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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
異世界に迷いこんだ者達
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復讐者

なんとかできましたー!




「おいおい、それは本当かい?」


クランリーダーの一人の男性が呆れた様にその陰陽師の人に見る。その男性だけではなく数名のメンバーが同様の反応をしていた。


「SSランク『グラトニークロコダイル』。確かに狂暴ではあるが俺達全員でかかれば問題ないぞ」

「それにこの場にはSランク三人にSSランク一人いる。それに他人任せで悪いがギルドマスターであるあんたにその二人の副ギルドマスターがいるなら大丈夫じゃねぇか?」


どうやら陰陽師の人はこのギルドのギルドマスターみたいだ。しかも魔族の人とトーカさんは副ギルドマスターだと。


それにしてもグラトニークロコダイルか……確か水竜を丸飲みした巨大なワニだよね……大丈夫かなぁ……僕。


「うん、本来『グラトニークロコダイル』なら招集なんてかけるわけないよね。ま、これを見てくれないか?」


陰陽師はテーブルに触れるとそこからスクリーンが現れた。これって何処かの秘密組織とかで使っていそうだな。


そのスクリーンには僕を食らおうとしたあのワニだと瞬時にわかってしまった。何故わかったなんて知らないしわからない!でも、間違いない。あの時の『グラトニークロコダイル』だ。


僕は思わず身体全体に震えが生まれるがそれをまぎらわす様に自分の片腕を強く掴んだ。


「今出ているのがこちらに向かっている『グラトニークロコダイル』だ。……僕の勘なんだけと……何かに操られ、そして何かを探している様にも見えるんだ。」

「……確かにそうも見えるな」

「しかもかなり興奮状態ですわね。しかも誰かに攻撃された痕がありますわ」


冒険者達はスクリーンを見ている中、僕は見ている振りをしていた。


「(何かを探している?……まさか、まさか……)」


僕はあの『グラトニークロコダイル』が探している何かを何となくわかってしまう。そう、探しているのは僕なのではないかと……。それにあの痕は大将軍さんが与えた攻撃だ。


「で、どうするんだい?ギルドマスターさん」

「とりあえず、君達高ランク冒険者とクランに緊急クエストとして『グラトニークロコダイル』の討伐を依頼させてもらう。だがこの依頼には何か起こるかもしれない。それでも受けてくれるかい?諸君」


そのギルドマスターの言葉にこの場にいる冒険者達は頷いた。


緊急クエストと言うのは依頼の中でも危険性の高いものであるが報酬はかなり高い。しかしこれは強制ではないが彼等は、特にこの街中心に活動している冒険者にとってみれば断る理由が無いだろう。


僕にとって冒険者というのは野蛮でテンプレの様に弱者を害する者だと思っていたが、実際は街の人々と仲良くして互いに笑いあったり、困っている人がいれば助けていたり、そして礼儀正しかったり、見た目で判断しずに関わっていた。それを僕はこの短い間だけど見てきたんだ。


それに僕はある孤児院にいる子供達を思い出す。


ある依頼で孤児院の子供達のお世話をしていたが、その子供達は種族は違えど仲良く遊んで笑っていたのだ。


確かにトラウマでもあるあの『グラトニークロコダイル』を相手にするのは難しい。でも、あの子供達を守りたい。


僕はそう決心してこの緊急クエストに望むのだった。









~~~~~








『グラトニークロコダイル』が暴れながらハク達がいる街に向かっている中、その『グラトニークロコダイル』の後ろには一つの黒い影が蠢いていた。その黒い影は一人の男性の様でただならぬ存在感を放っている。その男性は片手に通信機の様な物を使って誰かと話していた。



「おい、あの街で間違いねぇんだろうな?」

『間違ぇねぇよ。俺の可愛い使い魔ちゃんが見っけたんだからよっ。でもいいのかぁ~?お頭に怒られんぞぉ?』

「はっ!知るかよそんなもん!俺は……俺はあいつらを殺さねぇと気がすまねぇんだよっ!?そして……いつか……この手で」

『あんさんの気持ちはいてぇ~ほどよくわかりやすぜ』

「あ゛?てめぇに何がわかんだ?」

『……あっしは……やつらに娘を……ね』

「……ちっ、てめぇもかよ。てぇこたぁ、お前も復讐を望んでんのか?」

『あったりまえだ!本来なら、お頭らと一緒にそこにいってやつらの一人をズタズタに殺してやりてぇよ!』

「だが、お前は失敗したと」

『……。』

「まあ、あの国の大将軍相手じゃぁこの『グラトニークロコダイル』を使っても無理だわなぁ。」

『……しかもあの後日、ペントレアの軍人によって邪魔されたしな。しかも仲間を38人も失っちまった。だがあの白髪のペントレア軍人にはもう手を出したくねぇな。あれは化けもんだ。』

「ま、安心しな。俺が殺してやんよ。で、お頭はどうだ?」

『あ~、今は30人もの仲間を殺されて悲しんで暴れまわっていたわ。ついさっきお頭、海賊八王の座を狙った海賊船を……あ~、13隻の大艦隊を沈めたところだ。安心しろぉ、今は静かになってぇからな』



相手からの言葉に男は冷や汗を垂らす。13の大艦隊を簡単に沈めた様に言っているがそんな簡単な事をできるやつはそうそういない。



「(まじか!海賊船を13を沈めやがったかっ!……くくくっ、おもしれぇよ『海賊八王の一人、『金剛』さんよぉ~!)」



そして男は『グラトニークロコダイル』に向けて言葉を放つ。



「おぃ、『グラトニークロコダイル』!さっさとあの街にいるやつを残虐するぞ!」



ーーーグルルォォォォォオン!!!



「そうだよなぁ!てめぇもやつらをぶっ殺してぇよなぁ!」


『グラトニークロコダイル』はその男と同じ様に復讐心を持っている。その鳴き声は七年の恨みを晴らせるのを楽しみにしているようだ。




そして男は顔に覆われていたフードを取るとギラギラとした目していた。




その男の顔をみたなら誰もが目を剃らしてしまうほど酷い。顔の半分が爛れて焼かれていて身体もそうなのか包帯を厚く巻かれている。その顔は何か外部的な要因でなったのだと一目でわかるのが普通だ。 何故ならばもう半分の顔は普通の顔の作りであったのだから。






そして男は復讐に燃えてその街にいるであろう人物に吠える。










「待っていろよぉ?俺の家族と仲間と街の皆を殺しやがった地球人(くそったれ)さんよォォォォォォオ!!!」












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