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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
異世界に迷いこんだ者達
46/71

愚かな者達

何とかできました!


今回は長いと思います!

僕達は今、エルフ・獣人・ドワーフの人達に連れられてある国の王間にいる。エルフの人はあの場所、古代の遺跡なのだが危険らしい。その証拠に地球では見たことの無い生き物が存在していた。

そう、モンスターだ。


太古の白亜記に君臨していた恐竜みたいなモンスター、戦闘機より大きく強固なドラゴン、暴走列車でも吹き飛ばしそうな勢いで突っ込んでいく猪、銃やミサイルでも傷一つ付きそうにない甲羅を持った巨大亀等がいた。


正直、異世界なんて地球の武器や乗り物等の技術があれば征服も可能ではないか、と思っていたがそうでは無かった。


大型モンスターが地球に一体でも放たれれば国の一つは簡単に崩落するだろう。人は何一つ抵抗することが出来ずに……。


それは山村達もそう思っているだろう。モンスターが現れる度に顔を蒼白にして怯えていたのだから。


しかしモンスターより凄かったのはエルフ達だ。彼等はモンスターが襲ってきてきても平然と魔法や武器で倒していた。地球の人では持つことが不可能な大剣に槍を軽々と振るっている。僕達が子供のだからか出来るだけ残酷な物を見させないようにしてもらっていた。



「ちょっと、待ってて、くれ」


暫くすると数人の様々な種族の人と王様の様な服装を身に纏った人物もいた。だからといって豪華な服装とは違う。王に相応しい正装であるだけだ。灰色のスーツを身に纏い上からは王のローブを身に纏っている。体格も太ってなく、ガッチリした体型だ。横には鎧を着た巨漢な男性がいる。種族的に犬の獣人だろう。


「初めまして、私の名はウォルケルド・オーブ・グランメオだ。」

「我輩はバックス・ドクアムア、この国の大将軍だ。」


王様は意外とフランクな人で大将軍は真面目そうだ。ここにいる王様と大将軍を含めた人達は日本語が話せるようだ。何かのスキルなのか?


とりあえず、僕達一人一人自己紹介をした後に山村達が興奮した様に王様に発言する。


「なあ王様、俺達を召喚したんだろ?」

「何かチート能力があるだろ?」

「ステータス見れねぇのか?」


どうやら彼等も僕と同じ様に異世界召喚について知っているようだ。チャラい癖に……。


王様は呆気に取られた様な表情をするが咳払いをしてこう話した。


「……誤解しないで貰いたいのだが、我等は君達を召喚をしていない。君達にどんな能力があるかは知らない。ステータスは確かに見れる方法があるかもしれないがそれを見てどうするのだ?」


どうやらここに召喚されたのは彼等ではないらしい。……まあ何が原因かは大体検討はつく。そしてチート能力というのは簡単に説明すればズルだ。だが驚いたのはステータスは見れるらしい。だが王様が説明するにはそのステータスを見た所でそれを基準としてあまり見ていないらしい。


