副ギルドマスターは大変にゃ~
何とか投稿しました!
僕、天城悠はハクさん達と共に宿屋で一段落していた。ハクさんが泊まっている部屋がベッドが空いているらしく僕も一緒に泊まる事となったのだ。お金もハクさんが払ってくれた。有難い!
宿屋と言っても冒険者用の宿らしいが、イメージとして汚ならしいと思っていたがむしろ綺麗で設備もかなり整っていた。……高級ではあるが小さなホテルと思ってくれればいいだろう。
そしてこの宿屋、もといホテルには自動販売機があった!地球と殆ど変わらない。
ちなみにこの宿に来る前に依頼を二つ……最下位ランクなので店のアルバイトの様な物だが、一日は何とか暮らせる位には稼いだ。一番稼げたのはモンスターの解体の補助だった。かなりグロテスクだったがハクさんが横で色々教えてくれたお陰で何とかなった。
解体したモンスターは蛇竜だった。本当に蛇の頭をした立派な竜だが、これでもDランクらしい。
一回の解体に500デリスだった。
大体宿を一泊すると200デリス位で泊まれるらしい。
ちなみに僕の今の服装は学ランではなく、白の長袖の上に黒のチック、太股の中間位にの短い黒の半ズボンで武器は片手ナイフだ。
……これ、非常に女っぽい服装なのでララさんに抗議するがハクさんが言うにこの服装の素材は上等な物らしい。しかもかなりの値をするので無料で貰えることは凄い事。しかもそれ以上の防具服は無いと言うことだ。
普通の防具服にしたかったがハクさんは苦笑いをしながら「似合ってるからいいじゃないか?」と言うことで渋々この防具服を有り難く貰って着ている。
……足がスースーする。
依頼の時等で男の人達が僕の足を凝視していたから……やっぱ、おかしいよね?
話は戻るが、部屋は4人部屋で男女に別れて部屋にいる。
部屋の中は四つの白くふかふかなベッドがあり、キッチンや浴室等が設置されている。……ホテルだな。
ギンはふかふかなベッドが気に入ったのかゴロゴロしていて、白い小狼のディオンさんも寝そべっている。
「ついた~」
「ベッド直行~」
マグナさんの服から二匹の鼬が出てきた。ヴァリアスとスイエラと言うらしい。ハクさんにディオンさん達に尋ねると彼等は聖獣と呼ばれる存在だということだ。ソフィアさんの肩にいた青い小鳥も聖獣らしい。
「悠、ギンを連れて外に出る。バジリスクの卵も持ってきてくれ。ディオンはソフィア達の所に。」
「わかりました、ギン!」
「きゅい!」
「じゃあ、ソフィア達の部屋にいとくね~」
「俺もちょっと町ぶらぶらするぜ、ヴァリアスとスイエラもディオンと同じな」
「あいあいさ~」
「ラジャ~」
と言うことで僕達はハクさんに連れられて宿を後にするのであった。
~~~~~
「にゃ?ハクと悠にゃ、さっきぶりにゃけどどうしたのかにゃ?」
ギルド職員の可愛らしい獣人(但し男だが)トーカが僕達を見て営業スマイルをしていた。どうやらギルド内は落ち着いている様で受付にはあまり人が並んでいなかった。
「トーカ、すまないが訓練場を使いたいんだが」
「にゃぁ、そういうことにゃか!……ここに名前を書くにゃ。で、10デリスだにゃ~。今暇にゃし着いて行ってもいいかにゃ?」
「別に構わないが」
「着いて行くにゃ!」
ハクさんは用紙に名前を書きお金を払った後、ギルドの奥にある闘技場に有りそうな大扉を開けた先に大きなフィールドが存在していた。イメージするなら甲子園だろうか。観客席もある。それに誰もこの訓練場には一人もいなかった。
「この時間帯はあまり使用しにゃいから、貸し切り状態にゃっ!」
トーカさんは尻尾をふりふりさせて楽しそうだ。
「ハクさん、ここで何をするんですか?」
「ん、訓練だそ?」
そう言うとハクさんは中心に立ち止まるといきなり地面に魔方陣を発動させた。
「召喚!キュナ、シロ、ユキ、セツ、ルル!」
その魔方陣は眩しい位に輝く。輝きが収まるとそこには6本の尾を持つ金色の狐に三匹の白く手乗りサイズの子猫、ボールの様で二つのクリクリした愛らしい目が特徴な……多分スライムが魔方陣があった場所にいた。
「「「にゃ~!!!」」」
「(ぷるんっ!)」
金色の狐、キュナは物静かでハクさんの元に近寄ると取り囲む様に身体を密着させ甘える様に顔を擦り寄せている。白い子猫さん達とスライムのルルさんは飛び付いていた。
「にゃ~、多尾狐の突然変異種に白守猫、そのスライムにゃ……アークスライムかにゃ?どれもAからSのモンスターにゃね。」
「AからSランク……。」
……ハクさん充分強いのに加えてテイマーなんですか!万能じゃないですか!しかも全員可愛いし綺麗だし!
