チュートリアル!!
※あらすじを見て下さい。
「おめでとうございます。貴方は我が国エンプレイに匹敵する実力がありユーザーネーム爆雷をこれによりゲーム大国エンプレイに招待する」
僕は今日、今まで夢の中の夢だと思っていたプロのゲーマーになる事が出来た!
僕達の国はパシフィストと言い日本語で平和主義者と言う。
そして、名前の通り僕達の国では世界で一番の平和主義者国と言ってもおかしくない。
なぜなら、経済はとても安定して、犯罪者などもこの国には現在一人もいないとも言われているから。
しかし、今から約百年前の僕達の国はこの頃世界一のゲーム大国と呼ばれており世界中からパシフィストに来日していた。
ただそれが原因となって、パシフィストの各場所でゲームの原因でトラブルが頻繁に起こり始め、パシフィスト初の殺人事件まで起こった。
当時の政府が今後パシフィストはゲームへのプレイ、開発、設置場所をとても厳しく制限した。そして、世界中から来日していた国々の人達を次々と追放した。
それがきっかけとなり活気に溢れていたパシフィストは、僅か三十年近くでパシフィストの世界から見た印象は奈落の底へと沈んでいった。
それ以来この国は平和主義者を大事にし、この国が平和になるならば何をしても良いと政府が決定した。
もちろん反対者がデモを起こしたりもしたが平和の為との理由でデモを起こした人達は容赦なく罰せれた。
それから四十年近く反対者達のデモは尽きることはなくついに政府達が決断した。
「ゲームへの制限を全て取り消す事をここに誓う」
そうして再びパシフィストはゲーム大国へと一歩ずつ歩んでいった。
国民へのお詫びとして政府は、ゲームに関して特に優れているゲーム好き達に夢や希望を与える為技術者達に、ある異世界ゲームを作らせた
「エンプレイ」と言われているこのゲームは仮想空間などではなく、実際に自分がエンプレイと言う世界に招待されプレイヤーとして生活しゲームが得意な人ほど豪遊が出来てしまうゲーマー達以外にも夢や希望を与えたゲーム。
エンプレイが出来て三十年が経った今もゲーマー達は夢や希望を持ち続けて懸命にゲームをプレイしていた。
これに関して反対する人もいた。例えば
「ゲームとかいうくだらない遊びなどに人生を捧げるなんて馬鹿だ」「勉強が出来ないクズな奴の事だろゲーマーとか」
それに対して
「自分の好きな事にここまで本気になれるなんて凄い!」「ゲームの事を知らない奴が何言ってんだよ」
など、とても賛否が別れている。
そして僕もこのエンプレイに夢や希望を与えられた一人のプレイヤーだった。
俺は今日招待された…一生懸命になってやってきた事がやっと報われるこの瞬間ほど嬉しい事は無かった。
「ユーザーネーム爆雷さん。ようこそゲーム大国エンプレイへ。まず落雷さんの初期ステータスへの級を確認しますのでこの招待状に息を吹きかけてみて下さい」
僕の家のポストに入っていた茶色い封筒を開くと入っていた紙から綺麗な女性の声が喋った。
言われるがままに僕は招待状に息を吹きかけてみると招待状の紙から大量の煙が浮き出てきた。
「…!?何これ!?わぁ………わぁぁぁぁあ!!」
みるみるうちに部屋中に煙が溜まっていった。
「初期ステータスロード中初期ステータスロード中…初期ステータスへの級のロード完了しました。ユーザーネーム爆雷さんの初期ステータスへの級は」
「超初心者ゲーマーです。では今からエンプレイへの転送準備へ入ります」
今言っていた超初心者ゲーマーという言葉にすこし戸惑いを感じたけれど、これが悪いとか良いとかよく分からないからリアクションにとても困った。
そして数分待つと招待状から放たれている光の強さがだんだんと強くなり始め…僕は真っ白な世界の空間に一人ぼっーと立っていた。体には異変はなく体が重くなったりとか小さくなったりとかは全くなく、この真っ白な世界から何処かへ連れられているとしかかんじられる事は無かった。
気がつくと僕は見知らぬ場所に立っていた。
右を向くとずっと続いているんじゃないかと思うほど細く長い一本道が続いていた。左を向くとこちらにも細く長い一本道が続いていた。その道のまわりには広大な草原が広がっていた。遠くには何やら建物が建っているのが分かった。ただその建物が何の建物までかは分からなかった。
しかし一つだけ分かった事がある。ここはきっとエンプレイだ。
それにしてもこの細い道には僕以外に誰もいない。もしこのままだと僕はどこにも行けずに終わってしまうんじゃないか?
