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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
異世界に迷いこんだ者達
68/71

無知は罪

できましたー!




人によっては嫌いだと思うかもしれません。



御了承ください。






ある時、地球が第二次世界大戦が終結して数年経った時だ。ある国に海に面した町があった。そこは自然が豊かでそして人々も多く暮らしていた。


だが大きな事件が、オルティニアの人々が地球人を嫌う様になった最大の要因が起こってしまった。



その町の海岸にミサイルの様な物が流れ着いたのだ。その物体は突如として爆発してしまう。それは町を優に巻き込み、山を川を、海を破壊した。



それは地獄絵図だ。


建物は形が残っている物があったがそれ以外は消滅し人間やモンスター達は身体中焼け爛れて酷いものだった。


町の者達は全員一命をとりとめたが、殆どが被爆し酷い苦しめ、それに耐えきれずに無くなった者、苦痛に解放されたいが為に自殺した者が頻繁に起こった。そして約30年の月日が流れ、その町の住民、そこにいたもの達の殆どが亡くなってしまう。


人だけではない。



その森や川、海に住んでいた精霊やモンスター達も被害を受けたのだ。その中には人間と関わりを持ち人語が理解する者や知能が高い者がその原因を知った。



その『核兵器』を生み出したのは地球人なのだと。


地球側はその『核兵器』に対しては知らないとしていたがその『核兵器』の残骸を回収し調査した結果、明らかに地球が作り出した『核兵器』だった。


この結果に地球側はこれは事故だ、責任を取る事は無いとした。


確かにこれは事故だったかもしれないだろう。


その『核兵器』が流れ着いたのは第二次世界大戦時にその『核兵器』の一つが不発のまま海に落ち、深海へと沈んでいった。それがこのオルティニアに流れ着いてしまったのだ。


不運な事に普通は水圧で壊れてしまう筈だが様々な偶然が重なって辛うじて壊れなかったのだ。その為に些細な事で爆発してしまう程に脆くなっていた。


だがその町の生き残りは言う。


そもそも自然を、惑星を『殺してしまう』程の兵器を作り出した事が間違いだと。



だが地球のある国々は『核兵器』を捨てる事はなかった。


そして責任も謝罪の言葉も無く、更に地球人に対しては悪い印象が大きくなった。


だが月日は更に流れようやく謝罪の言葉を地球側はしたが既にその被害にあった者の9割りが既に亡くなっていた。残りの1割はその謝罪の場に誰一人出なかった。地球人の恨みを抱えたまま今もなお物理的に精神的に苦痛を感じながら精一杯生きている。


















地球人に復讐を成し遂げる為に……。














ーーーーー



「俺はあの時の事は今でも、鮮明に目に焼き付いている!泣きながら生きたいと言って死んだ娘やその子供達の無惨な姿を!これから幸せになろうとしていた夫婦を!やっと恋が実って離れた国にいる恋人の場所へと行くはずだった妹を!てめぇらが!てめぇらが、あいつ等の人生を消し炭にしやがったんだ!ぜってぇ、ぜってぇぇ!許すわけにはいかねぇんだよ!」



男は大粒の涙を溢しながら悠へと怒りをぶつけていた。


それは悲痛で憎悪等の負の感情が混ざりあってぐちゃぐちゃになっているようだ。


それを聞いて悠は心が締め付けられていた。


それは人語を理解しているギン達も同じだった。



「今暴れている『グラトニークロコダイル』はなぁ!もともとは低ランクの『レッサーダイル』だんたんだ!あの爆発で両親に庇われて失ったんだよ!あいつは親に必死で鳴いていたぁ!その両親の身体を触れた瞬間どうなったと思う!?溶けたんだよ!あの熱によってなぁ!!!お前らにわかるか!せめてそのままの亡骸で弔ってやりたかったのに!それを!それを……っ!」


だが地球人ならこう思うだろう。


『そんなのは過去の事だ。』と。

『生まれていない自分達には関係ない。』と。

『昔の事を現代に持ち込むな』と。


それが地球人の現状。


過去であった事は現代の人には責任が無いとするだろう。そして都合が悪くなればその嫌な出来事は無かった事にしようとする。


それが国を良くしようとしているのだろうが、実際にはどうだろうか?


何の戒めも無く過去の事を知ろうとせずにそれを関係無いと無関心にするから……。








悠は第二次世界大戦の事など授業位にしか知らなかった。『核兵器』なんてどんな物かも聞いたことしかない。



だが、その被害者は目の前にいる。



顔が半分焼け爛れているのは『核兵器』の影響だろう。


そして理解する。


自分達は知らなければならなかったのだと。知らないからわからないのだと。今までに地球人、日本人が犯した過ちを。


男は無表情になりながらも涙を流していた。そして手から闇が現れ一つの剣に変化する。それを男は握りしめ悠へと駆ける。


「ーーーっ!?」


その男の姿を悠の目では反応できなかった。そしてーーー。


「死ね、地球人!」


既に後ろへと移動していた男は悠に向かってその剣を降り下ろされた。






























ーーーガキンッ!!!























その剣は悠に当たる直前に阻まれてしまう。






「えっ……」



その悠の後ろには……。






「無事か、悠」






純白の太刀で男が降り下ろした剣を阻んでいたハクの姿だった。





























お読みいただいてありがとうございます

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