考える。
ぶっちゃけライトノベルに限らず本は基本的に大好き。出版社から出されているものも、投稿サイトに上げられた小説なんかも好き。なんなら自分で書くし、投稿もする。
最近の流行り分野は知っといて損は無いと思うため、授業の兼ね合いで題材にする事を決めた。
「そうですか。書いたら何処かの新人賞に投稿してみると良い」
「あ、いや、お言葉は嬉しいのですが、プロになるつもりはないので」
そう丁重に頭を下げると、得意げに笑っている。同士を見つけたと言わんばかりの笑みだ。言っとくが、先生と並ぶ程の技量は無いので、同じ土俵には立てない。期待した分、落胆もデカイですよ? 先生。
ネット上の相手とは顔を合わせることはほぼない。でもこうやって自分の行動を素直に認めてくれるのは本当に励みになる。
「まぁ、このご時世厳しいですからね」
「はい、本当に」
そう言って後ろを振り返る。詠利が待ちくたびれたような顔をして待っていた。
高校の時はプロになりたいなぁ。なんて思ってたり。
でもプロにはプロの苦悩があると思うので、今ぐらいが丁度いいと思う今日この頃です。
追伸
明日からようやく序盤です。
恵美、拡散しようとしてます。