エレーナ
なんとかできたー!
遅れてすみません!
誤字脱字があるかもしれません
『闇』。
その言葉を老婆から聞かされて絶望に染まっていた。
それって悪者が使う力っぽくね?それにこれ、人生終わったんじゃないかな。
「『闇』か……珍しいな」
「そうじゃのう……魔術の中でも原初の一つじゃからのう。ハク、お主も『光』を宿しておろう。属性的には相性がいいじゃろうな」
「えっ……『闇』って恐ろしいんじゃ……」
「何を言ってるんだ。『闇』は『光』と共にある存在だぞ?確かに『闇』は暗くて恐ろしいと感じるかもしれないがな。」
どうやら闇=悪とはならなかった。まあ、魔族も敵ではないらしいからね。
「……んん?……どうやらお主、『闇』以外にもあるようじゃ……こっ、これは!?」
……あれー、何かヤバイかな?また何かやっちゃった!?
「どーしたんだばーさん。悠のもう一つの属性は何だ?」
「ばーさんじゃない!おネェさんだろぅっ!この鬼っ子!」
「じゃぁ、おねーさん」
「おねーさんじゃない、おばぁさんじゃ!!!」
「……何だよ、結局どっちだ」
「マグナよ、落ち着け。御老人、悠のもう一つの属性は何なのだ?」
「御老人じゃ「いい加減にしてほしいのだが」……わ、わかったわい。そちの者のもう一つの属性は……」
ゴクリッ……『闇』ともう一つの属性は何だろうか?チート……は流石にないだろうね……。
「それは……『木』じゃ!」
……『木』?
あのそこらに生えてる木?
使えないよね?
「『木』ですか!凄いじゃないですかっ!」
「え……『木』って何ですかミルさん」
獣族魔法少女のミルさんに聞いてみる。『木』何て何が凄いの?
「『木』の属性は草木を操る事が出来るんですよ!」
「……そう言えばヘルクガムも『木』を使ってたな。」
「……多分あの力を使われたら勝てねぇよな」
ハクさんとマグナさんは『ヘルクガム?』について話していますね。何でしょうか『ヘルクガム?』とは。何かのモンスターの名前ですかね?
「それにしても、地球人が属性持ちとは驚いたのう。しかも二つとは……。」
「地球人には属性持ちは珍しいんですか?」
「地球人はの、かなり退化をしているからか魔術、属性持ちの者は全く見られなくなったのじゃ。属性持ちなぞ地球全体の人口の00.1%位、もっと低いかもしれんな。」
……地球人弱い?
確かに色々便利になってるから……それで退化に繋がったのかも。
「安心しろ。地球人でも属性持ちで強い奴はいる。」
「例えばカヅキだね~」
ギルド職員の制服を着たトーカさんが話に入ってきた。
カヅキさん?誰なんだろ……。
「カヅキって誰なんだ?」
「誰です?」
「私も知らんな」
「もしかして、その方も地球人なんですか?」
ハクさんを除くアルティリナのメンバーは知らないようだ。
するとトーカさんはハクさんの肩に手をかけた。
「にゃははー、カヅキは地球人にゃが今はSランク冒険者にゃよ。一時期ハクとカヅキとにゃーの三人でパーティーを組んでたにゃよ。ちなみににゃーは元Sランク冒険者にゃ」
「実力でいったらSSランクだろうな」
「そにゃぁ、ハクとカヅキも同じにゃ!」
どうやらカヅキさんという人物はかなり強いらしい。しかも同年代らしいよ。
暫く話し合っているとギルド内がざわざわと賑わってきた。何だろう。
するとそのざわめきの元には高校生位だろう一人の美女が現れた。
健康そうで元気そうな褐色の肌にショートヘアの黒髪、童顔でありながら踊り子の様な格好で大きな胸が、すらりと伸びた足が強調されている。男達はその格好を見て厭らしい事を考えているだろうな。
「にゃ?あれは……エレーナにゃ」
「知ってるんですか?」
「エレーナ・レイヴェンツ。彼女は娼婦にゃよ。」
彼女が娼婦!?
「因みに彼女はこの町の娼婦館で働いてるにゃよ。しかも人気No1にゃんよ。……ここだけの話なゃけど彼女はかなりの人数の男を相手しているらしいにゃけど誰一人イカせた者はいないらしいにゃよ。」
まじですか……。経験無いからわからないけど凄いんだろうな。
するとその褐色美女はその青い目を僕達を向けると寄ってくる男達を綺麗に交わし近づいてきた。
……気のせいだろうか、その青い眼は僕達では無くハクさんに向けられていた様な。
「トーカさん、依頼を頼みたいんだけど」
「にゃ、内容は?」
「夜にちょっと雑用一人をしてほしいのよ。だからって誰でもいい訳じゃないよ。例えば……若くて、力持ちで、尚且つ容姿がいいのがいいかな?」
その内容を聴いた冒険者達はぞろぞろと寄ってくる。殆どがイケメンに中性的な顔の持ち主だ。……ふぁ⚪く。
「なあなあ、エレーナちゃん!俺とかどうよ?」
「なんだよ、俺に決まってるだろ!」
「エレーナさん……僕が……」
「いゃ、僕だねっ!」
何か色々争ってるね……。
けどエレーナさんは興味深そうに無さそうだ。どうしたんだろ?
するとエレーナさんは僕の横にいたハクさんの前にきた。背の高さはエレーナさんの方が高い。約10㎝位かな。女性としては高いかも。
「君がいいな。ね、いいでしょ?」
何とハクさんにご指名だった!男達はハクさんがSランクで実力を知っているのか落胆を見せていた。
一方ハクさんは仏頂面ではあるが瞳に驚きと戸惑いがあるように見えた。
「……何で俺なんだ?」
「君、男の子でしょ?見た目に反して力が強そうだし、それに女の子みたいだからね。」
「最後のは必要か?」
「必要だよ!」
何かエレーナさんぐいぐいいくね。ハクさんを気に入ったのかな?……でも……なんか……面白くないな……。何だろう……エレーナさんに選ばれなくて……じゃなく、ハクさんが他の女の人と話していると……こぅ、胸が痛くて、締め付けられる様で……そして、辛い……。
「待ってください!」
後ろにいたソフィアさんがここで待ったをかけた。
「何かな?」
「その依頼、私がやります!力ならあるから」
「……君、彼の恋人か何かな?」
「えっ、ちっ違いますけど……」
「ならいいよね?」
「……っ」
ソフィアさんは何かを言おうとするがその前にハクさんが前に出た。
「雑用だよな?」
「そうだよ、雑用とか頼みたいんだ」
「……わかった、受けるよ」
ハクさんはエレーナさんの依頼を受けてしまう。
「なら交渉成立だね!報酬は期待していいよ。なら夜の……10時位に娼婦館に来てね!」
トーカさんが依頼の内容を書留めた後、エレーナさんはギルドから出ていった。
ソフィアさんは心配性なのかハクさんに大丈夫なのか?と言い寄っていた。
そんなこんながあった後、僕達は遅めの朝食を取るのだった。
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