味方ですから!
何とかできましたー!
誤字、脱字等があるかもです。
ギルドから宿へと戻ってきたハク。その宿の前には一人の少女がそわそわしながら辺りを見渡していた。誰かをいまかいまかと待っている様でハクの姿を見つけると曇っていた表情が一気に晴れたかの様な笑みで走ってくる。
「ソフィア?」
「ハクっ!」
ソフィアはそのままハクに抱きつくと身体を委ねてくる。
今のソフィアの服装は半袖短パンというラフな格好であるがその未熟な胸の感触が伝わってくる。
だが、ふとハクは彼女の服装に疑問を抱いていた。
「……その上の服、俺のじゃないか?」
「え……あ……その、まっ間違えて着ちゃってました……。」
ぎこちない様に言うがハクはその理由に納得してしまう。ソフィアはクランメンバーの服の洗濯を自ら進んでやっている。いろいろどうかと思われてしまうだろうが……。
「(……最近下着が無くなってるけど……また買えばいいか)」
ハクはこの時知らなかった。自分の下着がどうなっているのかを。その下着がソフィアによってどの様に活用されているのかを。
「それにしてもどうしたんだ?」
「……帰ってくるのが遅いです」
「……まさか、帰りを待っててくれたのか?」
ソフィアは抱きついて胸元に顔を埋めながら頷いた。
その今の二人の光景は恋人同士の様であり、金髪の子が真白髪の子の甘えている様だ。只、恋人同士ではあるが同性カップルにしか見えないのだが……。それはそれで絵にはなってもいる。
「ありがとう、ソフィア。」
「……ハク……何かあったんですか?っ、まさか腕が痛むんですか!見せてください!」
「ちょっ!?」
服装が着物の様な物なので上半身を脱がすのは意外と簡単に出来てしまう。幸運にもその宿の周りには誰一人いなかった事だろうか。
ハクの上半身は見事にさらけ出されてしまう。その白く艶やかな肌は初めて見た者は見とれてしまう、又はその美しさに芸術性を感じるだろうか。
ソフィアはハクの身体、特に右腕を触り無事な事を確認するとほっとした様に再び抱きついた。
「よかった……ハク、他は大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ……そろそろ離れてくれないか?」
しかしソフィアは離すそぶりは見せない。むしろ更に抱きつく力を僅かに強めていた。
「……ソフィア?」
「何かあったんですよね?」
「何を……。」
「……気づかないと思ってたんですか。目が赤いですよ。」
トーカと話した後だった為かハクは自身の過去の事を……それが……何故か……ソフィアを彼女とふと重なってしまう……。
~~~~~
『ハク!もぅ、無理しちゃ駄目って言ったじゃない!』
『俺は大丈夫だから……』
彼女はハクに抱きつく。それは愛する者を逃がさぬ様に、離れて行かないように彼女は抱きし
める腕に力が入る。
『馬鹿っ、私の愛する人が傷つく姿なんて見たくないんだよ。それに私の方がお姉さんなんだからちゃんと頼って。じゃないと……私……』
『……ごめん、ティーネ。もう少し気をつけるから……だから泣かないで』
この時からあまり無理をしなくなった。彼女の泣く姿を見たくなかったから……。
『……約束よ?』
『うん、約束』
そうして二人は口付けをしてお互いに寄り添う。まだ幼さが残る女性と少年が初々しくそして幸せそうに目の前の愛する人をここにいるかと確かめる様に次は濃厚な口付けをする。その口付けは求め合う様に舌と舌を絡ませ、お互いに甘い吐息が 漏れ混じり合う。
長い口付けが終わると幸せそうな表情で抱き合った。
だが、それは儚い過去。
どれだけ彼女の事を愛していても。
もうあの時には戻れない。
………………
……………
…………
………
……
…
~~~~~
「ハク……何で泣いてるんですか……やっぱり、あのギルド職員のトーカっていう人に何かされたんですか!?」
「……えっ、いっいや違うから!」
いつの間にか流れていた涙を拭うと何でも無い様に振る舞うハクだったが、それに違和感を気づいていていたのはソフィアだった。
「……やっぱり、何かあったんですね。」
「いや……」
「……私では駄目なんですか?頼りないですか?だから何も教えてくれないんですか?」
「それは……」
ハクの表情は曇ったままだ。
もし、この過去を全て話せればどれだけ楽になるだろうか。
そもそも別に隠さなくてもいいのだ。
だが、ハクはこう思ってしまう。
恐い、と。
また同じ事が起きてしまうのではないかと。
それを言えばまた……。
ソフィアはハクの表情を見て少し沈黙するとその目で彼の目を真剣な眼差しで覗き込んだ。
「ソフィア?」
「……ハクが話したく無いなら今はそれでいいです。でも、いつか、話してください。頼りないかもしれないけど、私は強くなります。だからハクが話したくなったら遠慮無く言ってください!私はハクの味方ですから ーーー !?」
ハクは思わずソフィアを抱き返した。それに驚いてしまうソフィアだったがそれを優しく受け止めていた。
「ソフィア……ありがとう」
「いいですよ。」
抱き合う二人には月と星が優しく照らしており祝福をしている様だった。
「(まあまあ、ソフィア様も大胆になって……付き合うのも時間の問題ですね、ディオンさん?)」
「(……さぁ、どうだろうね。)」
「(乗り気ではないのですね。……さっきの話と関係あるんですか?)」
「(それは……)」
「ディオンにアイズ?そこで何隠れてるんだ?」
「えっ……まさか……みてた?」
「はい、最初です♪」
「てへぺろ⭐」
ハクは何とも思っていないがソフィアは先程のやり取りを隠れていたディオンとアイズに聞かれていた事に顔を真っ赤にさせて暫く硬直していたのだった。
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