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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
異世界に迷いこんだ者達
52/71

アラクネのララさん

何とかできましたー。






何だかんだあった後、僕達は冒険者ギルドを後にし、門番の人にギルドガードを見せた後ハクさんに勧められある店にやって来ていた。


ハクさんとマグナさんの他に金髪薙刀美少女ソフィアさんとロリっ子獣人魔法使いのミルさん、褐色女騎士のクレハさんと一緒だ。トーカさんはギルドの仕事があることで来ていない。ソフィアさん以外は日本語を理解しているらしい。


「で、ハクさん。ここは……?」

「鍛冶屋と防具服の店だ。ここの防具服の店長とは知り合いでな」


中に入ると店内は武器や防具、服等が多く飾ってはいる。武器は男の憧れ刀や大剣、ハルバート等がある。どれも色や形が格好いい。


『あんた等かいな。ん?新顔がいるけどどうしたんや?』


そこには一人の際どい衣装をした美女がいた。だが僕にとっては只の女性ではない。上半身は人と変わり無いが下半身は蜘蛛の身体をしていた。そう、アラクネだ。


『……何やねん、こいつ。うち見て固まってるで?挨拶なしは失礼ちゃうか?』

『すまないララさん。彼は日本人の悠だ。』

「はっ!?はっ初めまして!」

「きゅい!」


慌てて挨拶するとアラクネ、ララさんはにっこり微笑むと僕とギンの頭を撫でていた。


「そうかそうか、うちは元気な子は大好きやで。それにしてもハクに劣るけど中々可愛らしい顔してるやん。……どうや、アンタ女物の服着てみいひんか?」

「えっ……」

「そや、ハク!アンタも着てぇや!」

「いや、何でですか!」

「いいやんか、その服の値段負けてやったんやし」

「……勝手に負けてくれたんじゃ」

「すべこべ言わんとさっさときっ!あ、あんた等のリーダー借りるで~」


僕とハクさんはララさんに首根っこを捕まれて奥の更衣室に向かっていく。そんな中、ソフィアさんがララさんの前に立ちはだかった。


『ちょっと待って下さい!何をするつもりですかっ!』

『何って、この二人を女装させるんやけど』

『……駄目です!』

『……はぁ、しゃーないな。ならうちが服を渡すさかいにアンタがハクを着替えさしてくれへん?……どや、悪い話やないやろ。』

『任せて下さいっ!!!』

『ソフィアっ!?』


言葉はわからないが何やら取引が成立していた。証拠にララさんとソフィアさんが固い握手を交わしていたし、ハクさんの悲痛の叫びが横から聴こえたし……。ハクさん涙目、それでも可愛い。


