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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
七天龍、緑剛龍ノ章
32/71

緑剛龍ヘルクガム

何とかできました!


いつも見てくださる皆様、ありがとうございます!


もう一つ投稿できるかな……?

突如現れた樹木によってソフィアが降り下ろした片翼の太刀(アイズ)を防がれてしまう。


その間にトランススライムは氷から脱出し自由の身になっている。だがトランススライムはそのままソフィアを襲うことはなく広間の奥に刺さっていた剣を見ていた。


「何……あれ……」


その剣はただならぬ気配を放ちながら一つの生命体、生物になっていく。


『……うむ、あれは不味いな。』

「うん、ぶっちゃけ……ヤバイ」

「予想外……」

「規格外……」


アダスは本能的なのか守る態勢になり、ディオン達、聖獣達は武者震いか何なのかわからないが警戒がピークを達している。


そしてその剣の近くにはハク、マグナが臨戦態勢になっていた。

だが二人の表情はこれまでにない緊張感を放っている。ソフィア自身はあれほど恐怖にも似たハクの表情は今まで見たことはなかった。……いや、想像できなかったのだ。



剣は一体の生物に変わる。

その姿は緑色の龍であるが翼は無く、人形に近いものだった。頭には一本の槍の様な角を持ち、身体はしなやかで引き締まった筋肉がついている。その上からは戦国武将を思わせるような鎧を身に纏う。


そして緑の龍は口を開けた。






『よぅ、俺の名はヘルクガムっていうんだ。よろしくな!』



~~~~~




『ライム、手出しはするなよ?』


ヘルクガムはトランススライム、ライムに静止の声を呼び掛けるがそれを抗議するように身体を震わせる。


『大丈夫だ。こいつらは俺の客だ。……それに悪いやつじゃねぇってことくらいはわかる。』


そう言うとライムは渋々と動きを止め、スライム状態に戻っていく。


『そこの金髪のお嬢ちゃんも悪いが、ここまでにしてくれねぇか?』


「は、はい!」


ソフィアはミル達の元へと戻っていく。その間にヘルクガムはハクを見ていた。


『(……まさか、本当に来るとはなぁ。まだ幼いとはいえあの頃のクトゥリナに瓜二つじゃねぇか。多分女と散々間違われているんだろうなぁ…。人生っつうのは何が起こるかわかんねぇーな!)』


ヘルクガムはハクとクトゥリナを照らし合わせながら懐かしい感覚を思い出す。


そしてハクとマグナと対峙する形になるとヘルクガムは身体に纏うオーラを放出させた。



『さあ、俺と戦おうぜ!!!』




~~~~~



『さあ、俺と戦おうぜ!!!』



その言葉と同時にディオン、ヴァリアス、スィエラが立ちはだかる。

三体の聖獣は大きく変化しヘルクガムに対して威嚇をしていた。


『……へぇ、中々の強い殺気を放つじゃねぇか。だが、悪いな。俺が戦いてぇのはその後ろの二人だけだ。』


しかし、ヘルクガムの言葉を受け入れずに威嚇をさらに強めていた。


しかし威嚇していた三体の聖獣頭にポンッと二人が手を置く。


「大丈夫だ、ディオン下がっててくれ」

「ヴァリアスとスィエラもだ」


しばらく考え込んだ三体は溜め息をつきながら了承する。


「ハクがそういうなら……」

「わかった!」

「油断大敵だよー!」


そう言うと三体はソフィア達の元へ、ハクとマグナは半身になって構えた。



『……ハンデをやる。俺は自分の能力は使わねぇ。只の肉体勝負だけだ。お前達は俺の身体に傷をつけたら勝ちだ。別に嘘はつかねぇさ。どうだ?やるか?』


そのハンデに二人は頷く。

それでいいのか、と思うがヘルクガムが能力を使えば一瞬で決着がつくかもしれない。それを二人は理解をしていた。


だからこのハンデに乗ったのだ。



『よし!じゃぁ……いくぜ!?』


ヘルクガムはハクとマグナのいる方向に向かって拳を放つ。その威力はトレーラーでも粉々にしてしまうほどだろう。

ハクとマグナは少し反応に遅れたが無事に避ける事に成功した。


ヘルクガムが放たれた拳は大地を抉り、その割れた地面の欠片が降り注がれる。


ハクは急かさず電撃で全てを撃ち落としてヘルクガムへの道を開ける。そしてその道をマグナが突っ込んでいき、ヘルクガムに向かって蹴りを放った。


「ちっ!?」


放った蹴りはヘルクガムには当たりはしたが身に纏っている鎧で防がれてしまった。


しかしマグナの攻撃はそれでは終わらず着地をすると片手を地面につけ、魔術を使う。


「『大地之拘束(グラウンドバインド)』!!!」


ヘルクガムのいる地盤が緩み足下を沈め、それに加えて絡み付くように拘束され身動きが取れなくなってしまう。


『ぬっ!?』

「ハク!!!」

「了解した!」


ヘルクガムの頭上にはハクが生み出した雷の塊が落ちてくる。


「『雷爆破(サンダーブラスト)』!!!」


そしてヘルクガムに直撃した。



ドゴゴゴォォォォン!!!