「じゃあ、何でーー!!!」

「恐らくだが君達が何かしたのではないか?」


その発言に山村達は罰の悪そうな表情をしていた。絶対あの碧の宝玉を動かしたせいだろうな。


「何だよっ!?魔王とか倒せとか言わないのかっ!?」


その山村の発言に王達の雰囲気がガラリと変わる。その雰囲気は『怒り』だ。魔王を倒すことに何かあるのだろうか。或いはこの世界の魔王の認識は地球と違うのかもしれない。


「……お主等、魔王を倒すと言ったのか?」


大将軍は額に血管を浮かび上がらせながら怒りの篭った声が静かに響く。


冷や汗が止まらなく身体は震えて動かない。これが殺気というものだろうか。横にいた幼馴染みの白川と義妹の実里は僕の後ろに隠れながら身体を震わせていた。


「なっ、なんだよ!?」

「魔王や魔族を殺せばいいんだろ!?」


馬鹿な山村達が怖い癖して噛みつくように言うのだが、それが更に事態を悪くさせる。


「……貴様等、魔王と魔族を殺す等と!」

「こやつ等幾らなんでも酷すぎる!」

「最低だっ!!」


周りの様々な種族の人が怒りを露にしながら山村達だけでなく僕達にも親の仇の様に見ていた。


「魔王と魔族は悪者なんだろ!!!」


その山村の発言のせいでまた怒らせることになる。


「馬鹿者ッ!魔王とは魔星にある国々の王族なのだぞっ!!!」

「それを悪者などとっ!!」

「魔族達を差別することは万死に値するっ!!」


どうやらこの世界の魔王と魔族は悪い位置ではないらしい。王様によく聞いてみると魔族を始め種族的な差別は無い。理由を聞いてみるとこの世界では一種族だけで生きていくのは難しすぎる。だが種族全体的に協力すれば国としても成り立っていけるのだ。驚いたことにこの世界には天星と魔星という惑星があるらしい。天星は天界、魔星は魔界という認識でいいだろう。その惑星の人々とも協力しあっているのだ。


僕達は勝手に魔王と魔族を悪と偏見してしまった為にこうなったのだ。地球ではそうゆう認識だということを伝えると王様達は何とも言えない表情をしていた。誤解しない為に説明しておくが、悪魔=魔族、魔王ではない。


「まあ、お主達が魔族、魔王を悪といった理由はわかったがそれはこの世界では通用しない。今回はいいが他の国で同じことを言えば確実に牢獄に入れられるぞ」


王様の言葉に僕達は黙って頷く。


すると岩川は恐る恐る王様に訪ねる。


「あのぅ、私達は元の世界に戻れるの?」


……正直戻りたくないな。戻ったとしても虐められるのは目に見えてるし。


「うむ、帰れるぞ。だが直ぐには無理だ。帰るまで一週間はかかるだろう。暫く……約1~2日は此処でいてもらおう。」


その言葉に皆は安堵する。僕を除いてだが。



「帰れるんならさ、何処かダンジョンでも行きたいよな!」

「王様、いいだろぉ?」

「私も行きたいわ!」


馬鹿な山村達は阿呆な事を言う。


「ねぇ、天城君。私達も行ってみない?」

「おにぃ……行こ?」


どうやら 二人も行きたいようだ。


「ならん、ならんぞ!」

「悪いが君達地球人はここにいるモンスターには敵わない。」


王達は拒否するが山村達は駄々を捏ねた子供の様に行きたいと連呼していた。……はぁ。後で王様達に謝っておこう。因みにこの世界の王様達は日本でいう天皇的な位置にいるらしい。王政ではないのね。


馬鹿みたいに駄々を捏ねた山村達だったが王様と大将軍に怒られてしまった。ザマァ(笑)



僕達はこの国の宮殿の中で泊まる事となったがその中は地球の最高級ホテルとそう代わり無い程充実したところだった。ベットもふかふかで飲み水も綺麗だ。


ここで働く人達も魔法で日本語でコミュニケーションが図れた。少し話してみて驚いたのだがこの世界は地球より大きいらしい。それに僕達の様な異世界に迷いこんだ者もごく稀にいるということだ。



そんなこんなで部屋のベットで横になっていると山村達が入ってくる。……嫌な予感。


「おい悠、お前もこい!」


天本が強制的に連れ出されてしまう。今は日が落ちてきている。そう言えば夕食は美味しかったな。モンスターの肉らしいけど肉質がしっかりしており噛めば噛むほど肉の旨味が滲み出し、その旨味の脂は熱々で絶品だ。


「どうしたの?」

「あ?これから全員で外に出るんだよ。」


嘘だろ。

隠れながら外に出てみると少し明るいがあと一時間もすれば暗くなるだろう。


山村達もウキウキしながら待っていた。しかも白川と実里もだ。……ホントばかぁ。


あれだけ念を押されていたはずなのに……。しかも君等あんなに怖がってたじゃん。まさか王様達も僕らがこんなことをするとは思わないだろうね……。ごめんなさい、王様達。


どうやらあの大型モンスターではなく小さなモンスターもいるだろう。それなら倒せるんじゃないかということらしい。しかも山村達は何処からか持ってきた剣等を持ってきていた。えっ、勝手に持ち出したんだよね?……立派な犯罪じゃない?


