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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
異世界に迷いこんだ者達
69/71

迫る敵

できやしたー!






ハクが悠を間一髪で守った頃、街一番の高い建物の屋根上に一人の中性的な人物が日が傾いた空を見ていた。その人物、男はギルドマスター、メイレ・ベルアータは何かを感じ取っていた。何か大きな存在がこの街にやってくると。



「ギルドマスター、海から一隻の大型戦艦が現れたにゃ!」


横から現れたのは副ギルドマスター、トーカだ。


トーカは美少女の様な容姿をしているが男だ。

彼は普段のギルド制服ではなく武装をしていた。後ろから見ればドレスの様に見える防具だがこれもしっかりとした物だ。そして猫耳とピンっと立ち尻尾は装備で隠れてはいるご同じだろう。


それにしても一隻の大型戦艦を見て焦っているトーカに少し嫌な予感を感じていた。


「トーカ君、その戦艦は……国のかい?それとも……」

「間違いないにゃ……あの戦艦は非正規のにゃよ。それにあの戦艦に描かれた黄色のマーク……あの『金剛』にゃ」

「……『金剛』、ですか。間違いなく……」

「日本人……悠の命を狙ってるにゃよね」


空から1羽の小鳥がメイレの差し出した指に止まる。


「奴等がここに到着するまで約10分はあるにゃ」

「……いや、そんな時間は無いみたいだよ。」

「にゃ?」


小鳥との情報とのやり取りを終えたメイレは苦笑いしながら海の面している海岸へと目を向けた。


「ほら、よく見て」

「……にゃっ!?!?」


トーカは驚きを隠せなかった。


その大型戦艦はまだ小さく見えるがその前には一つの何かが海の上を走っている。通った後は大きな水飛沫を巻き上げておりその異常さが伺える。


「あっあれは!?!?」

「海の上を走っているのが『金剛』本人だよ。確か巨人族だね。いや~、でかいねぇ~」

「にゃにゃ!?何呑気な事言ってるにゃ!あんなスピードで迫ってきてたらあと3分もにゃいにゃ!!!」

「大丈夫だよ。……もう既に仕掛けてるから」


ドドドドドドドォォォォォォォォォォォ!!!!!



言葉が終わった瞬間、迫ってきた『金剛』の場所から幾つもの爆発が起きる。それはメイレが生み出した小鳥と小魚の形をした護符によってもたらされたものだ。


その威力は大きな水の柱を生み出す程だった。


だが……。


「にゃにぃ!?」

「さすが海賊八王の一人だね。あれだけの爆発でも足を止めないなんて」

「感心してる場合かにゃ!?」

「そんな怒らないでよ~」

「……EX(規格外)の人等はかなり感覚がおかしいにゃ……」

「お褒めに預かり光栄だよ」

「褒めてないにゃ!!!」


『ウォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!!』


『金剛』はその場から高く飛び上がると街に向かって落ちてくる。だがメイレは涼しい表情だ。なにせ……。



ガギィィィィィィィインンンン!!!!


『ぬぅ!?』


街全体には大きな結界が張られており『金剛』の拳を受けても傷一つつかなかった。


「じゃ、トーカ君。僕は『金剛』の相手をしてくるよ。後はミィーミアちゃんとでよろしくだよ」

「わかりました」

「にゃ!?いつの間に!?」


トーカの横には一人の魔族の女性、ミィーミアが気配無くそこにいた。


「最初からいましたよ?」

「この人確か元SSSランクにゃよね……場違いな気がするにゃ……」

「何泣いているのトーカ?」

「何でもないにゃ~」






~~~~~





プルルルル、プルルルル、ピッ






『やっほぉ~ミシェルだよ~』

「えらいテンション高いなぁ~。で、どうしたんや?」

『あのね~、実はね~、そのねぇ~、』

「……悪いんやけどさっさと用件言って?あとその甘ったるい口調でしゃべんの気持ち悪いわ」

『きゃは~!!!怒られちゃった!私悲しい……でも、感じちゃうっ!!!』

「そろそろ怒るで?」

『じょーだんだよじょーだん。でもララちゃんに怒られて感じたのは本当だよ?』

「んなんいいねん。」

『むー、冷たいなー。』

「あんたは頭を冷やしたほうがいいんちゃうか?」

『正論ありがとぉー!で、ララちゃん何やってんの?』

「今は服を作ってる途中やな。にしても何か外が騒がしいな」

『何かあったの?アクシデント?』

「ちょいまち……。あ~、何か大物がきとぉるわ」

『大物!?何々!イケメン?それとも美女?』

「何であんたはそっちに行くねん。『金剛』やあのな」

『あー、『金剛』かー。ララちゃん戦うの?』

「さあどうやろうな。状況によるな」

『そっか~。あ、ララちゃんに伝えなきゃいけないことあったんだ』

「何や?」

『隠密の元帥さんが出来れば早く帰ってきてだってさ』

「あー、クロエ元帥からかいな。ちなみに理由は?」

『え~っと、何か開発班の総班長が『ララちゃん貸して~』……だって』

「……それだけか?」

『クロエ元帥は『ララ……がんば……』ですって』

「しょーもない理由で帰ってこいっていうのはよくわかったわ」

『で、どうするの?』

「行くに決まってるやろ?また総班長(あのひと)面白いもん作ったんやろな」

『わかったー!なら言っとくね?』

「頼むわ」

『じゃあまたねー!隠密軍中将のララさん』

「気持ち悪いぞ、開発班壱班長さん」









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