『さ、ハク。着替えしましょうっ!さあ行きましょう!』

『ちょっ、ソフィア、待って、待ってよ!「マグナ、悠、皆、助けてよっ!」』


『……がんばれ、ハク』

『かんばるのです!』

『男の娘、女装……はっ!?何やってるのですか、ハク!さっさと着替えてきなさいっ!!』

「悠っ!?」


何か僕に助けを呼んでいるがソフィアさんの目が怖い……。というか僕も助けてほしいんですけど。


『……ハク、行きますよ?』

『……はい』


あ、ハクさんドナドナされて更衣室に入っていった。もうハクさんも諦めてたし……。


「じゃ、うちらもいこか!その卵はうちに任せとき!」


そして僕もドナドナされてしまいました。


「きゅい~」


ギン、手を振ってないで助けてよ……。




~~~~~




「いや~、うちの目に狂いは無かった!」

「女装男の娘……素晴らしいっ!!!」

「女性として敗北感があるのです……。」


今僕とハクさんは女装されて観賞にされてしまっている。ギンはバジリスクの卵の上で守る様に眠っている。


僕はメイド服なのだがスカートが短い。脚がスースーする……。


そしてハクさんは……何故か純白のウェディングドレスを身に纏っている。だが只のウェディングドレスではなくおへそと腰が出てしまっている物だ。……ぶっちゃけると凄く綺麗だ。まるで雪の女神の様な美しさで見えているおへそと背中が妙に艶かしい。ハクさんのウエストがモデルの様に括れて細い。しかも前の裾がかなり短く、そこから見える白くすべすべした細長い生足がガラスのオブジェの様に芸術的だ。僕と同じ心境なのか短い裾を下に伸ばしてモジモジしている。……で、だ。


「……あの、何でソフィアさんも着替えているんですかね?」

「……わからん」


そう、ハクさんだけでなくソフィアさんも着替えていた。


『ウェディングドレスならこういう格好も必要でしょ?』

『…だからタキシードなのか?』


ソフィアさんは黒のタキシードに着替えていたのだ。金髪の髪は後ろに纏められており美少年の様になっていた。女装美少年に男装美少女がここに実現していた。ハクさんとソフィアさんの背は同じ位なので全く違和感はない。


「いい感じやないか!」

『……ブハァ!!!』

『またクレハさん鼻血を……って、今度は吐血もっ!?』


何となくわかる。この人達の事が。


「どんまいだな、悠も」

「助けてくださいよ……」


マグナさんは何やら面白そうな表情をしている。すると他の客達も僕達を見物していた。


『あの子達、若そうだけど結婚するのか?それにあのメイドさんは使用人か?可愛いな!』

『うぉっ、あの花嫁さんとメイドの脚エロくて綺麗だな』

『あの新郎も可愛らしくていいわね』

『……キスでもするのかな?』

『『『『……(ゴクリっ)』』』』


見物客達が期待の眼差しでハクさんとソフィアさんを見ている。何があったのだろうか?マグナさんにさっきの見物客達のやり取りを教えてもらう。



……大丈夫なのだろうか?


『ハク、ん……』

『え、何だ?』


……その場のノリなのか、それとも本気なのかわからないがソフィアさんはハクさんに向かって目を閉じハクさんに迫っていた。


『何だって、……誓いのキスに決まってるじゃないですか』

『え、決まってるのか?……いやいや、おかしいだろ』

『おかしくありませんよ?今の私達は新郎と花嫁なんです。そこからは誓いのキスに決まってるんですよ!ほら、何ものおかしな事はありません!……でも、新郎の私からするのもなんですね。花嫁のハクさんからキスをお願いしますねっ!』

『はぁ!?』


……何かハクさんとソフィアさんに何かあったみたい……あれ?ソフィアさんは只目を閉じているだけだ。


『おぉ、ここでキスか!』

『(ワクワク)』

『(ドキドキ)』

『……私、結婚するからあのウェディングドレスを着ようかな』


……どうやら見物客の期待の眼差しは更に高まりハクさんとソフィアさんに釘付けだ。


ハクさん、引けない状況になっちゃってるよ。


『うぐ……』

『さぁ、ハクさん』

『………………わかっ、た。』

『へ?』



すると覚悟を決めたのか恥じらいつつソフィアさんの唇にハクさんは自分の唇を押し付けた。


『~~~~っ!?』

『んっ……』


……本当にキスしゃいましたね。そしてソフィアさんは目を白黒させている。


『……ん、はぁ……これでいいのか』

『ひ、ひゃぃ……(まさか本当にしてくれふとは……幸しぇ……)』

『さぁ、ララさん。悠の防具服を見繕って欲しいんだが。あと女装無しで』

『かまへん、かまへんでぇ!!!うちの店のいい宣伝になったからな!「悠、こっちにきいや!」』

「はい!?」

「ララさんが見繕ってくれるから。俺とソフィアは着替えてくる。……『さぁ、貴方様、行きましょうか?』」

『ハク!?』


ハクさん、元々女声だが更に女性っぽくソフィアさんと一緒に更衣室に向かっている。……だが、わかる。微笑んではいるが目は全然笑っていないことに。


『あらどうしたのですか、新郎様?今からじっくりとお話があるのです。さぁ、行きましょうか』

『え、えぇと……』

『行きましょうか?……あ、ララさん。マグナ達も僕達の様に色々したいそうですよ?見繕った後、思う存分やっちゃってくださいな』

『ええんか!なら……グフフフフ……。よし、「悠の防具服と武器は特別無料や!さ、さっさと見繕うで!」』

「ハクっ!?……まさか、さっきのやり返しか!」

『……怒らすと、こうなるんですね』

『ウェディングドレス男の娘に睨まれるのも……これはこれで』



僕が着替えが終わり見繕った防具服を着た後、ハクさんとソフィアさんは約30分程更衣室でお話をしていた。加えてマグナさん達はララさんの着せ替え人形の様に服を着せ替えていた。……一時間位。






余談だがこの出来事があった後、ララさんの店は更に有名になったことは言うまでも無い。









え、話が進まない?



すいません。次回からは依頼をしていこうと思います。

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