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第六話「石碑からの」

あらすじをちょっと編成しました。

 グオット村の中央。

 そこには白龍シュガリエを模した石像が設置してある。村のシンボルである石像だが、ただの石像ではない。ドラゴンの右目。そこだけが空洞になっている。

 仕掛けつきの石像だ。

 その空洞に巫女の家系に代々伝わる【白龍の宝玉】をはめ込むことで、石像は動き出し、地下へと続く階段が姿を現すのだ。


 ドラゴンの巫女は、大昔からずっとそこで村に大いなる加護を与えてくれるように、シュガリエへと祈りを捧げる。

 人が十人程度入れる空間に、地上と同じくシュガリエを模した小さな石像と大昔ならば豪華という言葉が似合う祭壇があるだけの場所だが……その奥にはまだ部屋がある。

「わー、近くで見ると大きいね」

「これほどの石像。私の屋敷でも見たことがないわね。しかもこれかなり昔に作られたんでしょ?」

「うん。私が知ってる限りだと、この村ができる前からあったとか」


 朝食を食べ、体調も万全。

 シルビア達は、地下にある部屋向かうべくドラゴンの石像を見上げていた。遠くから見ても大きかったが、目の前で見ると見上げるほど大きい。

 シルビアやシャリオと比べれば、二倍、いや三倍はあるか? ともかく巨大な石像だ。


「それで、それが【白龍の宝玉】ね」

「うん。代々家に受け継がれてきた……これをそこの窪みにはめ込むとこの石像が動くの」


 ミミルの手にあるのは彼女の瞳と同じく金色に輝く瞳のような石。

 一呼吸いれ、ミミルは石像の台に上り、宝玉をはめ込む。

 すると、宝玉は眩い光を放ち石像が揺れる。

 

「おー……本当に地下室がでてきたよ、お姉様」

「これほどの技術が昔にあったとは……」


 今でこそ文明は大きく発展しているが、昔はそれほど文明が発達していなかったとどの資料にも記されている。

 その中でも、人ができる技術ではないと言われている異物。

 それが古代遺産。シャリオの【王の魔力】により動く古代兵器もその内のひとつだ。おそらくこの石像の仕掛けもそうなのだろう。


「行こう、皆」

「くー! なんだかドキドキしてきたよー! 特定の人しか入ることが出来ないところに入るのってどうしてこう胸が高鳴るのかな!!」

「それが人ってものだからじゃない?」

「おぉ! いいこと言うね! ピアナちゃん!!」


 石造りの階段を一段一段下り、地上の光が見えなくなった頃。

 

「灯りが」


 突然周囲が明るく照らされる。まるで、誰かが来るのを察知したかのように。照らされた空間。そこには地上にあるシュガリエの石像よりも小さい石像と祭壇があった。

 

「ここが祈りの場か……それで、ドラゴンについての情報が記されている石碑があるのが」

「あの奥だと思う。だけど、私の記憶だとそんなものあるなんて聞いたこともない」

「だが、それはシュガリエをその身に宿す前。もしかすれば、今ならば」


 まだ少し不安があるのか。その場に立ち尽くすミミル。

 だが、ユネが大丈夫と手を繋いだ。


「……あっ」

「ミミルの目が!?」


 二人で祭壇へと近づいていくと、ミミルの眼帯から光が漏れる。急いで、眼帯を外すとより光が強くなり、祭壇の裏にある壁が呼応する。

 祭壇は横にズレ、壁に穴が空いた。


「やはり、ドラゴンの力に反応するのか」

「この先に石碑がある、のよね」

「うわー、でも真っ暗だよ? それにまた階段があるし」


 ここに下りてくる時よりもずっと暗く、ずっと長そうな階段だ。

 

「ううん、大丈夫だと思う」

 

 ミミルが一歩階段を踏むと、一斉に通路は明るくなった。暗かったためどこまでも続いているように見えたが、十数歩ほど下りれば辿り着くほど短かったようだ。

 そして上からでも石碑が見える。それほど大きくはなく、壁に埋まっているようだ。


「……うん! なんて書いてるかわからん!」

「み、右に同じく」

「なんだか適当に書いた感じがするね。お姉様はわかる?」

「我輩もわからない。だが、ミミルならばわかるのではないか?」


 ここはドラゴンに関する情報が記されており、巫女が祈りを捧げる場と繋がっていた。何よりもここにはシュガリエの力で入ることができた。

 もしかすれば。


「……」

「ミミル?」


 何か様子がおかしい。

 どこか遠くを見詰めているようなそんな瞳。ミミルは、ゆっくりと石碑に近づき……触れた。

 刹那。

 石碑全体が輝きだし、シルビア達を包み込む。


「くっ!? ……な、なんだこれは」

「お、おお!? これは所謂過去の記憶ってやつですかな!?」

「ドラゴン同士が戦ってる?」


 気がつけば狭い空間から広々とした空間。それも空中にシルビア達は立っていた。そして、足下では二体のドラゴンが激しい戦いを繰り広げている。

 純白のドラゴンに漆黒のドラゴン。

 おそらくあれは白龍シュガリエと黒龍ブラゴラス。ただその二体が戦っているのではない。二体とはまた違うドラゴンと戦っているようだ。


「な、なにあのドラゴン……それに」

「ドラゴンさん達がいっぱい倒れてる……」


 多くのドラゴン達が、翼を捥がれ、腕を失い、足を失い、戦場に倒れている。おそらくシュガリエとブラゴラスが戦っているドラゴンにやられたのだろう。

 まるで、破滅を呼ぶドラゴン。

 しかも、そのドラゴンの背後に邪悪に染まった太陽のようなものが浮遊している。


「……ぐっ!?」

「ユネ?」


 過去の映像を見ていると、ユネが苦しみ出す。

 どうしたんだ? とピアナが声をかけた瞬間、元の空間へ戻った。


「はあ……はあ……す、すみません。なんだか気分が悪くなってしまって」

「だ、大丈夫? ユネちゃん」

「ミミルはなんともないのであるか?」

「うん。私はなんとも……それよりもここから早く出よう。ユネちゃんが心配だから」

「す、すみません」


 シルビア達が見た映像。

 かなり衝撃的で、もっと知りたい欲が湧いてくるが、今はユネが心配だ。急いで地下から脱出したところ少しは楽になったと、いつもの調子で笑うユネであった。

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