既に回避していたマグナはハクの元へと戻り倒したのであろうヘルクガムへと目を向けている。


しかし、そこには傷一つ無いヘルクガムがだった。



ハクとマグナはあの雷爆破を受けても効果が無いこと驚きはしたが、それと同時に高揚している。

久しぶりに全力で力をぶつけられる相手を見つけて。



二人は全力でヘルクガムに挑む。



「『雷纏(ライトニング)』!!!」


ハクの身体は爆発的な稲妻に纏い、ボニーテールの真白な髪も乱れ碧眼の両目は稲妻の様な黄金色に変化する。


「『紅剛化(ルージェスト)』!!!」


マグナの身体から赤いのオーラを発すると身体全体に刺青の様な紅の模様が巻き付く様に現れ茶髪の髪にも同様に浮かび上がっている。




『いいねぇ、いいねぇ!それがお前等二人の全力か!さあ、来いよ!!!』


ヘルクガムは構えた瞬間、ハクは顔面にマグナは胴体に蹴りと拳を放った。



「はああああああああああああぁっ!!!」

「らああああああああああああぁっ!!!」


『おおおおおおおおぉ!?!?!?』



ヘルクガムの身体は宙に浮くが踏み止まり長い尾で鞭の様に薙ぎ払った。

だがそれをマグナが片手で辛うじて受け止め、反撃に空いたもう片方の拳で地面を叩きつけた。


「『大地之剣(グランドソード)!!!』」


ヘルクガムの周りの地面から刃が取り囲む様に現れ串刺しになるはずだったがやはり傷一つ付かない。


だがそれで動きを止める事になり、そのままマグナは拳を放つがそれと同時にヘルクガムも拳を放った。


両者の拳がぶつかった瞬間、衝撃波が生まれ辺りにある岩や光結晶が吹き飛ばされた。


『さすがは鬼族の紅剛化だなっ!』

「くっ!?お誉めに預り光栄だ!だが、俺だけを注目していていいのか?」


苦しそうに笑うマグナの言葉に初めて気づく。


ゾクリッと後ろから緊張が走った。


ヘルクガムの後ろには数個の雷の球体が回転させていたハクがいた。その回転する球体はハクを中心に吸収され一つの大きな球体となる。


『おいおいおい、完全に殺しかかってるんじゃねぇか!…だが、いいぜ!おもしれぇ!!!』



ヘルクガムはハクに注目してしまうが身体が地面に埋まっていたのだ。


「『大地之拘束(グラウンドバインド)』、俺を忘れるなよ?」


にやりと笑うマグナにヘルクガムは問う。


『いいのかよ?お前も巻き込まれんぞ?』


「安心しろ、てめぇと戦う前に打ち合わせはしてたんだよ。それより、自分の心配をした方がいいぜ?」


そうこういっている内にハクは準備を終え、莫大なエネルギーを放たれる。






「『雷電砲』!!!」







その瞬間、光だけが発射し遅れて音が鳴り響くのだった。




~~~~~



『雷電砲』が通過した後は地面が抉れ壁の方まで届いていた。その壁には砂煙が激しく舞っておりヘルクガムがどうなったかはわからない。


ハクは荒く息を切らしながら片膝を地面につけていた。


その傍から大人が丁度入れる大きさの穴が現れるとそこからゆっくりとマグナが出てきた。


マグナは雷電砲を打つ前に魔術で地面の下深くに避難していたのだ。


「うぉ~い、大丈夫か?」

「ああ、マグナはどうだ?」

「余裕で避難できたぜ」


そう言うとゆっくりとハクは立ち上がると未だに立ち込める砂煙を見る。


その砂煙からゆっくりと大きなシルエットが現れた。


『グファハハハ!今のはすげえな!だが、あれじゃぁ、俺の身体は傷一つ付かねぇぜ?』


ヘルクガムの身体は砂等で汚れてはいるが傷一つ付かない。


ハクとマグナは互いに苦笑いをした。


あれだけの攻撃を食らってまだピンピンしているのかと。


だからといって諦めた訳ではない。


二人は更に力を放出しヘルクガムに向かって駆けていく。それをヘルクガムは歓迎するかの様に駆け出していった。



二人と一体の影がぶつかり合い、再び戦闘が始まったのだった。

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