「そんにゃに気をおとすにゃよ。それに悠のパヒュルネもかなり珍しいにゃよ?」
「きゅい?」
そう言えば、ハクさん達も口々に言っていたな……。
「珍しいんですか?」
「にゃ!?……にゃ~、知らにゃいのも仕方がにゃいか。パヒュルネは全属性を操る事ができる竜にゃのにゃ!でも人になつく事はあってもその人物に従えようとは殆どしないにゃよ」
まじかー!
ギンめっちゃ強いじゃん!
……ん?
「でも、Cランクですよね?」
「あまり攻撃的にゃモンスターにゃないし、火力は低い方にゃ。でも、進化すれば強くにゃると思うにゃよ?」
進化するのか……。
「当然にゃ!モンスターは成長が終らない生物にゃからな!」
では、人はどうなるのだろうか?
「当然進化するにゃよ?……悪いにゃけど、地球人にゃはかなり退化してるにゃから進化は難しいと思うにゃ。ちなみに僕は獣族で高獣族にゃよ!ハクは人族と妖族のハーフにゃけど、彼も高位種族にゃ。マグナも人族と鬼族の高位種族にゃよ?」
「……あの、ユーニアって?」
「そこからにゃか……」
トーカさんが言うにはこの世界、オルティニアには数々の種族があって、人族を始め、魔族・天族・森族・岩族・獣族・鬼族・魚族・竜族・妖族が存在しているというのだ。その種族が成長すると上位、高位、最高位……に進化するらしい。
鬼族は僕が思ってるより人族と容姿は同じだ。妖族はイメージは妖怪、猫又や雪女、妖精等をイメージしてもらえるといいかな。
「ハクさんは……」
「俺の母は白雪族だからな。ハーフだから特にこれといった種族はわからんぞ?……よく言われるのが雪女か……女じゃないぞ!?」
「え、はい。」
何か怒られたけど、白雪か……。確かにハクさんを一言で言うなら白雪姫と言えばしっくりくるかも。
「今、何か変な事を考えていなかったか?」
「い、いえ!」
ハクさんの顔が僕の顔に近づいて宝石の様な綺麗な碧眼が写される。
……やばい、何かドキドキしてきた。ハクさんは男のなのに何してんだ、僕!?
「……どうしたんだ?」
「何にゃ、顔を真っ赤にしてるにゃね?……ハクに発情してるかにゃ?」
「はっ?」
「ち、違いますっ!ありえませんしっ!違いますからね!ハクさん!さっ、今から何をするんですか!?」
「あぁ、そうだった」
そう言うとハクさんはキュナさん達と何やら話している。さっきの話は既に忘れているようでモンスター達と戯れている。
するとトーカさんが僕に耳打ちをする。
「(にゃはぁ~、地球ならあまり認められていにゃいけどこの世界にゃ同性愛者なんて珍しくにゃいにゃ。しかも今の魔法と科学の技術なら女にゃにもなれるにゃよ?)」
「なっ!?」
「(にゃけど、悠なら見た目がロリショタ娘にゃしにゃ。そのままでもいける野郎共も多いかもにゃね~)」
「何をっ!?」
「悠、トーカどうしたんだ?」
「い、いえ!」
「にゃんでもにゃいにゃ~」
「そうか。悠、今からキュナ達と共に訓練するぞ。バジリスクの卵はトーカに任せておけ」
「はいっ!」
そうしてハクさんの指導の元、僕とギンの訓練が始まったのだ。
~~~~~
「にゃ~、ハクもマグナも自らの目的の為に頑張ってるみたいにゃね。……地球人、日本人の天城悠にゃか……後でギルドマスターにも報告するにゃか。副ギルドマスターは大変にゃ~。」
ブックマーク、評価をよろしくお願いしますm(__)m