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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
異世界に迷いこんだ者達
62/71

秘密にすること

何とかできましたー!



この回は読み飛ばしOKです。



エロ要素ありです。


それでもよろしければどうぞ!



午前中に悠の特訓、午後からモンスター討伐の依頼を終えた後ハクは一人夜の町を歩いていた。ディオンは宿で待機してもらっている。他のメンバー達も宿で休んでいるだろう。


ギルドから南に離れた場所、大きくて豪華な館が見えてきた。あれが娼婦館だ。


その館から一人の女性が出てきた。エレーナだ。彼女はハクを見つけると裏に行くようにと指で示される。その後彼女は館の中へと入っていった。


ハクは少し溜め息をすると裏口へと向かう。




裏口と言えば少し薄暗い場所であると思うが、その通りだった。だが小汚なくなくむしろ綺麗だろう。


ハクは扉のノブを手にかけて入るといきなり誰かが手を取って中に入らされた。その誰かは愛しい恋人にやっと再び出会えたかの様に強く抱き締めていた。


「あぁ……ハク、やっと抱き締める事ができたよ……」

「エレーナ、一体俺に何のようだ?」

「言ったでしょ?雑用とか頼みたいんだ。」

「なら、そろそろ離してくれないか?」


だが彼女は不満そうに自分の豊満な胸にハクの顔を押し付けた。


「冷たいなぁ……ハク、雑用終わったら……「あら?エレーナその子どうしたの?」ユナさん」


エレーナの後ろから女性の声がかかる。


そこにはグラマラスな女性ユナの他に様々な種族の美女、美少女がそこにいたのだ。



「今日の雑用をしてくれるハクだよ。」

「あら、そうなの。よく顔を見せてくれないかしら?」


ハクはエレーナの胸の拘束から解放されるとその容姿が彼女達に晒されてしまう。


「やだ!可愛いっ」

「ねぇ、お姉さんと一緒に寝ない?」

「だめだよー!うちとヤらへんか?」

「うふふ……調教したらどんな声で鳴くかしら?」



彼女達にはかなり気に入られたがそれは『性』的な意味でだろう。しかしそれをエレーナは待ったをかける。


「だめだよ!この子は……」

「あら、その子は貴方が相手をするの?今回は可愛い女の子なのね」

「いや、俺は男なんだが……」


ハクの発言にエレーナを除く彼女達が時間が止まったかの様にこちらを見て固まった。


「……貴女……男なの?」


最初に口開いたのは森族の少女だ。だが容姿と年齢は必ず比例するわけではない。実年齢は容姿の2倍はあるだろう。


「ああ……って何だ!?」


頷くと彼女達はハクの周りに群がってくる。


そして彼女達はハクの手と足を押さえる。


「ちょっ、何をする!」

「暴れんなよ」

「今から確認~」

「本当についてるの?」



そして彼女達はハクの下半身へと手を伸ばし男の象徴があるかどうか確かめた。


「んっ!?」

「……ついてる……しかも立派のが」

「ちょっ、これだけ大きいの初めてだよ!?」

「むぅ、それ以外は少女と変わらないね。今の声も中々そそられるよ……エレーナ、この子の相手は私に譲ってくれないか?」

「あー、抜け駆けずるー!うちが先にやるって!」


彼女達はハクの取り合いになってしまうが横からエレーナがハクを抱き締めて守ろうとする。


「だからこの子は雑用をやってもらうんだからダメなんだ!……ハク、この先に曲がった所にフロントがあるからそこにいる人と雑用の仕事頼むね。」


ハクはとりあえず頷いてフロントの方へと向かったのだった。


~~~~



