ある男の話
PV2000を越えました!
読んでいただいた方、本当にありがとうございます!
本当にやってきてよかったと感じます!
これからも『双子世界の物語―ツインワールドストーリー―』をよろしくおねがいします!
今回は日本の話になります。
新キャラのオウカが登場です。
え?何でいきなり?…ここら辺で出そうかな…と。
おかしかったらすみません。
あと
うわ~、とかえぇ~、見たいな所があると思います。
あと結構長いかもです!
暖かい目で見守って下さい…( ;∀;)
昼盛りの中、俺は町中を歩いていた。
俺の名前は神崎桜花。只今29歳独身の男だ。出身地は京都。髪は黒で体型はがっちりしている方だろう。周りには目付きが悪いと言われることもある。童貞ではあるが様々な女性と付き合った経験はあった。…ヤったことはないがな。
突然だが俺の人生は…裏切りが多かったと思う。いや、俺がいけないのだろう。別に悲劇の主人公を演じたいとは思っていない。
只普通の生活をしたかっただけなんだ…。
俺が中学の時、初めて異性と付き合った。その時の俺は一年生、相手は一つ上の二年生だった。きっかけは部活が同じだったからだ。容姿は別段美人ではない。
でも好きだった。
その子の性格が、その笑顔が好きだった。
彼女も俺を弟の様に接してくれたが俺は彼女の事を愛していた。
そして知り合い友達となって半年、俺は彼女に告白した。そして彼女は快く受け入れてくれた。俺は嬉しかった。そして恋人同時になった。だが付き合って一年後、俺は二年生で彼女は三年生になった。俺は彼女の事を変わらず愛していた。愛していたはずだった…。
ある日、俺は部活の無く彼女と一緒に帰ろうと誘ったが断られた。俺は何の疑問もなく一人で帰り、友達と一緒に遊んだのだが…。
友達が言ったんだ。俺が付き合っている彼女が他の男子といちゃいちゃしていたことを。
俺は何かの間違いだと思い翌日彼女に訊ねた。間違いだと思いたかった。
だがその幻想は打ち砕かれてしまった。
デキていたのだ。
その他の男子と。
その男子中学は彼女と同学年でクラスメイトだということだった。しかも妊娠していた。最近わかったらしい。そしてその男子と結婚も考えていると。その男子はいわゆるヤンキーだった。俺と会うと「俺の女だ、手を出すな!」と言ってきた。その時の俺は無知だったからどうやったらできるとかやり方とかわからなかったのだ。それを聞いて俺は…悔しかった。今思えば寝取られたのだ。最低な気分だった。それから俺は学校には行ったものの部活を辞め彼女とは一切会わないようにした。
まあ、気まずかったんだ。別に彼女の事やあのヤンキー男子には恨んではいない。
原因は俺だったのだろう。彼女は何も不満を持っていなかったと思っていた。…思っていたんだ。
でも、思っていた、だけなんだ。
俺は彼女が不満があったことに気づけなかった自分を憎んだ。本当に何してんだって。
そして彼女は卒業しその男子と同姓を始めたという噂を聞いた。
俺は只幸せになってほしいと願った。
そしてさらに一年後、俺は中学校を卒業した。
これだけではない。だがこんだけ長々と言っていても面倒なのではしょって説明しよう。
高校の時は三人と付き合った。一気にではない。付き合っては別れ付き合っては別れだ。自分で言うのもなんだが浮気するほど度胸もないし、何よりされた方の気持ちがよくわかるから。
一人目は同じクラスメイトで幼馴染だ。だが半年で別れた。原因は相手の浮気、同じクラスメイトの男子だ。
二人目は違うクラスのギャルだ。不良の男達に教われそうだったので、ボコって蹴散らした。俺は幼少期から空手や柔道、少林寺、太道、レスリングをやっていた。高校に入ってからは空手と太道しかやっていない。部活は空手だ。自分でもあんな練習をよくやってこれたと思う。そんなこんなでその子と付き合うこととなった。それから他の不良等にも襲われたが蹴散らして彼女には近づかないように言った。それからは俺や彼女が襲われることはなかった。俺は彼女と恋人同士になっていたと思っていた。加えて不良達との交流も増えた。…一応言っておくが不良になったわけではないぞ?不良と言えば負のイメージがあったがそうではなかった。意外と良い奴らばっかりだった。…まあ、悪い面もあるけど。仲間思いだし困っている人がいると放っておけない奴らだった。だからといって彼女との関係は終わっていない。毎日一緒にいるし家まで迎えに行ったり送ったりしていた。何度か迷惑かと聞いたが大丈夫、むしろ毎日来てほしいといっていた。なので一日も欠かさずに家に迎えに行ったり送ったりしていた。…長いな、はしょるぞ。
