論文考察
教室に着いた。床に固定された長机と椅子。地震が起きた時でも飛ぶことは無いが、如何せん着席までが面倒。椅子の後ろを通ることも難しい。中の人が出るには、再端の人が一度出なくてはならない。そんな凝り固まった狭い教室の中で、ルーズリーフを広げて考え込んでいた。
垂れ幕からスライドが移り変わり、先生が解説をしている。しかし授業内容は右から左へと流れていく。ぶっちゃけ、何を言っているかもよく分からん。すると。
「今回は好きなテーマで論文を書いてもらいます」
「好きなテーマって事はなんでも良いんですか?」
「じゃないと書けないので」
ノリのいい先生だ。私は一度瞬きをして、ルーズリーフの端に小さく文字を書いた。『ライトノベルの研究』っと。私の趣味とも噛み合うし、悪くない気がする。
授業後、先生から言質をとるために、声を掛けた。見掛け四十代中盤、毎日パソコンを弄っているせいか、眼鏡をかけている。私が近付いていることに気が付いた彼は、コンセントを引き抜くと、首だけを此方に向けた。
「何か質問が?」
「なんでもって事は、ライトノベルの研究でも?」
「良いですよ」
眼鏡の奥の双眸がキラリと光った。どうやら興味を持ってくれたらしい。
彼は言わずと知れた現文の先生である。日々文字を研究し、一文を深く考察して、論文を書く。そんな彼だがライトノベルは文学から離れる、という認識は持って居ないようだ。
今、異世界転生とか転移ものって流行り分野じゃないですか。あとハーレムとか。
やっぱりそう言ったものって、突然流行りだした訳じゃないんだなって事を、これで知りました。
(きちんと理由付けもありました)
余談ですが。
読者様に対し、何時でもフェアでありたい作者です。
最近の私は、貴方様、読者様にとってフェアで投稿出来ておりますでしょうか?
例えばあらすじ、タグ付け。
特に投稿した短編における起承転結。注意書き。
嘘書いてるな。と思われたら申し訳ありません。