雑用の内容は清掃に部屋のシーツ交換、洗濯が主だった。しかもここはかなり繁盛しているのかシーツの交換と洗濯がかなり多い。この館の主は森族の男性であった。この娼婦館の隣には男唱館もありその二つの主らしい。ハクの場合年齢が年齢なのだが館主から『成人したらここで働かないか?』と勧誘があったがそれを丁寧に断った。成人は男女共に16歳からでハクの年齢は14だ。だが未成年でも雑用としては働けるのだ。


「(ま、何とか終わったが……)」


ハクはフロントの休憩室で休んでいた。何故シーツ交換が出切るかというと幼少期の時に学園都市にある使用人学校で学んだからだ。実技だけしかやっていないがそこらの執事とは遜色ない働きはできるだろう。


「ねぇねぇハク君?」


横から話しかけてきたのは森族の少年だ。だが実際の性別は女なのだが服装が男性用を着ているから余計に紛らわしい。


彼、ではなく彼女は娼婦館で働いてるフォンという者だがその名は偽名だ。


「ん、何だ?」

「ハク君って格好いいし可愛いよね~。この後暇かな?」

「まあ、そうだな」

「なら、さ」


そう言うと座っている上から対面するように股がっていた。唐突な行動に反応できなかったハクはフォンを見た。


「何だこれは?」

「わからないかな?」


フォンは自分の大事な場所をハクのあの場所へと押し付ける。そしてゆっくりと彼女自ら腰を前後に振りだした。


「何を……」

「わかるでしょ?誘ってるんだよ、君にね。」


そしてほぼ無い胸を押し付けて密着させてくる。彼女の容姿は中性的な美形であるが仕草や行動を見てみれば男に見えるだろう。今の状況も殆んど男にしか見えない。


「やめろ」

「……何でかな?今ここには僕とハクだけだよ。それに皆客相手してるから暫く帰ってこないから安心しなよ。」

「そういう意味じゃないから」


興味無さそうに言うハクにムッとしたフォンはある発言をしてしまう。


「……ハク、君は女に興味無いのかい?それか不能かな?さっきから僕が頑張ってるのに一行に立とうとしないよね。……むしろあれかな。君の後ろの穴に野郎共のをぶちこまれるのがいいのかい?女にしか見えない君なら野郎共に抱かれて掘られれるのがいいのだろう?むしろ見てみたいね。よかったら横の館にいる男唱を何人か呼ぼうかい?」


口には出さないが明らかにハクはフォンに対して怒りを露にさせていた。それに気づいた彼女はニヤリと笑うと更に挑発をかける。


「あれ?怒ってるのかい。……なら男装して生意気な僕を屈伏させてみなよ。そうしたらさっきの発言は取り消すさ。あ、安心して。今日は大丈夫な日だし、一応避妊の薬と魔法は使用してるからな。さぁ、どうする?これで断るなら君を野郎共に向かって腰を振ってる変態さんって事になるけど?」

「チッ……わかった、いいだろう」

「ふふ、じゃあ……んっ……」


フォンはハクに唇を重ねるとそれが合図の様に始まる。その中で上手いこと乗せられてしまった気がすると思いながら男装したフォンと体を重ねるのであった。



~~~~~



「ごめんなひゃい……だから……もっと……んっ……じゅるるる……ぷぁっ……んぐ……」


貪る様にハクの唇を重ねているフォン。その男装していた生意気そうな彼女の面影は無く、既に屈伏されているのがわかるだろう。


今の状況は変わらず椅子に座っているハクの膝に対面に股がっている。しかし彼女の表情はうっとりとしていた。服装は少し乱れて下に穿いていたスボンは違う物に変わっている。


行為を済ました後、フォンは腰を抜けてしまい立つことが出来ず、加えて身体が暫くビクビクと痙攣の様になっていたためハクが後処理とフォンの着替えをしたのだ。


「……んっ……はぁ、もういいだろ?」

「駄目だよ……はぁはぁ……もっとハクの唾液が欲しいんだぁ……」


彼女は完全に快楽に墜ちハクの体液を求めている。だが腰が動かなく身体的にも限界なのか代わりに唾液を求めて熱い口付けを交わしているのだ。その状況は10分以上は続いているのだがそろそろやめて欲しいと感じてしまう。