別れた、原因…相手の浮気だ。
三人目は俺が二年生の時で相手は年上、三年生だ。…まあ、結局は相手の浮気で別れた。
高校を卒業し大学へと進学、そして大手の会社に就職した。それまでにも付き合った女性はいたが相手の浮気で別れた。…その時も俺が悪かったんだろうか。もうわからなくなった。
俺は就職した先で数年で社長に登り詰めた。
こんな若い社長でいいのかと思っていたが他の社員達は自分の事の様に喜んでくれた。嫉妬している人もいるんじゃないか、と思っていたが誰もいないようだ。本心でどう思っているかわからないが…。
…散々自分の事を言っておいて何だが裏切りとか不幸とか今はどうでもいい。
ん、何で説明したかって?…何故だろうか?何かすまん。
まあいい。
俺はあることを考えていた。
『神』はいるのだろうか、と。
いきなりだな、と思うだろうがな。
俺の考えの結果は「いるだろう」だ。
理由は簡単。俺達人間が存在しているのだからいるんじゃないか、と。
何でこんなことを考えだか、というのはそれほど大したことではない。
俺は神話について興味があったんだ。ギリシャ神話に日本神話、エジプト神話等…。それらを見てると神って本当にいるのだろうかと考え始めたんだ。何故『神』は存在しているのか、と。
俺はある仮説を立てる。
一つ目は神というのは地球とは違う世界に住んでいる、ということ。これは誰でも考えることだろう。
二つ目は俺達の精神を裁く為に人間が創造した存在か。人と言うのは様々な種類の精神、性格を持っている。その者の中には罪悪感が残りやすい者もいるだろう。
誰か経験はあるのではないか?
小さいことだが悪いことをして何か罪悪感が心に残ってしまったりして苦しむことを。
人は人を裁ける。
それは確かにそうだ。
だがそれは肉体的なものでしかないのではないか?
確かに人は人を裁ける。
その裁きが終わった後は?
人に裁かれたとしても未だに自分のしたことに引きずって生活をしている者もいるのではなかろうか?その罪が大きいとか小さいこと関係なく。
そこで登場するのが『神』だ。
神はどんなことでも見通せる。裁きを与えられる。罪を無くしたければ祈れ、ということだ。
要するに『神』に許してもらえば罪は無くなるということだろう。
だから『神』は存在するのだろう。
…え、意味わからない?…すまない、説明が下手くそで。
俺は思った。
もし『神』がいるなら、
謝りたいと。
何故かって?
俺達人間は都合の良いように神頼みをしているのだ。それをどれだけの人々の頼みをしているか。神社の御参りだってそうだぞ?
俺もその一人だ。
だからこそ謝りたい。
『いつも、すまない』と。
だが実際に『神』がいるかはわからないが贖罪として(これで許してもらえるとは思っていない)世界にある神社や神殿等、『神』を祭っている場所があるのだが人々から忘れ去られたり壊れたりしているのをボランティアとして修理・修復を行っている。そして数え切れない程の神殿等を復元してきた。中には名前が無かったり分からなかったりしたが、その場所の国や町の過去の文献を漁り何とか名前がわかった。森の中で埋もれていたりして人々から忘れ去られた場所は思っていた以上に多かった。殆どが分からないのがあったが自分で名前を付けた。…大変だったが本人はどう思っているだろうか、嫌だったりしないか?
そして現在俺は日本に帰ってきて久々に地元を訪れていた。…本当にいろいろ会ったよな。
俺は同窓会で帰ってきたのだ。同窓会が終われば会社に戻らなければならない。ま、暫く休んでたしな。
俺は同窓会の場所、母校である高校へと向かい指定された場所へと入った。
久々に会う同級生はあまり変わってなかった。なんやかんやで楽しみ、明日は早いので先に帰ることにした。
そして帰る途中、あることが起こった。
「桜花君!」
俺は振り向いた。
そこには高校の時に付き合い別れた幼馴染だった。久しぶりだったので話そうとしたんだが…。
「桜花!」
「おーちゃん!」
…何でだ?