すると遠くから車らしきものがこちらに向かってきた。僕は咄嗟に手を上げた。その車は僕の少し後ろで停車した。
「あの!聞きたい事があるんですが…」
止まった車の所へすぐに行き運転手に向かって言った。その運転手は見た目は僕よりも十歳ぐらい年上だと判断した。ちなみに僕の年齢は十七才。
「悪ぃけど今は急いでいるんだ。何か聞きたい事があるんなら乗ってから言ってくれ」
その運転手は急いでいるのにも関わらず僕を車に乗せてくれた。
「あの、ありがとうございます」
僕は車の助手席に座った。車の中を見渡してみると後ろの席には金色のトロフィーがいくつも横倒しになって置かれていた。
「俺の名前はセノーテだ。俺はこの名前を自分のユーザーネームとして使っている。悪ぃが、本名は誰にも言わない主義なんだ。いくら実力が俺よりも上だといっても教えるつもりはない。で、あんたの名前は何だ」
「僕の名前はユーザーネーム爆雷です。」
「それじゃあ階級は?今爆雷は何級だ?」
階級という分からない単語を聞き僕はなんと答えていいのか分からなかった。しかし最初僕は超初心者ゲーマーと言われていたのでもしかしたらそれが階級の事なんだろう。
「僕は超初心者級ゲーマーです」
するとセノーテさんは高笑いし僕を見た。何がそんなに面白かったのかが分からなかった。
「何だよ!超初心者級って!!あぁ…腹痛い」
「えーと……どうかしたんですか?」
状況が全くのみこめない僕は先程行った事が少し恥ずかしく感じた。
「もしかしてお前…ここに来てどんくらい経つ?」
「数分前に来たばっかですが…」
「それじゃあまだここの事は良く理解できていないみたいだな。本当は急いでいるんだが仕方がねぇからお前を案内してやるよ」
「ちなみにセノーテさんは何級なんですか?」
するとセノーテさんはニヤリと笑った。
「俺は異人級プロゲーマーだ。まぁ今はどんくらい凄いとか分かんねぇだろうけど後々説明されると思うからそん時に自分がどの級なのかも確認しときな」
異人級…聞いた時僕はこの人がとても優れている人だと悟った。
「あ、そうだお前は何のゲームをメインとしてプレイしてるんだ?」
「僕は…」
「もしかして自分の得意ゲームのジャンルが分からないのか?色んなのがあるだろ、ここでは有名な音ゲーやアクションゲームとかよ…まぁ、今後自分が見つけていくっていうのも一つの手だがな」
僕に得意なゲームってあるのだろうか…セノーテさんみたいな初対面の僕にこんなに優しくしてくれる心が…何考えてんだよ僕。得意なゲームと優しい心とか今は全く関係ないじゃないか。
「もし良かったら―」
途中でセノーテさんのポッケの中に入っていたスマホが鳴った。セノーテさんはポケットからスマホを取り出し着信相手が誰からかなのか確認すると少し驚き電話に出た。
「あ、はい。分かりましたすぐに行きます。」
偉い人からなのだろうか、その口調はとても真っ直ぐな声だった。
「少し急ぐから気をつけろよ」
それだけを言うと車のスピードがとてもつない速さになった。今まで見れていた景色が早すぎてなんとなく草が生えているなとしか捉えることが出来なかった。
「ふぅ何とか間に合いそうだな」
数分間僕は死にそうになったが何とかそのスピードに耐えれた。しかし頭への激痛で倒れそうになったが。
「悪かったな。俺の用事でこんな無茶に付き合わせてしまって」
自分でも悪いとは思っていた事に僕はとても驚いた。
気がつくと僕が窓から見た景色は百八十度変わっていた。目の前には大きな門が建てられていた。
そしてその奥には家らしき建物や教会のような建物まで建てられていた。まるでゲームの中に入っている感じになった。
何より驚いたのが予想以上に人が多くそれぞれ格好は違っていた。鎧をまとった人がいれば全身真っ黒な服を着ている人もいた。
「ここが…エンプレイ…」
「じゃあここで降りるか。」
「あの、セノーテさんの用事って何だったんですか?」
すると少し困った表情をしたので聞いてはいけない事だと思ったけれどセノーテさんは頭を搔きながら答えた。
「実はな今からエンプレイの現帝王キイ帝王のイベントがあるんだがその件についての助っ人として呼ばれたんだ」
よく話の意味がわからなかったがきっとエンプレイのリーダーが何かをするという事だけは分かった。
「それで、何の助っ人何ですか?」
「それは俺の口からは言う事が出来ない」
つまりまわりには秘密という事。それだけ知られてはならない事だと分かった。
「分かりました。それで僕はどうすれば?」
「少しの間ここらへんで待ってくれ。そんなに時間はかからないはずだから」
そう告げるとセノーテさんは門をくぐり奥へ走って行った。
けれど僕はキイ帝王という人物を一度見ておきたかったのでセノーテさんが走って行った方向へ僕も走った。
少し走ると大広場にでた。下を見ると床が土からレンガに変わっていた事に気づいた。
大広場の一番奥から大きな歓声と拍手が聞こえた。
僕はその方向へ行ってみるとそこには何百人ともいえる人が上を見上げでいた。皆が見ていた方向には目を向けるととても綺麗で豪華な建物が建てられていてそのベランダから黒の服に赤いラインが入った服を着た男性が出てきた。
その途端先程よりも大きな歓声、拍手が鳴り響き四方八方からトランペットの音が広々と鳴り響いた。
後ろを振り返ってみると僕の後ろにも人がたくさん来ていた。その人を見て泣きだす人もいた。
僕はその男性を見てすぐに分かった。彼がこのエンプレイの帝王キイだという事を。
「凄い…」
彼を見て発した言葉はその一言に尽きた。
「全プレイヤーの人達に告げる。只今より異人戦を開始する!」
キイ帝王はそれだけを言うと部屋に戻っていった。僕の勘違いかもしれないがキイ帝王が一瞬僕を見た気がした。
今ここは歓声で全てが包まれていた。僕にはまだなんの事かが分からなかったが異人という言葉に聞き覚えがあった。
セノーテさんが異人級と言っていた凄さが少し分かった気がした。
「彼は一体何者なんだ…」
最後まで読んでいただきありがとうございます!
「俺の前世や過去って何なんでしょうか?」が終わった訳ではありません!