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胸の前で掌を見せると、黙って頷いた。今までの強烈な圧はない。ほっとして、コードを束ねだすと大人しくその姿を眺めている。無口を貫いているが、早く寄越せと言っている。

.......あまり待たせない方がいいかも知れない。内心冷や汗をかきながら、そそくさと自分の席に戻ると、クリアファイルに挟まっている幾つかのルーズリーフを押し付けた。

「まだ未完。全然分量も書けてない。読者のことを考えてないから、凄い自己満足。だから.......」

「ありがとう。授業サボって読むわ」

詠利は私からファイルを受け取るとチャイムが鳴った。

授業中、教科書を片手に横目で詠利を見る。彼女はバレないように、受け取ったメモ紙を机の下に隠していた。右手でペンを動かしながら時折左手が悪さをしている。机の引き出しか出して、チラチラと目線を向けている。

内心気が気じゃない。先生にバレたら没収ものだし、未完だし。何より人の事を考えて書いてない。だからあんまりキツいことを言われるのは困る。

今日の授業は苦手な英語な事もあり、余り耳に入らない。早く終わってくれないかな.......。

授業後、神経をすり潰した私のメンタルは大分ボロボロだった。机の上に突っ伏していると、ぽすりと薄いものが頭上に乗った。顔を挙げずに下敷きのようなものを受け取ると、詠利が前にいた。怪訝な顔をしている私に対し、したり顔を向けている。

「良いね。でもあたしは鈍いから逐一説明して欲しい」

私は目を丸くした。

自分の小説に自信とかある訳無いんですよ。

ルーズリーフに書き留めただけだし、なんかの交流になればと言った一言なので。


でも、サボって読む という一言はそれなりに刺さってそうですね。

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