幼馴染だけでなくその後に付き合ったギャルと年上の元彼女だった。
意味がわからん。
いや、別に恨んでもないからな?
「桜花!!!」
さらにもう一人がタックルしてきた。
よく見てみると初めて中学の時に付き合った彼女だった。
なんだ?何これ、カオスじゃん。
「桜花、会いたかった…本当に…」
会いたかった?…………は?
「誰?」
「桜花、誰なんだ!?」
「おーちゃんの…彼女?」
三人は訪ねるがそうじゃない。
「いや、中学の時に付き合った元彼女だが?」
中学の時の元彼女(元カノ1)はさらに抱き締める腕が強くなる。…ちょっと痛いな。
「桜花…もう一度、もう一度やり直さない?」
は?どういうことだ?ヤンキー男子はどうした?
聞いてみるとヤンキー男子と結婚はしたが全く上手くいかず自分や子供に暴力を振るっていたらしい。近所の住民によって警察に連絡され逮捕されたと。今は実家に戻り生活しているようです。
何故俺が此処にいるのがわかったのかは友達が俺の高校と同じで教えてくれたらしい。
いや、…は?
「…ぃゃ、いや!桜花君、私とやり直そうよ!図々しいのはわかってる!わかってる…、でも…でも…!」
「…桜花、高校の時はごめん。私、あの時桜花の優しさが当たり前だと思ってた。親にも友達にも言われたんだ。何で桜花を捨てたんだ…て。男ならそれが当然だと思っていた。…居なくなって初めてわかったんだ。私は…ずっと後悔していた。桜花の変わりなんて…いなかったんだ。桜花と別れてから…ずっと虚しくて、悲しくて、辛くて、…でも!桜花の事が諦めきれなくて!…だから、…こんな裏切った女だけど。私とやり直して欲しい…。」
「おーちゃん、私、酷い女だとは分かってるよ。嫌いになってると思う。いや嫌いだよね。私、自己中心で桜花と付き合ってるのに色んな人と浮気してて…。それでもおーちゃんは私を守ってくれた!その時に気づくべきだった。今更遅いのはわかってるけど、やり直して…欲しい、の。」
他の三人も同じようなものだった。
…何ともなぁ、どうしたらいいんだ?
四人からよりを戻したいと言われてもな…。
すると前から四人の男性がやってくる。その顔は変わってはいるが見覚えがあった。
彼女等が浮気した相手等だった。しかも兇器を持って。…まじかよ!
「なんでだよ!なんで、桜花なんだよ!俺の女だろ!杏子!」
「桜花を殺したらいいんだよ、桜花を殺したら奈未は帰ってくるんだ!」
「朱里、待っててね?俺が桜花の魔の手から解き放してあげるから!」
「お前がいなければ!亜美は俺のものだったんた!殺す!殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!」
…やべぇ。
ちなみに中学の時に付き合った元カノが杏子で幼馴染が奈未、ギャルが朱里、年上が亜美だ。
はぁ…。死ぬやん。厄日か?
「四人とも、さっさと逃げろ!次いでに警察に連絡を忘れずに!!」
とりあえず逃がすしかないのだ。四人を守るにはきつい、と思う。一応毎朝鍛練は続けているからな!
四人は何か言ってるが…面倒臭い!
「さっさと逃げろって言ってんだろ!!!お前等がいると足手纏いなんだよ!!!」
怒鳴ると四人は泣きながらこの場から逃げた。この場所はあまり人通りが少なく悲鳴を上げても聴こえないかもしれないからな。
「しねぇ!!!」
日本刀で斬ってきた男を避ける…て、えぇ!日本刀マジか!かっけぇぇ…いや、ダメじゃん死ぬじゃん!
「おらぁ!!!」
「ぐっ!?」
次ぎはサバイバルナイフを持った男が刺してきたが、避けることが出来ず腹部に刺されてしまう。
…ちぃ、痛てぇ…熱い!
