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小説に対する好奇心の色が消え失せた。双眸に怒り。全てを焼き尽くす怒りの目。.......ネットで好きな作家が叩かれていたのかも知れない。
思わず黙り込む。私の小説は決して身を粉にして、書きあげたものじゃない。ただ趣味で書いているだけ。それでも同様に思ってくれているだろうか?
「それが金太郎飴の如く、ぶつ切りであっても.......?」
「あんたの小説は確かに荒削りだし、ぶつ切りだけど、なんだか癖になる」
思わず口を真一文字に引き結ぶ。作者自身が思っていることは読者には筒抜けである。とゆか、客観的に見ているが故に、欠陥もきっと見つけ易い。
「癖になる.......ねぇ」
「かんつーかな、自由に好きなシーンを元に書いてるからか?」
中身を飲み干したのか、ざらついた音を立ててストローを啜る。紙パックを上下に振り回して、完全に無くなったことを確認したあと、ゴミ箱に捨ててきた。それからまたルーズリーフに目を向ける。
描かれているのは荒削り極まりない文章。それでも髪を逆立てて、食い入るように見詰めている。
「良いね。作者自身が性癖を抉り尽くす小説は」
誰も聞いてない私の書き方
影響を受ける→単語レベルで分解→再構成、見えた世界を書く→調整
って感じです。そうやって個性出してきます。
癖になる程の描写が出来ません。
好きな作家さんとか、その癖が好きなんですよ。
擬音の使い方とか、表現方法が。
でも真似しただけじゃ、物凄く陳腐になるという。
この頃はまだ「性癖を抉っていた」時代。