「あぁ?いいだろ、ちゃんと返すし。ここは日本じゃねぇんだ。」


いや、日本じゃないとか関係無く盗みは駄目だろう。


「止めた方がいいよ!」


だが彼等は聞く耳を持たず森の方へと進んでいった。正直見捨ててもいいが幼馴染みや義妹もいる。でも僕では非力だ。僕は慌てて走り、王様達に会いに行き、事の説明をした。


「なっ!?まさか武器庫から持ち出したのか!」

「ごめんなさい、止めたんですけど……」

「いや、謝ることは無い。大将軍、急いで捜索を!」

「御意!」


僕も無理言って連れていってもらい山村達の捜索を行った。



~~~~~


私の名前は白川理彩。私達は今兎の様なモンスターと戦っている。地球の兎より凶暴であるがそれほど強くはない。でも私は見ているだけ。やっているのは山村君達だ。緑川先輩は静かに見ていて岩川先輩はやれー、だのいけー、だの叫んでいた。


正直私は後悔していた。天城悠君。私の幼馴染みで……私の好きな人。でも彼が虐められているのを目撃してからは巻き込まれるのが恐くて他人の様にしていた。本当に私は最低だ。好きな人なのに巻き込まれるのが恐くて距離を離したなんて。それからは天城君は何もかもを諦めた様な表情をしていて、そんな表情をさせてしまった事に酷く苦しみを覚えた。昨日は自分の思いを伝える事とそして彼を救おうと決めていたのに、できなかった。私の事嫌いなのかな。……そうだよね。天城君の反応は正しいと思う。でも私は諦めきれなかった。


私は過去に二度天城君に命を救われた。一度目は近くにある川で溺れてしまった時に身を挺して私を助けてくれたこと。二度目は車に引かれそうになったときに助けてくれたこと。

二度も救ってくれたのに私は彼を救おうとしなかった。今回だってこんな危なそうな場所にいるんだ。横には大きな川が流れており一度入れば水泳選手であろうと飲み込まれてしまう。


そして私達は気づかなかった。こんな弱いモンスターがいる森の中でもその森のボスが私達に狙いを定めていたことを知らずに……。



~~~~~


私の名前は天城実里。 天城悠の義妹。私は義兄、悠が好き。最初は一目惚れ。少女の様に幼く可愛らしい顔に少し長めの黒髪、優しくて何時も私はおにぃにべったりだった。でも、あの時から……おにぃが虐められているのを見てしまい、それから怖くなっておにぃを避けていた。家族を見捨てたのも同然だった。それからおにぃは全てに興味の無い感じで私や父さんや母さんにも同じく他人の様に振る舞っていた。私はどんどん離れていくおにぃが怖くて話すこともできなくなった。それと同時に悔しかった。何でおにぃを家族を助けようとしなかったのだろうと。