すると休憩室の扉が開かれる。


「ハク、ごめんまっ……は?」


入ってきたのはエレーナだ。彼女はフォンが火照っている様に熱烈にハクを抱き締めながらキスをしている状況を目撃してしまう。


「まさかフォン、貴女……」

「……ぷはぁ……あれ、エレーナか。随分速いね。確か今日の相手は男5人同時だったよね?」

「そんな事はどうでもいいんだ!速くハクから離れて!」

「あ~、それは無理だよ。僕が悪いんだけどハクとの行為が想像以上に激しくて、凄くて、気持ちよくて……ぁぁ、だめだ……思い出しただけで……んんっ!?!?」


フォンはハクに股がったまま勝手に絶頂をしてしまう。お陰でフォンのズボンから湿った液体がハクの服にまで流れてくる。


「はぁはぁ……はくぅ……もっと……もっとぉ……んっ……じゅるる……んぐ……ぷはぁ……んんん……」


フォンはエレーナの事をいきなり無視してハクの唇を合わせている。既にハクはされるがままとなっているがそれ相応に舌でフォンの行為を受け入れていた。


だがそれはエレーナの手によって中断されてしまう。


「駄目だから、もう駄目。これ以上はさせないよ。さぁ、ハク少し話したい事があるんだ。」


背筋が凍りそうな冷たい微笑みにハクとフォンは只頷いた。


しかしフォンは腰が抜けて動けない為、ハクが御姫様抱っこをして休憩室にあるベッドへと寝かせた。ちなみにフォンは今日の仕事は既に終わっているらしい。


ハクはエレーナに連れられて休憩室から退出したこだった。



~~~~~


エレーナに連れられてある部屋に来たハクは明らかに不機嫌な彼女に内心ビクビクしていた。


「……ハク、雑用お疲れ様。働いてくれた事には感謝してるけどフォンの行為を頑張るのは感心しないね。ま、生意気な彼女にはいい薬にはなったと思うけどね。」


だが彼女は背を向けている為、今どんな表情をしているかわからない。


「……そうそう。ハクにはまだやってもらいたいことがあるんだよ。」

「……雑用か?」

「ううん。雑用じゃないよ。それに最初に言ったよ。『雑用とか』ってね。」


すると彼女は振り向いた瞬間にハクへと抱き付いた。そしてハクの後ろにの扉の鍵を同時に閉められる。


「なっ!?」

「……ハク、本当に久しぶりだよね。もう二年もなるんだよ?あの時から、私の初めてを貴方に貰ってから……他の男に抱かれても満足できなくなったんだ……。だから……ね?」


そう言うと静かに唇を会わせる。ここには誰も邪魔される事はないだろう。


「私、ハクのが欲しいんだ……欲しくて、欲しくて堪らないんだよ。それにこれが最後だから……だから最後に私を抱いてよ。」


二年前、ハクが失恋しこの街へと訪れた時、エレーナはまだ誰とも経験した事の無い少女だった。当時は好きな人に初めてを捧げたいと思っていたが彼女が思った様な人はいなかった。だがハクと出会った。彼は仏頂面ではあったが根は優しくて強くて、そして何か惹かれる何かがあった。彼女は12歳であった彼を運命を感じ、無理を言って抱いてもらったのだ。それは12歳ではあり得ないほどの物を持っていてそれに天然なのか女を喜ぶ事をわかっていた。それは行為の中でもクールなあのフォンが快楽に墜ちてしまうのは無理はないだろう。


だが、それからだろうか。ハクの時の様な存在は誰一人現れない。それ以来彼女にとって性行為は只の程よいスポーツ位にしか感じなくなってしまった。だからこそ再びハクに出会えた事は喜びに酔ってしまいそうだった。


だがもうわかっている。ハクは自分と結ばれない事も。だから最後にハクを欲したのだ。


「これまでにヤった男じゃぁ物足りないんだ。だならもう一度ハクとヤってみたいと思ったんだ。それ以上な事は無いから安心してよ。あ、もし断ったらフォンとの事言いふらすからね?」

「うっ……」


そんな事はする気も更々無い。只切っ掛けが欲しかっただけだ。それが脅迫だとしても。


「……わかった。」


頷いた瞬間、エレーナはハクをベッドに押し倒し思う存分最後の思い出を作るのだった。



