ギルドマスターメイレVS海賊八王の一人、『金剛』
できましたー!
街から離れた開けた場所に一人の陰陽師と巨人が対峙していた。
その巨人『金剛』は威圧を加えた鋭い目でその陰陽師に睨み付け、陰陽師メイレはその威圧に何事も無いようだった。
「黒髪に黒目……てめぇが地球人、日本人かぁ!?」
「確かに私は黒髪に黒目ですが日本人ではありませんよ?」
「そぉか。なら日本人は何処にいる?」
「それを私が話すとでも?」
「あぁぁぁ!?何で日本人を、地球人を守ろうとする?あいつ等がしたことはわかってんのかぁぁぁぁ!?」
「知ってますよ?これでもギルドマスターですから地球人がやったことは全て頭に入ってます」
「ならぁ!何故っ!?」
「地球人が全員が悪いとは思っていませんよ。心優しい人もきっといるはずです」
「んなわけねぇだろうが!」
「地球人も私達も同じですよ。それに貴殿方が今やってるのはあの時の地球人と同じですよね?」
「このもやしやろぉぉぉぉぉぉ!!!」
地球人と同類にされたくなかったのかメイレのその一言で『金剛』を怒らせるには十分だった。
『金剛』はその丸太より倍以上に太くそして長い拳をメイレに向かって放たれる。もしここに第三者がいれば例えSSSランクでもその放った拳の速さは認知できなかっただろう。
しかし、メイレは瞬時に反応することができた。
「『守護、急急如律令!』」
「ぬぅっ!?」
目の前には五芒星が描かれた壁によって『金剛』の拳を受け止めた。
『金剛』はその壁は先程の拳では突破できないとわかったのか空いたもう一つの拳に魔力を籠めて放った。
パリンッ!!!
五芒星の壁は砕け散りそのままメイレに襲いかかっていく。しかしメイレは表情を一切変えずに次の一手を出す。
「さあ、出番ですよ!『村正』!」
『頑張るしぃ~!!』
メイレの手から一刀の妖刀が現れる。それは刃が紫色で毒毒しい。しかしそれに変わって妖刀、村正本人はかなりギャルだった。
村正を迫る『金剛』の拳を斬り裂こうとするがそれと同時に『金剛』も反応していた。
「ぬぅぅぅぅうん!!!こい!『金剛杵』!!!」
『応っ!』
『金剛』の手には雷を帯びた五鈷杵が握られていた。その両側から白い雷が暴れまわっている。
そのメイレの村正と『金剛』の金剛杵が衝突した瞬間、膨大なエネルギーが辺り一面に発生し、天候も雷雲が立ち込めエネルギーが発生しているところへ何度も落ちていた。それは大爆発ではあるが人によってはそれが幻想的な風景ともなっている。
「『金剛杵』といえばかつて神インドラの武器でしたか。」
『でもうちらも負けてねーし!メイレ!うちも頑張るし!』
「ほぉぅ……『村正』か!」
『中々つえぇじゃねえか!久々に暴れられんぜ!『金剛』!』
そしてメイレと『金剛』の激戦は繰り広げられる。『金剛』の名の通り生半可な攻撃は一切受けない。だからといってメイレ自身も負けていない。だが本来全力ではない。いや全力で戦えないのだがそれでも互角の戦いをしていた。全力で戦えないのは街の結界を張っているからだ。それを『金剛』は気づいていた。
「結界を維持しながらこの実力はすげぇな。全力じゃぁねぇだろ?」
「そうですが、それは貴方もでしょう。……何を企んでいる?」
「実はよぉ、俺の仲間に結界とかをすり抜ける奴がいるんだよなぁ!」
「……っ!?まさか!!!」
「そうだよ、もう既にあの結界の中だ!」
「……面倒な事をしてくれますねっ!」
「さぁ!本気で殺し合おうぜ!!!」
『金剛』はさらに身体から想像絶する力を溢れだした。
メイレは焦った表情をしながら村正を構えて戦いを始めるのだった。