俺は刺された腹部に力を入れ筋肉を収縮させる。
「なっ!抜けねぇ!」
「痛てぇんだよ、…歯を食いしばれ!!!」
必死にサバイバルナイフを抜こうとする男の顔面に向かって拳を放つ。…めり込んだし歯、何本か折れたな。一応謝っておこう、すまん。
「てめぇ!」
鉄の棒を降り下ろした男に片腕で相手の腕を止め、懐に潜り込み、相手の片手の背負い投げ、一本背負いで放り投げる。
…まさか昇段の時の型の試験の技を使うとは思わなかった。その男は無防備で地面に叩きつけられ気を失う。頭はちゃんと打たない様に考慮してるから死んではないだろう。
「くそっ!」
日本刀は斬りかかってくるが、俺は腹に刺さったままのサバイバルナイフを引抜き相手の日本刀をとらえると剣戟が響きわたる。
「なっ、化け物!!」
「だまれ」
俺は日本刀の男に日本刀を叩き落としがら空きの腹に向かって殴り飛ばす。男は意識を手放す。
さぁ、あと一人だが何処だ?
ーバンっ!!
…なんだ?胸が…熱い…いてぇ…。
「クハハハハ!いくら化け物でも拳銃には敵わねえよなぁ!!!」
おい、…まじかよ。撃たれた…のか。
「キャハハハ!おら、しねーブハァ!?」
「…ったく、…喋っ…てる…時、がら空き…だろ…」
やったことは簡単、喋ってる間にがら空きになっているところを殴っただけだ。
「やべ…ヤバぃ…な…」
意識が遠退いてゆき、俺はその場に倒れ込む。
警察官やら元カノ等がやってくる。必死で何かを言ってる。聞こえねぇ、何、だか、眠くなって…。
そして、意識を手放し、
俺は死んだ。
~~~~~
「やあ、神崎桜花君。」
目の前に中性的な白髪の人物が立っていた。ギリシャ神話の神様が着ていそうな白い服を纏っていた。その人物がいる空間は一面…白い。
「ん?どうしたんだい。」
「い、いや、俺死んだのか?」
「うん、死んだね。どんまい!」
「えぇ…」
何だこの人、凄く軽いな。とりあえず、だ。この人は…本能だろうか?分かるのだ。
「あんたは…神様…か?」
「うん、そうなるね」
「何で俺が…ここに…?」
「君は転生するんだよ。…一応断っとくけどチートとかないからね?最近の地球人ってそういうことを考えやすいらしいよ?そんなものあるわけないのにね?ありえないよね?馬鹿なのかね?そんな都合の良い話あるわけないし。何でも神頼みっていけないと思うんだよね?一人だけ特別って駄目だと思うんだ。どう思う、桜花君、」
「え、えっと…」
俺はその神様に向かって正座し、土下座をした。
「すみませんでした!!!」
「……わかるよ、君が言いたいこと。でもね、僕は、僕等は感謝をしたいんだよ」
「え…?」
すると神様の後ろから大勢の人達が現れる。本能でわかる、わかってしまう。彼等は神々だと。
「桜花君、ここの神々達を代表をして、創造神である僕から礼を言うよ。…ありがとう、彼等を救ってくれて。」
「いや、それはどういう…?」
「神っていうのはね、原点と昇格と根源があるんだよ。原点は最初っからいる者やその原点から産まれた子達の事。昇格は人等の生物が神へと至る者のこと。代表的なのはイエスや仏陀だね。根源は人や生物が思い願い創造された神のことだ。根源は人々の信仰が無くなると消滅してしまうんだ。だけど桜花君、君のお陰で根源の神々達……彼等を消滅の危機から救ったんだ。だから感謝するんだよ」
「あ、はい…」
「だから転生するからね、まあ転生って自然の摂理だから普通なんだけど…君は少し若返らせてあちらと世界へ送るんだよ。」
「え、転生!?ちょっ!?」
「チートとか無いからねー!あと異世界だからってあんまり調子に乗ってると地球の刑務所行きだからねー!」
「「「「いってらっしゃい、桜花さん!」」」」
「ちょ…まっ…て…」
そして俺は意識を手放してしまった。
なんだってんだよぉぉぉぉぉぉぉ!?