~~~~~



柔らかな朝の日差しが照らす頃、エレーナは深い眠りから目を覚ます。そして 昨夜の事を思い出す。


「(そう……か、私力尽きて寝ちゃったんだ……)」


これほどまでに激しくて快感な行為は二年ぶりだ。行為の影響で力尽きた事なんてなかった。


そして彼女は起き上がると娼婦館の個室部屋ではなく自分の見覚えのある部屋だった。


「ここは、私の部屋?」

「やっと目覚めたね」


横にはエレーナと同じ褐色の肌に黒い髪の女性がいた。唯一違うのは背中から白い翼がある事だろう。


「ルエンヌさん……私は……」

「ここに運んできたのはあのハクっていう可愛い坊やだよ。」

「そうですか……」


するとルエンヌはエレーナの顔をじっと見ると決心したように口を開ける。


「あんた……わかってるのかい?」

「えっ?」

「……自分の腹をよく感じてみい」


エレーナはルエンヌの言った意味に気づいたのか自分のお腹を両手で触れる。そして静に瞑想させてみるとそこには新たな命が宿っていることがわかった。その命が自分とハクのものだと。


ハクとの行為の時には避妊の魔法をかけてなく薬も切れていたのだ。いや、避妊の薬と魔法を自らの魔法で事前に打ち消してしまったのだ。ついでに前の男達の精子全てを完全に死滅させている。念のために二度も行っているのだ。しかも彼女は受精をコントロールが出来てしまう。それは彼女の種族特有な能力でもあるのだが。


それを知るとエレーナは思わず微笑んでしまう。それは長年の夢が叶ったかの様にも見える。


「……で、どうするんだい。あんた、その子を産む気なんだろう?」

「……はい。私はこの子を産みます。だから……」

「わかってるさ。あんたが目覚める前に私もわかってたからね。館主はあんたの判断に任せるってよ。」

「ありがとうございます。」


何故エレーナとルエンヌがそれにわかったのかはちゃんとした理由がある。彼女二人は至高女族(アマゾネス)だ。至高女族は産まれながらにして全体的に高い身体能力があり特に生命に関する事はずば抜けて高い。だから受精した生命が誰と誰の子が一瞬で分かってしまうし本人の意思で受精のコントロールが出来てしまうのだ。至高女族は種族的な枠組みは無くどの種族の女性には存在しているのだ。例えばエレーナは人族の至高女族、ルエンヌは天族の至高女族だ。突然変異とも特異種ではないかとも考えられているがまだよくわかっていないらしい。


「館主はさ、娼婦ではなくフロントの受付か雑用でもしたらって言ってたよ?やるかい?」


ぶっちゃけた話、エレーナの様な事はたまにいるのだ。エレーナ自身貯金はしており子供を養う事も十二分ある。


エレーナは顔を左右に振る。


「私、娼婦としては……もう働きません。この子を産むために暫く安静にしたいと思います。」

「そうかい。別に構わないさ。それに館主もそうなるだろうと予想はしていたからね。じゃぁ、これからどうするんだい?」

「……ギルドの職員になろうと思います」

「そうか、確かあんたの実力はAランク以上って言われていたからねぇ。ギルド職員ならあんたならなれるだろうね。明日にでも試験受けるかい?」

「はい!」

「わかった。ギルドには私が連絡しておくよ。……無理はしないようにね?たまには私達も遊びに行くからね」


そうして翌日、エレーナはギルド職員の試験を受け無事に合格する。


そしてまたエレーナとギルドで顔を合わせる事になるとはハクも思わなかったのだった。



だが彼女は秘密にする。



自分のお腹にハクとの子の命が宿っていることを。














お読みいただきありがとうございます

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