そして私は更に後悔をする。大切な存在を失ってしまう事に。



~~~~~



ーギャォォォオオ!!!


大きな声が響き渡る。


僕は大将軍達と共にその場所へと向かう。僕は大将軍と共に馬竜(ドラゴンホース)と呼ばれるモンスターに乗っている。体型は馬に近いが龍の様な爪や角があり身体には雲の様な物が足に付いている。そのスピードは凄まじい。車より速いだろう。



到着すると山村達の周りに大型モンスター三体が取り囲んでいた。


一体は大きな川から現れた竜。名付けるとするなら水竜だろう。首はキリンの様に長く身体は海亀のようだ。

二体目は大型の猪だが牙は捻れる様に前に突き出しておりイッカクと同格、それ以上だろう。

三体目は泥々のゴーレムだ。泥々と土が出ているが噴水の様に吹き出しながら身体が保っている。


「天城、君は此処で待ってるんだ!」


そういうと大将軍達は彼等を救出するために駆け出した。


それにしてもモンスター達は非常に興奮している。何か怒らしたのだろうか。



「「きゃぁ!!!」」


聞き覚えのある声がして見てみると激しく流れる巨大な川の近くにいた白川と実里のいる地面が大きく崩れ川に落ちたのだ。


「白川、実里!!!」


僕は自然と飛び出し川へ飛び込んだ。川は流れが激しく意外と深い。僕は泳いで白川と実里を引き寄せる。


「天城君……!」

「お、おにぃ……!」


どうやら大したことはないようだ。僕は足を動かして川岸に進もうとするが。


ーギャォォォオオ!!!


川にいた水竜が僕達に襲いかかろうとする。


「はぁっ!!!」


大将軍がそこに割り込み水竜を素手で吹き飛ばした。……凄いな、大将軍。5倍もあるのに。


「天城!」


大将軍は僕達を担ぐと川から脱出した。


「天城君、ありがと……」

「おにぃっ!」


とりあえず二人共無事でよかった。もう、こんなのこれっきりにして……。猪モンスターと泥々のゴーレムも無事に倒した様だ。





これで終わりだと思っていた。




ーグルォォォォォォォオン!!!




巨大な川から一体のモンスターが現れた。



「何!?グラトニークロコダイルだと!?」


グラトニークロコダイルは見た目はワニの様だが超巨大で倒れていた水竜を丸のみをした。その超巨大なワニは僕達を見つけるとゆっくりとした動きで近づいてきた。



僕は白川と実里を連れて逃げようとするが……。



ドンッ!



僕は誰かに背中を強く押されて、川に落ちてしまう。


「悠!てめぇが囮になれっ!」


溺れそうになりながらも見上げるとそこには天本がいた。そしてその横には山村達がいて、地面にあった石を持つと超巨大なワニに向かって投げつけた。


すると怒ったように見ると僕に向かって突っ込んできた。


「天城君っ!!!」

「おにぃっ!!!」


白川と実里は大将軍の近くにいて助かったみたいだ。


「こぼっ!?…よかっ……」


既に目の前には超巨大なワニが大口を開けながら僕を飲み込もうとしていた。



「うぉぉぉぉお!!!」


すると大将軍は超巨大なワニに向かって正拳で殴り付けた。

ワニの身体は傾いて倒れてしまうのだがその反動で川の流れがより激しくなり大きな波が僕を飲み込んだ。


「ごほっ!?カバハァァ……」



そして、僕の意識は刈り取られた様に手放したのだった。



~~~~~



「貴様等ァァァァァア!!!一体何をしたかわかってるのかァァァァァア!!!」


王前には大将軍は怒り狂った表情で天本達を怒鳴り付けていた。あの後から2日間、天城悠の捜索をしたが見当たらなかった。白川と実里は天城悠を失ったショックで寝込んでしまっている。


「大将軍、落ち着け。」

「しかしっ!」

「この男等にはそれなりの処罰はする。」


その王の言葉に天木達は反発する。


「なんだよ、あいつの囮で助かったんじゃねぇか!」

「そうだ、あいつはあれ位しか使えねぇ!」

「俺達は日本に帰るんだ!お前等には裁けねぇよ!」


しかし王様は表情を変えず、ある者達を呼び寄せた。


「入れ、」


扉から現れたのはある日本人だった。


「おっ親父……」


そう、この日本人は天本一の父親、天本宗司だ。天本宗司は王様に一礼すると天本一の方へとヅカヅカと近づき、殴り飛ばした。


「この、馬鹿息子がぁぁぁぁっ!!!」


その怒りの形相に天本一は泣きそうな顔をしていた。頬には赤黒く腫れている。すると天木宗司はこの事を起こした山村達を睨み付ける。


「本当ならここでお前等も殴り飛ばしたい。だが既にお前達の家族に伝えたある!」


その発言に山村達はこの世の終わりの様な表情で座り込んだ。


「ウォルケルド王、この度は貴殿等に本当に申し訳ないことをした!」


天木宗司は王様と大将軍等に対して頭を地面に着けて土下座をした。


「……天木宗司よ。お主は立派な国務大臣なのはわかる。だが、その息子はどうだ。これ程の者を私は見たことがない。しかもだ。お主の息子を含めたそやつ等は国の武器庫から勝手に武器を持出し、加えて魔寄せのお香を使用しこの様な事が起こったのだ。」


それを伝えた後王様達は天城悠の捜索の為にある国の軍に要請をかけだったのだ。







悠君どうなるのかな?

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